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神華牡丹学園物語  作者: 瑞目叶夢
1章華人の不安と仇の顔
6/62

新しい出会い、神華牡丹学園とは

船の部屋は、いっぱいあったが学園が借りている部屋は生徒と学園関係者のぶんしか取っていない。他は一般客の部屋だ、と言っても華人や妖怪なのだが

3人はいろんな部屋を見るがどこも6人席は、埋まっている

最後に3人並んで片側に座っている人たちの部屋を見つけた。


「もうここしか開いてなさそう」


3人が部屋に入ると見知らぬ女子が二人と、

さっき多義多織でみた真望(まもう)がいた。


「それで、俺は言ったんですよ、どんなに人数そろえようと俺には勝てないぞ!ってね!」


真望は一生懸命に黒髪でネコ目の美少女に語っていて気づいていない、

その少女の隣ではオレンジのような茶髪のポメラニアンを彷彿とさせる少女がクスクス笑っている


挿絵(By みてみん)挿絵(By みてみん)


「それで?あなたどうしたのよ」


黒髪の子が真望に聞く


「えぇ、やつら5人くらいで俺を殴りだしたんですけどね!

俺はやつらのズボンを濡らしながら応戦して、先生が駆けつけるころには、

彼らはお漏らししたみたいになっていて、クラス全員に笑われて、一人立ち向かった俺は

お漏らしさせるほど強かったってみんなに英雄のように称えられたんです!」


真望は得意げに語っているが、黒髪の少女は笑わず真望から目をそらし、

茶髪の子は大笑いしている、


「真望くん・・・・」


美羽がつぶやくと真望がこちらに気づいた。


「おお!同士よ!また会えるとは!なんという運命だ!

さぁそんなところに立っていないで座り給えよ!

俺の武勇伝を聞かせてやろう!」


美羽は苦笑いしながら奥の茶髪の子の前に座り、

千李、岸雄の順に座った。


「あら?その髪は、美羽様ではないですか?桜姫様の娘様の」


茶髪の子が聞いてきた。


「へー、じゃぁその隣の金髪君は英雄夫婦の息子さんね?千李さんだったかしら」


黒髪の少女が千李を見てにっこり笑った。


「ほほぉ!!そんなすごい人達だったか!じゃぁ君もかい?のっぽ君!」


真望に言われて岸雄はびっくりしてたじろぐ


「ぼ、僕は、そ、そんなんじゃ・・・・」


しりすぼみの発言をして小さくなる岸雄


「彼のお父さんとお母さんも私達の親と戦ってたのよ」


慌てて美羽がフォローするも、岸雄はまた小さくなる


「なんと!それはすごいじゃないか!俺は2年前に日本から来ていてねぇ、いやぁ無知でお恥ずかしい!あのうわさに聞く戦争で戦っていたとは十分すごいじゃないか!胸を張り給え!」


それを聞いて岸雄は顔を勢いよくあげる


「パパとママはすごいよ!で、でも、ぼ、僕はできそこないだから」


またさっきより一段と岸雄は小さくなった。


「確かにできそこないみたいね、うじうじ湿っぽくて戦士達の子なんて嘘みたい」


黒髪の子が不機嫌にそう言うと、茶髪の子が割って入る


「まぁまぁ、ちょっと臆病なだけじゃない、自己紹介がまだね、私は綾癒澄(あやゆずみ)

綾家の長女で、兄さんが1人いるの、神華は治癒能力と瞬間移動、よろしくね!」


元気に挨拶する癒澄は、美羽に手を出す、美羽は嬉しそうに握手する


「よろしくね!」


美羽はにっこり笑う


「私は沢影姫(さわえいき)、馬鹿な弟が一人いるわ、能力は影操り、よろしく」


影姫は、千李に手を出す


「うん、よろしく」


にっこり千李が笑って握手し返す


「俺は日本生まれで両親は華無!文月真望(ふづきまもう)!神華は水操作!

