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神華牡丹学園物語  作者: 瑞目叶夢
九十九の心人に無し
53/62

犬猿の仲

今日は新入式から3日目、全クラス注目の有力選手入部勧誘の日だ




主将のいる凱臥と脈羅の6年、永禮の5年、ライラックの4年の学年は1,2,3合同教室の黒術者悪鬼防衛術と妖怪学、神華史の授業で校庭を見ている事だろう、ついでに部活活動が最後の7年生は日本語学の合同授業で見ているらしい、だから去年も、瑞葉が岸雄と紗南香を欲しがったのだろう


1年と2年は1階で通常授業を受けている、僕も見たかったな、などと考えていたら数学の小褄唎に当てられて慌てて答え間違えたものだから、豹炎達がくすくす笑っててムカつ居ていたら豹炎が手を上げて正解を答えるものだから、最悪な気分で昼休みを待つ




チャイムが鳴って急いで食堂に入ると、凱臥が夏鈴と暗い灰色の髪を一つにしている男の子にアピールされまくっていて感動している




「僕は神華の使い方で金帯もらっているし、2回戦まで行っています!


僕だって天才です!才能と技量を誇る天才なら僕です!!」




「俺は銀帯ですが、こいつとは僅差だと思っています!授業では俺が勝ち抜いたし、こいつと違って社交性があります」




「なんだと!?僕だって社交性ある!」




「迷惑になるかもしれないのに先輩たちについて回って、今だって友達いないじゃないか」




「君だっていないじゃないか!!」




「俺は配慮できるからみんなと仲いいんだ!」




「そう思ってるだけだろ!!」




だいぶん盛り上がっていて、雷児が腕の水晶で録画をしていて、嵩仁となぜか、卒部しているはずの瑞葉が二人を見て歯噛みしている


千李は霊夢に話しかける




「どういう状況ですか?」




検品するような目をして真剣に凱臥にアピールする二人を見ている霊夢きっとコスプレ筋肉同盟に誘うつもりだろう




「いやぁね、金帯君と楠家の嫡子がうちに入りたいみたいなんだけどさ、二人とも馬が合わないみたいで同じ組の部員にはなりたくないんだって、だから凱臥先輩に選んでもらおうとしているの」






霊夢の言葉に美羽が頷く




「なるほど、それで蛇頭の人も悔しそうにしているんですね、桧家のご子息と言えば嫡子の牙雨(がうる)様ですね」




そこに千李は疑問を持つ




「あれ?大樹の富豪の跡継ぎって神獣の選定式で決まるから嫡子とかいないはずじゃないの?





千李の言葉に美羽はため息をつく、なんかやばいこと言ったのかと周りを見れば、


影姫が笑いながら教えてくれる




「桧の当主様は晩婚なされたから牙雨様しか授かれなかったのよ、だから自動的に牙雨様が嫡子なのよ」




「なるほど」




頷く千李に美羽が呆れたように言う




「千李は大樹の富豪の会の王家放送見ていても役者とかしか見ていないものね、ご子息やご息女も気にしなきゃ」




「ご、ごめん」






千李は美羽に謝れば、ため息をつきながらも美羽は許してくれた。


さんざん話していた夏鈴と牙雨は最終的にじゃんけんに落ち着いたようで運を味方につけることにしたようだ、それぞれの神獣に祈っている、州によって祈る神獣は違う桧は鳳凰、夏鈴は白虎に祈っているから杉州の生まれなのだろう






「「ジージャーパ!」」






夏鈴がグーで牙雨がチョキだ






「やったぁ!僕が猿武だ!!」「くっ」




ぴょんぴょん飛んで喜ぶ夏鈴と自分が出したチョキを持って悔しがる牙雨






そこで得意げに嵩仁が牙雨に声をかける






「牙雨様、そのように悔しがることはございません、あなたはあのような粗野な組よりも崇高な蛇頭が「じゃぁ俺、虎裁に入りたいです」牙雨様!?!?!?」




嵩仁の言葉など無視して牙雨は鍔のところに走って行く




「お、私じゃなくて鍔先輩に行くなんて牙雨様いい目持ってんね」




「鍔先輩が部長なんですよね!麗しの騒ぎで読みましたよ!」




それを聞いて虎裁が爆笑する




「私らの小説も読んでんだwww」




ライラックが笑いながら言うと牙雨は嬉しそうに言う




「はい!風見の栞さんの作品は学園の事が知れるので好きです!」




それに対して珍しそうに瑙虹瑙銀が言う




「あいつらの作品が好きとか初めて聞いたな」




「俺らの話は人気なかったもんな」




それに対して楽しそうに牙雨が言う




「お話より先輩方の方が面白いからですよ、お話自体も興味深くて学園の日常が知れて楽しい小説です」




にやにやと鍔が言う




「本当に社交性が高いな、素直に話は面白くないって言ってもいいんだぞ」




「そんなこと思っていませんよ!!」




虎裁で楽しそうに話す牙雨に、嵩仁がわなわなと震えながら叫ぶ




「牙雨様!なぜ紛い物が居る組ばかり選ばれるのです!!純血であるならば、我が蛇頭を選ぶべきでしょう!!」




功を焦った嵩仁が誘え入れることのできなかった牙雨に叫ぶ、なんであんなに焦っているのかと蛇頭を見れば、新しい顔ぶれが見えない、代わりに、鸞璃に一人、虎裁に牙雨以外にもう一人見える、蛇頭に入りたいと思った生徒は居なかったようだ




