彼らは頭が良かったそうです
さざ波の音が静かな港に響く、そこに一隻の船が海を割って入って来た。
ブオ―――――と言う音が港の静寂を掻き消し
その音と共に沢山の人が港のに集まり、沢山の屋台が灯を点す
制服を着た学生たちは次々と船から降り、フェリー乗り場の入り口に向かうと
いろんな人がおかえりーや桜州にようこそーなど叫んだり旗や幕を振る
千李と美羽が出てきた時はひときわ騒がしくなった。
「見て!美羽様だわ!」
「英雄の子もいる!」
わーわーと騒ぐ見送り人達の前を通りながら先に進むと、
金、銀、白、黒、緑、青、赤、藤色のバスが並んでいて、ホールの前に4つのゲートがあったそこに一人ひとり進んでいく
そしてついに千李達の番になる
「ハイ、入学許可証又は、学生証を見せてください」
「はい、これですか?」
千李は入学許可証をゲートの看守に見せる
「あーはいはい、あなたは玄武ですね、じゃぁあの緑のバスに乗ってね、ハイ次―」
千李は言われた通り緑のバスに向かう、美羽を確認すると岸雄と影姫と一緒に青いバスに向かっていた。
千李の後ろからは真望と癒澄が走り寄ってくる
「同士よ!これから寮も一緒になる、仲よくしようではないか!」
そう言って真望は千李の肩をポンポンと叩いてすぐにバスに乗る
「よろしくね!せんりん!」
癒澄も千李の背中をぽん、と叩いてバスに乗って行った。
「せんりんか、やっぱり慣れないな、」
千李は頭をひねりながらバスに乗る、バスは不思議な作りで、運転席がなく、どうやって動くんだろうと思いながら席を見渡すと外から見るよりも広く沢山の人がいることがわかる、そしてバスの一番後ろのど真ん中に何人かの女の子を引き連れて威張っている見たことある顔があった。
「おやおやこれは英雄の息子どのじゃないか」
豹炎だ、
「奇遇だねぇまさか同じ玄武だったとは、良かったよ君の父上の正当な血が強かったらしいね、あんな紫陽花の子でもない紛い物の血が髪と目だけでさぞ嬉しかろう、おや?見た目はほとんど紛い物と言うわけか、ハハハ!」
豹炎を取り囲む学生達もあざけ笑うように千李を見る、千李は思わず拳を握り、殴りかかろうとするも、その手を誰かに握られる、真望だった真望と癒澄は一番前の席に座っていた。
「まかせなさい同士」
そう言って真望は、千李を自分の座っていた席に押しやり、通路に立つ、すると、
千李を笑っていた学生達がじろじろと、品定めするように、真望を見る
「おや、臭い臭いと思ったら、多義多織に居た紛い物か、君が乗ってるなんてこの神聖なバスが紛い物臭くなってかなわないなぁ、ぜひ学園には歩いて行ってくれると助かるよ」
豹炎がニッと笑うと周りもクスクスとあざ笑う
「おやおや、少年、自分のお漏らしを人のせいにしないでくれるかい?まったく酷い人だよ」
「は?なにを「きゃーーーーーーーーー」え?わぁぁぁぁぁぁ!!!」
豹炎が言い返そうとするとずっと豹炎にくっついていた女子が叫びそれにびっくりして
全員が目線の先の豹炎のズボンを見ると、確かに濡れていたのだ、
「ち、ちがう!僕はこんなことしない!!そうだ!!お前!紛い物!お前水操作だな!!」
豹炎は片手で濡れている部分に炎をあてて乾かしながら真望を指さす
「ご名答!この真望様の秘儀!お漏らし偽造をよく見破った!君はただ者ではないようだ!さすが、威張っているだけあるな!血にそぐうように努力を怠っていないとみる!
だがしかし!そのように人を落とすと、自分の格も落としてしまいますぞ!真望様からのadviceだ!人を褒めると人生楽しいものに変わるぞ!」
真望は腰に手をあててはっはっはっはと高笑いしているがもちろん
バスの中は全員引いている
「おまええええ!!この清豹炎にこんな恥をかかせた事!後悔させてやるからな!