華無の星となる男!一緒に素晴らしき学園生活をおくろうではないか!」


真望から差し出された手を岸雄は握る


「じゃぁ、一応私たちも。私は須館美羽(すだちみわ)、超再生と神華搾取(しんかさくしゅ)と混入、神華の形も見れるわ、あ、でもむやみやたらにとったりしないからね!だから安心してほしいの」


神華搾取と神華吸収など、神華をとる神華は、華人にとっては危険だ、

そのことは、能力搾取を持ってる飛鳥に聞かされていた。


美羽は様子を伺うように3人と岸雄を見る


3人はきょとんと、美羽を見る、そして影姫はクスリと笑う


「大丈夫ですわ美羽様、誰もそんなこと気にしませんわ」


影姫は、にっこりと笑う


「そうそう、誰も美羽様が人の能力をわけもなく盗むなんて思いませんよ!」


癒澄は、美羽の手をぎゅっと握り閉めて笑いかける


「良かった、私、それがどうしても気になっていたの、あんまり歓迎されないと聞いていたものだから、あ、あとね、よかったら様って言うのはちょっと距離を感じるから他の呼び方にしてもらってもいい?みんなとも仲良くなりたいから敬語もいらないよ」


美羽がそう言うと癒澄が美羽の手を離して飛び跳ねた。


「ほんと!?よかたぁ!私敬語苦手なのよねぇ!親に失礼のないようになんて言われて面倒だなぁって思ってたけど本人がいいって言ってるんだからいいよね!よろしくね!みわわ!」


美羽は、その勢いに圧倒される


「み、みわわ?」


「そ!かわいいでしょ!」


にっこり満足げに笑う癒澄を見て

3人は困ったように笑う


「なにを隠そう俺も二つ名を賜ってね、その名もまもりんだ!

素晴らしい!凛とした名前だ!癒澄君のネーミングセンスは神の域を越えているといえるね!!」


「もうぉそんなに褒めないで!まもりんてば恥ずかしい人!」


「なに、照れることはない、この真望、君に賜った二つ名、大事にさせていただこう!」


もぉやだぁなんて言って顔を赤くさせて癒澄は体をくねらせていて

真望は決め顔で、影姫を見ている

影姫は、クスクス笑って3人に話しかける


「部屋に入ってからずっとこれでね、初対面には見えないわよね?ちなみに私はえいちゃらしいわ、どうなのかしらね、私も美羽ちゃんたちと仲良くしたいし、軽い感じで話すわ、それでそちらお二人は?」


影姫は話しやすいように二人に話をふる


「あ、僕は清千李、能力は炎操作、母さんは華無生まれでロシア人で金髪青目だったんだ

顏は父さんの生き写しって言われるな、」


千李がそう言うと癒澄はまじまじと千李を見た、

そして真望は嬉しそうにキラキラとした目で見る


「なんと!と言うことは君はダブルと言うことだね!!素晴らしい!ロシア、そして王華の血を継ぐ君は二つの文化、性質を受け継ぐハイブリット!ロシアの芸術センス!王華の武術センスこのどちらも持ち合わせているとは!君は俺の最大のライバルになるだろう!だが、残念なことに勝利はいつも俺の手にある、なに、落胆しなくていい、俺は君の最大のライバルで最高の親友になる!安心してくれ給え!!」


真望は千李の手を握ってぶんぶんと振り回すように握手する

千李は慌てて持っていかれないように、その動きに合わせながら、苦笑いして

よろしくと言った。


「ふーん玄武のシルバーキングってそう言う顔だったんだぁ

真望君の方がカッコいいね♥」


癒澄はそう言って真望に笑って見せる


「ふっふっふ、悪かったねぇ千李君、俺があまりにもイケメンすぎるようだ、これも神のイタズラかな?この美貌と天才的な才能!神は俺に沢山背負わせるようだ、だがこの真望!どんな重圧だろうと跳ねのけて見せるさ!」


ざっと真望は決めポーズをして影姫を見る

癒澄はぱちぱちと手を叩いているが

影姫は横目でちらっと見ただけで興味なさそうだ


「あ、ねぇ玄武のシルバーキングって何?玄武って神様でしょ?」


室内がシーンとする


千李はあ、やばいと口元を抑えて美羽を見ると

美羽はまるで般若のごとく怒っている


「千李いいいい!!ちゃんとお勉強しようねって、神牡(しんぼ)の資料渡してたのに!!