「人を見下したりする事を俺は好みません、あなたは猿武を粗野と言いますがそんなあなたの今の行動は品位あるものですか?」




牙雨に言われて嵩仁は息を飲み悔しそうな顔で口をまごつかせる




「牙雨公子の言う通りだな」




ぱたんと読んでいた本を閉じて脈羅が言う




「嵩仁、お前の行動は目に余る少しは自重しろ」




「申し訳ありません脈羅様」




閉じた本を机に置いて、脈羅は牙雨を見る




「純血であるならば血を尊び誉に思うこの組に入りたいのが通例だが今年は尊き血はなかったのだ嵩仁、今居る血を育てよ、わかったか」




脈羅にそう言われて嵩仁は委縮する




「そうですね、尊ぶべき血は去年、確実に我らを選んでくださっておりますので必ず今年は優勝いたします」




脈羅は嵩仁の言葉に豹炎を見て眉間をもむ、その姿に豹炎はこぶしを握る




「期待通りいけばいいがな」




そう言って脈羅が席を立つのでずっとそっと脈羅の隣に居た、氷綺も立って脈羅の後を追う




それにぞろぞろと蛇頭と一部の純血派の生徒がついて行く、氷綺はこっそり千李達の方を見て手を振っていたから目ざとい嵩仁に邪魔されて大広間を出て行ったのだった。




それをライラックが鼻で笑う




「血が偉いからって自分が偉いわけじゃねぇだろ、今年も負かしてやろーと」




楽しそうにライラックが言う




「仲間内でも見下してるんです、俺、虎裁を選んでよかったです!」




にっこりと嬉しそうに牙雨が言う




「だろうな!いい選択だぜ!牙雨さ・ま!」




「虎裁を選ぶとはお目が高いぜ牙雨様ぁ!」




瑙銀と瑙虹が牙雨の肩に腕を回して言う




「はい!後輩ですし敬語とか様はやめてださい!虎裁で精一杯頑張ります!」




「牙雨!」




そんな牙雨に夏鈴が声をかける




「絶対お前に次は勝からな!」




牙雨を指さして言う夏鈴にニヤッと牙雨は笑う




「残念次も俺が勝つんだ、だってライラック先輩って言う訓練上手の先輩が付いてるからな!」




牙雨がそう言うとバン!と瑙虹瑙銀がライラックに手を示してライラックはまた大きなセンスを出してどや顔している




それに対して夏鈴が胸を張る




「こっちには千李先輩も岸雄先輩も居るんだから僕だって訓練完璧だ」






それを言われて、千李と岸雄は首を振る


自分達の訓練はするが、誰かを訓練したことなど無い、だが牙雨は少し悔しそうにする




「く、先輩に迷惑ばっかりかけてるくせに先輩にご指導いただくなんて!絶対にお前には負けない!」




「僕だって!お前になんか負けない!!」




「さっき負けたじゃないか」




「さっきは油断しただけだ!!」




「油断も実力不足だからだろ!俺の方が強い証拠だ!」




「一回まぐれで勝ったから偉そうにすんなよ!」




「なにぃ??岸雄先輩と一緒だからって調子乗るなよ!」




そのまま2人はまた喧嘩になり、周りは(はや)し立てるばかり


虎裁は牙雨を応援していて、凱臥だけが風紀委員として喧嘩の仲裁に入るのだった。




「意外だわぁ、牙雨様って静かで思慮深い人だと聞いていたのに」




そんな美羽の言葉を聞いて牙雨を見て千李は全然違うなと思ったのだった。
















放課後、千李達が部室で待っていれば壁に夏鈴が入ってくる




「夏鈴はなんていうんだろうね」




千李が聞けば、さぁなんだろうと首をひねりながら岸雄は雷児と将棋を打っている


それを深瑠が応援している


金斗と霊夢はわくわくしながら壁を見ている




そして壁から凱臥が出てきて夏鈴が出てくる




「うわぁ!本当に広いですね!すごい!僕、今猿武にいるんだ!!すっげぇ!皆さんよろしくお願いします!!!!」




ハイテンションな夏鈴にうんうんと感無量という顔で凱臥が頷く




いえええい!と霊夢と金斗も腕を振るっている


すごく嬉しそうだなぁと千李は嬉しくなる






「いらっしゃい夏鈴、これからよろしくね」




千李の後に雷児がニヤッと笑って言う




「感慨深いねぇ、我が猿武にこんなに興奮して入部してくれる子が来る何てねぇ、よかったなぁ凱臥先輩」






雷児の言葉にうんうんと凱臥はうなずいて目の端に涙がきらりと輝いて嬉しそうだ




「3年で先輩から部長を継いだが、こんなことになるなんて、ありがとう岸雄君、雅奈栞(まさな しおり)




うおおおと男泣きする凱臥を見てみんな笑う、


笑いながら岸雄も夏鈴に言う




「笠火くん、来てくれてありがとう、ぼ、僕も嬉しいよ」




夏鈴は目をキラキラさせてはい!と大きくうなずくと周りを深瑠が踊りながら跳ねて飛び、水のしずくでキラキラと歓迎する




わぁと夏鈴はもっと喜んでありがとうございますと声を張る




「歓迎会は終わりだ、そろそろ訓練を始めるぞ」




猿武の言葉にみんな、はい!と返事をして位置に付き、訓練を始めるのだった。







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