このお漏らし操作野郎!絶対けしず「静寂に!!!!!!!」
真望の後ろに背の高い厳めしい男性が立っていた。
「元気がいいのはいいことですが、入学前から我が寮生が騒ぎを起こすのは頂けませんね
それも新入生が、・・・はぁ、こんなことでは先が思いやられますね、ご存じでしょうが、帯色テストの生活態度はこの桜州に入ったらもうすでに始まっています、それを念頭に置き十分気を付けていただきたいですね、でないと、黄色帯のままご帰還願いますよ」
そう言って男性は真望を席に押しやる、
真望は大人しく押されるままに癒澄、千李の座る席に座ると、
今まで2人座りの席だったのに、3人席に変わっていた。他の学生達も、座り直し。
全員が静かに座り直したのを確認すると、男性は再び口を開く
「私は九頭竜時計タイムトラベラーです、歴史と社会の授業を受け持ち、
この玄武寮の寮監をしています
このバスが学校に着きましたら新入生は私についてきなさい、テスト会場に連れて行きます、在校生は2時間後、寮長について先に大広間に行くように、入学式兼歓迎パーティーがありますくれぐれも羽目を外して問題行動を起こす等の不祥事は起きないようにしてください、我が寮から金、銀帯が出ることを願っています、では玄運、お願いします」
九頭竜先生がそう言うと天井から液晶が出てきて、亀の顏が映る
「では発進する」
そう言うとバスは扉を閉めて動き出した。
そしてまた亀がしゃべりだす
「わしは玄武寮専用バス、玄運だ、玄武様からの力をもらい、神華の力で動いている、
鈴里町に行きたい時は平日は16時、休日は10時のわしのバスに乗りなさい、帰りは20時だ、遅れたら知らんぞ、他の車は金を要求してくる、タダがいいなら歩いて帰るか、爽走にでも乗せてもらえ、移動のことは以上だ、今年も多くの新入生が来てくれた、3年前白虎に淡金銀をとられたが今年は在校生も合わせ2人目の淡金銀が現れることを・・・」
玄運の話は永遠と続く説教のようで、周りの生徒はこそこそと話しだす、
千李も、隣の癒澄に話しかける
「ねぇ、紫陽花って愚王紫陽花のこと?」
「そうよ、純血主義の人達は華無生まれを紫陽花の子の紛い物って言うのよ、
当時の当主候補だった優鸞様を誘拐して、桜姫様につぶされた愚策愚政の王の子供ってね、おかしいわよね、そんなこと言ったらあんたらが特別視する桜姫様やみわわはどうなるの?って話よね」
癒澄がそう言うと、真望が話に入ってくる
「つまり、俺は桜姫様と美羽君の様に素晴らしいと言うことだね、いいじゃないか」
ふふんと鼻を鳴らして真望は満足そうだ。
「でも、王の子を馬鹿にするならなんで美羽と付き合いたがるの?美羽も純血じゃないでしょ?」
そう言うと癒澄はくすくすと笑う
「ここに、みわわがいなくってよかったわね、せんりん、王家も超再生の華人なのよ?他の大樹の富豪も何かしらの神華を持ってるのよ、王家は基本華人しかお嫁にもらわないの、
紫陽花王は、宰相に華無生まれを置いてたの一説にはその華無生まれに操られてたって言われてるのよ、お勉強しなかった?」
千李はハッと気づき、そうだったと小さく漏らした。
「あれ?でも飛鳥さんは須舘の養子同士の子供だよ」
「飛鳥さんはの親は桜家の孤児と清家の捨て子だったと思うけどそういう話はしてないの?」
「親の事とかは聞いたことなかったよ、初めて知ったよ」
飛鳥は、過去の話をしたがらない唯一親は養子で両親共に交通事故でなくしている事を
使用人達に聞いただけだったからだ。
そこから千李は癒澄と真望とこそこそと話しながらバスの中を過ごしたのだった。
深緑が黒く染まる夜の森を抜けると瓦屋根で赤土壁の大きな城が遠くに見える、広い校内をバスで進んで、大きな噴水の前にバスが次々と止まる
「では皆の者、わしの寮に相応しく厳かに学園生活を送り、バカなことをしないように」
亀がそう言うと、画面が天井に戻って行き、バスが止まり、扉が開く
「でわまず、新入生、先に降りなさい。在校生は、寮に戻り各自十分に準備をしてから2時間後、遅れることなく、必ず食堂に行くこと、いいですね」
そう言って九頭竜先生は先に降り、千李達もそれに続いた、先生に続いて並んでいると、隣に青龍寮の人達も並び、美羽、影姫、岸雄も隣に来た。