あなたやっぱり一つも読んでないのねぇ!!!」


「あ、いやその、ほ、ほかの勉強を・・・」


「うそ!!私、知ってるんだからね!佐田碁(さだご)さんと川凪(かわなぎ)さんと山に行ってたじゃない!!

ちゃんと勉強したのか聞いたらやったとか言ってたくせに!嘘つき千李!!」


「ご、ごめんなさい!」


美羽は怒ると中々手に負えない、特に勉強のこととなると怒髪天を衝くほどだ


「まぁまぁ、私も勉強好きじゃないしわかるわかる、とりあえず基本的な事は今から少し教えてあげようよ、みわわ、ね?」


癒澄はドウドウと落ち着かせるように怒りで立ちあがっていた美羽を座らせる


「そうね、とりあえずクラスと帯のシステムは知っとくべきね、それで?説明する前に聞いときましょう、そこのおどおど君はなんて名前なの?」


びっくりしておどおどしながら美羽を見ていた岸雄に影姫が話をふる、

岸雄が影姫を見るととっても冷たい目で見られていて逆にちじみ上がってしまう


「ぼ、ぼ、くは、りゅ、劉岸雄です、し、神華は、と、とうか、透過の神華で、

さ、さと、覚のクオーターだけど、心は読めません、ごめんなさい」


少し小さな声で最後のごめんなさいは誰も聞こえていないと思えるほどだ

真望が何か言おうとしたが影姫が手で口をふさいで止め、真望は感激したような顔をする


「なんで謝るのよ、少しは男らしく堂々としたらどうなの?まぁいいわ、

まずお勉強をしましょう、千李君、神華牡丹学園はどんなところか、どこまで理解してるのかしら?」


影姫は岸雄をいやそうに見た後で、千李に笑って見せた。


「え、あ、えーと、桜姫様が創立者で、神華の持ってる華人と華人生まれで神華のない葉人と妖怪たちが通ってる学校で、確か成績で帯色が別れてて、全寮制なんだよね」


千李はちらっと美羽を見ると、美羽は怒った顔で千李を見ていて、

千李は慌てて視線を影姫に映す


「そうよ、まず神華牡丹学園は葉人の通う牡丹校と華人の通う神華校に分かれてるわ

そして寮は

麒麟(きりん)寮、玄武(げんぶ)寮、白虎(びゃっこ)寮、鳳凰(ほうおう)寮、朱雀(すざく)寮、青龍(せいりゅう)寮、白澤(はくたく)寮、藤狐(ふじこ)寮、8個の寮があるの

そして、クラスも寮で別れてるんだけど1組が玄武、青龍、2組が白虎、朱雀、3組が鳳凰、藤狐、4組が白澤よ、


この7寮と違って麒麟寮は

王の子と言われて葉人の人達が通う牡丹校の生徒たちがいる寮よ、

基本的に島の子達や本州の純血一家様の葉人が通っているけど、

船に乗ってる子ってめったにいないらしいし

学校も違うし授業内容も違うから特別なイベント以外かかわることはあんまりないかな?」


挿絵(By みてみん)


「純血様ってえいちゃ、あの沢家じゃーん?なになに?お家嫌い?もしかして」



ニヤニヤと癒澄が聞く


「あなたもあの綾家でしょ、まぁ貴方の家は嫌いじゃないわ、純血主義じゃないもの、

まぁそれ繋がりで行くと、玄武寮、鳳凰寮には純血信者が多いわね、

玄武寮は潜在能力系の神華たとえばここで言う、真望君や千李君、癒澄ちゃんのように

潜在的に誰にでも眠っている力、自然の力に左右されやすい能力ね、

そして鳳凰寮、ここは霊能の神華、一般的に華無が言う霊能者って言うのがこれに当てはまるわ、用は幽霊が見えるとかね、この寮は陰陽師を専門に育てているの、この二つは生徒数も多くて純血や半純血が多いわ、まぁ華無生まれも多いんだけど、桜州生まれの純血様は幼稚園からいるから態度が大きい馬鹿が多いそうよ、と、この3つはわかったかしら?」