お互いに軽く手を振っていると、九頭竜先生の、行きますよと言う声が聞こえて、千李は慌ててついて行く
九頭竜先生について場内に入ると大きな扉の部屋に連れて行かれる、そして入り口で、生徒手帳をもらう、良く見ると、心を読む能力の子達は制御アクセサリーを付けられているようだ、そして中に入ると大きなホールに沢山の机が並んでいて、一人一人座らされる、
その間に、テスト用紙が一枚ずつと鉛筆、消しゴムが一つずつ配られて、千李の目の前に来たテスト用紙の名前の欄に清千李と言う文字が浮かび上がった、
そして全員が席に着くと、年老いたおばあさんが壇上に上がる
そして、口の前で印をきってしゃべりだした声は大きく、部屋全体に響いた
「新入生のみなさん、こんばんわ、よくぞ神華牡丹学園にいらっしゃいました。
私は副校長兼数学教師の小褄唎 窓凛です
今からそのテスト用紙があなた方の帯の色を決めます、この1時間注意して問題を読み、
ミスのないように努めてください、この部屋には能力を無効化する結界を張ってありますし入り口で制御アクセサリーも渡されたと思いますので、くれぐれもズルをしようなどと考えないように、回答に自信があり、早く終わった方は手を上げてください、教師が迎えに行き、回答欄が埋まっていることを確認して、外に案内します、答えを教えてくれるわけではないですからね、そして一度外に出ると、中には入れないので気を付けるように、では、・・・はじめ!」
問題用紙は3枚、両面刷りで国語、数学、社会、理科、英語、妖怪学がある
千李は得意の国語から始めどんどんと、解いて行く、問題は学校の授業でやった事ある物ばかりで結構簡単だと思ったが、数学と妖怪学で手こずった。
数学は苦手なのに、どうやらすごく難しい問題らしく、ほとんどあきらめた
妖怪学に至っては
「座敷童の好物は?どんな家に住みつく?」「烏天狗の姿絵を描け」「鎌鼬の3体の名前を書け」
などなど、一緒に生活していなかったらきっと解らないんじゃないかと言う問題ばかり
千李は頭をひねりながら必死に問題を読み込み、何とか回答するも、時間はむなしくすぎて行き、終了の合図がなり、問題用紙は小褄唎先生の手元に吸い込まれていった。
「はい、では外にいる人達も中に入ってもらってくださいな」
小妻唎先生がそう言うと入った時の扉から5人、生徒が入ってくる
良く見ると、影姫、美羽、真望、癒澄、清豹炎が入って来た。
そのメンツを見てこそこそと声がする
「流石純血の名家は違うわね」「やっぱり美羽様は頭いいんだなぁすげぇ、」
「やだ、あの髪、綾家じゃない?本当に答え合ってるのかしら」「あれってお漏らし操作の紛い物!?」
ざわざわと騒がしい教室にこほん、と大きな声が響く
全員が振り向くと、小褄唎先生がニコニコとこっちを見ている
「みなさんよく頑張りました。これからこの問題を先生方が採点してくれます、
その間にお願いがあります、皆さんで1~3人のグループを作ってください、そして、その方々の名前をメモに書いて、そこの逭加々羅先生の持っている箱に入れてください、能力に自信のある方は一人でもいいです
そして、入学式の時、名前を呼びますので実技テストとして、全校生徒の前で能力を披露してもらいます、ふふ、怖がらなくて大丈夫ですよ、遊んでいる感覚でいいので、自信のある能力呪術で1分程度力を見せてください、その後、校長から帯が配られます」
また、広間がざわざわと騒がしくなる。
そこで、美羽が手を上げる
「あらあら、その髪は美羽さんね?何かご質問ですか?」
「召喚呪文などの他の生き物とかを使う呪文も使っていいですか?」
小褄唎先生はとても嬉しそうにニコニコする
「ええ、かまいませんよ、何をしてくれるのかとっても楽しみになります!
他に質問はありますか?」
先生の質問にみんなシーンとする、それを確認した先生はうんうんと頷いて
「それではみなさん、このテストではどこの寮と組んでも大丈夫ですので、みんな仲良くしてくださいね、でわでわ、グループを作ってくださいな」
そう言って壇上の隅にある扉から出て行き逭先生以外の先生もついて行った。
それと同時に美羽が、癒澄を捕まえて、影姫は岸雄をつかんで、千李と真望のところに走って来た、
「千李!一緒に組もう」
「真望君!一緒に組むわよ!!」