挿絵(By みてみん)


千李はこくりと頷く、ここで幼稚園があるんだなんて聞いたら、また美羽にどやされるからだ、だが、影姫はその顔で十分理解したらしくさりげなく話を持っていく


「そうそう幼稚園だけど、幼稚舎自体は藤狐寮にしかないわ、基本的に11までは親元で学ぶのが一番だって言われてるから、自宅から通いえる島の人間しか幼稚園も小学校も通わない、私達みたいに本州住の華人は中学からなんだけど、神華を操れない、神華が危険、親や周りの手に負えない神華、こういう子の場合は、特別措置で桜州がそういう子を藤狐寮に保護するの、もちろん、危険性が無くなれば他の該当寮に移ることもできるけど、だいたいの人は藤狐寮にいるみたい、幼いころから一緒にいる人が多いらしいから

一緒にいたいのね、だからみんながみんな危ないわけじゃないわ」


挿絵(By みてみん)


真望がふむふむと何か考えながら言う


「つまり危険思考のある者は少ないと言うことだな!なればソウルメイト!!

藤狐寮の華人もまた俺の友人になるにふさわしいと言うことだ!

これはあいさつ回りが忙しそうだなぁ!!はっはっは!」


「え、ま、まも、真望君、みんなに挨拶するつもりなの?」


岸雄がびっくりして聞く


「?当たり前だろう?学校を卒業する18まで同じ学校で学ぶ同士、初めの挨拶は大切なことだ!みんな仲良くできれば学園生活はより楽しいものとなる!俺はそう確信しているからね!そこに君達もいるんだ、俺は今から学園生活の明るい未来を見ているよ!」


真望は天を仰ぎ目をキラキラさせている


「素敵!真望君!なら私、寮を案内するわね!お兄ちゃんの文化祭とかで何回か来てるから詳しいの!」


癒澄もキラキラしながら真望に言う


「おお、それはありがたい!ぜひたのむ!して、影姫さん、他の寮はどうなんですか?

事前に様子を知っておくことで挨拶もしやすいですからねぇ!」


真望はシャツの襟を正しながら言ってちらっと影姫を見る


「そうね、私は親戚が学校関係者だからいろいろ教えてあげるわ、

それで、そうね、次は2組の白虎と朱雀ね、ここは変わり者が多いのよね

白虎は体質系の神華で、フェロモン体質とか異常に速く走れるとか、体が特殊な人が多くいて、自己愛の激しい人とかお祭り騒ぎや喧嘩が好きな人とかが多くいるわ、喧嘩と騒ぎは祭りの花なんていつの時代かしらね?それで、朱雀ね、朱雀は技術系の神華の寮ね

発明家、芸術家の卵が多いわ、」


挿絵(By みてみん)


「後は有名どころはFeniXのSAKUYAがどんな楽器でも心いやす音が出せる神華で、朱雀出身だったはずよ、今は神華学園で音楽教師をしてるから簡単に会えるわよ」


「ほんとに!?」


岸雄が興奮して影姫に近づく


「え、えぇほんとよ」


影姫はびっくりしていたが、心なしか少し赤らんで岸雄から目線をそらした


「FeniXが好きなの?」


なんだか影姫はたじろぎながら聞く


「うん!大好きなんだ!特にSAKUYAが作詞作曲したナズナは、ボーカルのNAZUNAにピッタリでSAKUYAのギターベースがかっこよくって!すっごく好きなんだ!でも兄さんもライラもそんなこと一言も教えてくれなかったよ!学校に来たらびっくりするぞしか教えてくれなかった!でもSAKUYAに音楽教えてもらえるなんて「岸雄!近いわ!」「あ、」


岸雄は美羽に言われて気づき、影姫に謝って慌てて席の隅の方に戻り、恐る恐る影姫を見た。


影姫は少し頬を赤くしながらコホンと一つ咳をすると、真面目な顔に戻って説明を続けてくれる


「とりあえず、朱雀は技術オタクが多くて、だいたいが専門用語を話てて何話してるかわからない人が多いわ、けど、白虎寮とは相性がいいみたいね、試作品ができたと言えばすぐ試したがるらしいから、あのクラスは爆発が日常茶飯事らしいわね、毎日わーきゃー騒いでるらしいわ、楽しそうよね」


「毎日お祭り騒ぎってことなのね、楽しそうだけど疲れそう」


わぁと感心しながら美羽が言う


「でもあのクラスは楽しいこと一番で、好奇心旺盛だから、血で差別とかはしないのよ

楽しければ華無の遊びでもおもちゃでもなんでもとりいれるし、半妖も華無生まれも関係なく楽しんでるらしいわ、純血主義なんていないみたい」


千李は反物屋で見た少年を思い出す、純血を鼻にかけて威張り散らしてた親戚の少年

あんなのがいないなんて、なんていいクラスだろう


「すっごくいいクラスだね、仲良くなりたいな」


千李は自分の能力はきっとあの親戚のような人が多い玄武寮なのだろうと思うと億劫になり、自分も体質系か技術系がよかったと思った。


「あのクラスは、来るもの拒まず去る者追わずだから好きに出入りしてもいいんじゃないかしら、歴代の問題児はいつの間にかあのクラスに紛れてたって親戚が言ってたわ」


影姫は千李達3人を見てクスクス笑う




「もちろん、あなたたちの親もいたのよ」


「「「え?」」」


3人がポカーンとすると癒澄が楽しそうに言う


「玄武のシルバーキング、青龍のシルバー騎士(ナイト)、青龍のゴールドプリンス、朱雀のホワイトエンジェルのイタズラカルテットって言えば有名よ、この世代は成績は良いのに問題児ばっかりだけど一番桜姫軍で活躍してたってね!」


3人は最後の方は誇らしいが、問題児ってところが引っかかる、そこでキントウンで真木が話していたことを思いだし、何をしたか知りたいような知りたくないような、三人は愛想笑いでその場をしのいだ


「それで、残りの青龍と4組の白澤だけど、ここも特別ね、青龍は特例神華と言ってどのクラスにも当てはまらない、例えばそこののっぽ君と美羽ちゃんとか私、見たいな神華の人がいるわ、他にもドッペルゲンガーとか物と話す神華とかね、この寮はあんまり人数がいないし、珍しい神華で結構華無生まれも多いらしいわね、けど純血主義もいるからまぁ付き合う人には気を付けた方がいいわね、それで白澤寮だけどここは特別よ、妖怪の寮で、各妖怪に合わせた部屋になってるから大きなお屋敷の中は温室みたいなところもあるんですって、妖怪は基本自然の中か奥座敷にいるからね、このクラスもかかわることはあんまりないと思うわ、選択授業とかしか会うことないそうよ、基本は化かし論と人に紛れるための授業らしいから、」


挿絵(By みてみん)


「こんな感じで各寮の特色はわかったかしら?」


千李はちょっと不安もあるが軽くうなずく


「ふふ、寮の特色なんて生活してれば嫌でも覚えるわ、8年も生活するんだもの」


「そ、そうだね、でも基本の別れ方はなんとなくわかったよ、ありがとう」


「どういたしまして、それじゃぁ次は、成績の階級制度なんだけど、これは桜姫様が校長の時はなかった制度で、純血以外のことを良く思ってない2代目校長の清獅炎(しん しえん)、千李君の祖先様ね、その人が作った制度なのよ」


影姫の発言に千李はびっくりした。


「僕の祖先って2代目校長だったの!?」


千李はびっくりすると影姫はくすくす笑って他の人は千李の隣、美羽の方を見る

千李も恐る恐る美羽を見ると

美羽はそれはそれは冷たい目で千李を見ている


「え、あ、うん知ってたよ、うん、ぼ、僕の親戚は、純血主義だもんね

知ってたよ、はは、ははは」


千李はごまかして見せるが、美羽の目線は冷たくなる一方で、千李は笑い声も小さくなり、無言で土下座した。


「もう知らない」


美羽はそう言ってふんと窓の外に視線を投げる

千李はショックを受けそのまま固まってしまった。


「ふふ、仕方ないわ、これから頑張りましょう、それで階級なんだけどね

下から藤色、赤、青、緑、黒、白、銀、金で、特別優等生の淡金銀(たんこんごん)があるの

成績は入学式の前に帯色決めテストで色が決まって一人一人、決まった色を配られるわ、帯色が決まってない間は反物屋でもらったと思うけどひよっこの証の黄色の帯なの、この帯は色が決まったら学校が回収して、元の店に返されるらしいわよ、まぁこのテストで金や銀になってもその後の成績や生活態度で格下げもあるみたい、だから問題児のイタズラカルテットが上位成績者なのはすごいことで、今も伝説的に語られてるってわけね」


挿絵(By みてみん)



「うわぁテストなんかあるの??どうしよう、」


千李は父親の伝説にも触れたくないが何より嫌いな言葉

テストと言う言葉に青ざめた顔をするのを美羽はちらっと見てため息をつくが、

千李の横で同じく青ざめて震える岸雄をみてぎょっとする


「ふ、藤帯、ふ、ふじ、・・・・・どうしよう・・・・藤帯・・・」


千李はその震え方を見て勉強してない仲間だと思い岸雄の肩に手を置く


「君も勉強してないの?一緒に頑張ろうね!」


そう言うと岸雄は首を振る


「べ、勉強はしたよ、けど、ぼ、僕、で、できそこないだから、それに藤帯だったら、か、帰ってくるなって、ぱ、ぱぱが・・・」


それを聞いて美羽が岸雄に駆け寄り優しく手を握って励ます


「まぁ岸雄そんなのきっと冗談よ、真木さんって冗談好きそうじゃない?それに勉強したなら大丈夫よ。神華の技能テストも落ち着いてやればきっと大丈夫だわ、自信を持って!」


千李は正直、その手を引きはがしたい気持ちでいっぱいだが耐えていると、美羽が千李に厳しい目を向ける


「どっかのおバカさんみたいにテストの存在さえ知らなかったわけじゃないみたいだしね」


そしてふんとそっぽを向いて、岸雄と千李にあいてるほうに詰めるように言って岸雄の隣に座る、これで窓際から千李、岸雄、美羽という順番になってしまい、千李はまたショックを受けた。これはしばらく口を聞いてもらえないだろうと軽く予想できるほど美羽が怒っているからだ。そんな千李の横で岸雄もまた、固まっていた、影姫が刺殺さんばかりの視線で岸雄を見ているからだ、岸雄がびくびく小さくなると、ふんと言って影姫は千李を見る


「勉強は後で一緒に教科書を見ましょう、かるくなら教えてあげる時間もあるわ、

それで階級制の補足なんだけどね、上位3色、淡金銀、金、銀は人数指定があって

金は各学年に1人、銀は2人、そして淡金銀も1人だけど、本当に優秀で品行方正じゃないともらえない特別な帯で、1学年どころか1世代に居るかどうかあやしいほどよ、

この帯の人は自分が居たい学年も選べるし、飛び級卒業とか、先生不在の特別講師とか、

学園の特別な仕事とかも任される本当に特別な帯なのよ、だから純血主義達は血眼でこの帯を手に入れようと影で賄賂とかずるいことをしようとする人もいるみたいねぇ、白澤様とか校長にすぐ見つかって追い返されるらしいけど」


「素晴らしい!!僕は決めたよ!必ずこの世代初の淡金銀に!!「ちなみに私たちの3個上に淡金銀がいるそうよ」


拳を作り天に掲げていた真望の言葉をさえぎって影姫が言うと真望は、そのままかたまってしまった。


「・・・・・・・まぁ、そうだな、そうだ!僕はこの世代2人目の淡金銀になろう!!はっはっはっはっは!」


4人は黙って見ていたが、癒澄だけは手を叩いてキラキラ見つめていた。


「そうね、じゃぁそのためにみんなでお菓子を食べながら勉強でもしましょう、購買に行ってみる?」


影姫は、話を戻して3人に問う、3人はうなずき、真望はそれはいいとさっさと部屋を出る、それに癒澄も続き、影姫、美羽、千李、岸雄は、静かに続き、6人はその後、勉強をしながら船が、学園に着くのを待ったのだった。



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