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神華牡丹学園物語  作者: 瑞目叶夢
1章華人の不安と仇の顔
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33/62

個人戦の始まり

あれから純血派とそれ以外の生徒との確執はさらに広がった

そんな環境の中ついに刀激戦個人戦が始まった。


開会式は問題なく終わった。個人戦は昨年の優勝者を抜いた参加者で6グループに分かれ各グループ内で戦闘し、生き残った6名でのトーナメント戦となる、この試合には部活生以外の生徒も参加するので激戦となるのだ

過去のトーナメント出場者は被ることなく6グループに分かれるので最近では顔ぶれの変わらないトーナメント戦になっているようだ、毎回、怪我人が出るこの試合、

出場者の未熟さもあるが長年の純血派との確執もその怪我の原因にもなるが命の危険性がないので禁止になることもなく千年続く行事である

だが今回の試合4強に続き期待のルーキーである千李の参加が波紋を呼んでいる

今4強には白雅と脈羅の二人が純血の選手としているが、

もしこのどちらかが負けて永禮、ライラックの隣に並ぶことになれば純血の立場が危ういと考えるからだ、

そのことで蛇頭へのプレッシャーは大きなものとなっている


そして個人戦1日目土曜日、2グループの試合がある


個人戦第1グループの会場には多くの生徒の中に千李と真望と瑙虹の姿があった。なぜか其の周りを囲う生徒と明らかに千李と真望に戦意や殺意を向ける生徒が痛いほど目に付く思わず千李は真望に問う


「これ個人戦だよね」


「そのはずだな」


「なーんか面白いことになってんなぁ」


明らかに自分たちを守る生徒達明らかに自分達を狙う生徒達これではまるで団体戦のようになっている


「ねぇ、これ、個人戦なんだけど、なんで僕ら囲まれてるの??」


千李が一番近い子に聞くとその子は鼻息荒く嬉しそうに答える


「純血派のやつら、この試合で千李君と真望くんを潰そうって話してたんです!!だから僕らがそんなことさせません!!

千李君はいらないかもしれないけど真望君はまだ刀持って日が浅いから僕らが守ります!!

任せて!!選抜には選ばれてないけど、3歳から刀を持ってきたんです!必ずあいつらをぼこぼこにします!!」


「いや、だからこれ個人戦・・・・・」


千李の声は大きな銅鑼の音で消される、そして、千李達の周りを囲っていた生徒たちが対戦を始めた千李と真望を置いて、


「この展開は想像してなかったなぁ」


千李は呆れたように言う、いつものファンがまさかこんな動きをするなんて


「まぁとりあえず俺達は個人戦しようじゃないか、ね!瑙虹先輩!」


「あー、おれはこの状況に甘んじてちょっと離れたところで見てるわ、生き残ったほうとやるよ」


「わかりました、でもいいの真望?そんなこと言わずにすぐに切ってきたらよかったのに」


「NONO!だまし討ちなど武士にあらず!正々堂々正面から行かせてもらうよ!」


「なら、遠慮せず行かせてもらうよ!」


千李がそう言った瞬間、二人は互いに木刀を取り出し、激しい音を立てて刀が交わる


『さぁ始まりました個人戦第一グループの混戦です!が!何やら面白いことになってますねぇ尾佐那先生!』


『円状に戦闘してる真ん中で千李と真望が戦ってまるで団体戦だな、真望と千李以外は何のために参戦しているのやら、瑙虹なんぞ観戦しとるぞ』


『そうですねぇ、みなさん私怨が強いようですねぇ!おっと!?一角が崩れましたね!?勝ったのは純血派の生徒のようだ!千李選手と真望選手にまっすぐ向かっていくが!あぁ!あっけなく倒されたぁ!しかも真望選手狙いのようだったが真望選手簡単に倒しました!さすが鬼と言われるライラックさんの下で鍛えられただけはありますね!この短期間で腕を上げているようだぁ!』


『さすがだな、もともと筋がいいとは思っていたが、ここまで成長させるとは、ライラックには卒業後はわしの後を継いでもらいたいものだ』


『尾佐那先生の後をライラックさんが!?確実に武術の授業を嫌う生徒が出ますよ!!』


音弧の言葉に反対側の観客席からライラックの声が聞こえる


『ふざけんな、私の授業はみんな受けたいに決まってんだろ!』


その声にブーイングが聞こえる


『おおっとやはり受けたい生徒はいないようだぁ!ライラックさん残念!と、また円が崩れて5人ほど千李選手と真望選手に向かっていきます!一人は瑙虹選手に走っていったが片手で倒されたぁ!!

千李選手。真望選手も可憐に避けて一人ずつさばきながら互いにも攻撃している!すごい!すごいぞ!火の鞭と水の鞭が交差して幻想的だ!二人ともしなやかで速い!私の目は追いつくことに限界を感じ始めてますよ!!』


『うむ、真望はもともと運動神経はよかったみたいだからな、だが剣技はまだまだだな千李に追いつくのがやっとのようだ』


『え!?そうなんですか!?互角に見えますよ!!??』


『真望は攻め込んでいるようだが、千李の刀を受けるのでいっぱいいっぱいなようだ、千李は真望の刀を軽くよけたり跳ね返したりしているし刀がさっきから真望にかすっているようだしな、割れはしていないが、やはり経験の差が出ているな』


『毎回思うのですが尾佐那先生の視力はどうなっていらっしゃるのでしょう?望遠眼の神華お持ちですか?』


『お前も実況者ならリュウォンの望遠コンタクトは買っとくべきだぞ』


『あぁあれ高いんですよねぇ、おっとそんな話をしていると会場の選手8人まで減ってますよ!しかも残っているのは純血派と千李選手、真望選手、瑙虹選手のようだぁ!さぁってどうする、神童と期待のルーキー!』


『ん?なんだあいつら動かんな、千李と真望の動きについて行かれんのか?まさか一人になったところをねらうつもじゃぁないな?そんな軟弱ではなかろうな?』


『どうでしょうか?互いに攻撃する様子もないので、強いところはさっさと潰しときたいんでしょうか!

いいのかそれで君たちは!頑張って攻めてもらいたいですねぇ!と?おおっと尾佐那先生の言葉で全員動き出したぁ!だが?瑙虹選手は結界で千李選手、真望選手はそれぞれ炎の鳥と水の龍で上空戦に移動したぁ!

邪魔されたくなかったようだ!!そして下では互いに切り合いだした!!』


『千李と真望を襲うつもりが避けられて自分達で切って喧嘩しとるな、まぁ本来の個人戦らしくていいんじゃないか?』


『そうですね!これでこそ個人戦ですね!己以外全員倒すくらいの気概でやっていただきたいものですからね!!お?だがやはり?結界で上に上がってるみたいですね?だが?あぁ千李選手、真望選手には追いつけない!!それどころか落とされたぁ!しかも心代玉も割れいているうう!!!残念!!さぁこれで生き残りは真望選手と千李選手と、二人を観戦している瑙銀選手だけだぁ!!火の鳥と水の龍が舞う!刀の交り合う音が響くうううう』


カン!カン!という音が会場に響く、水の鞭も炎に打ち消されぶつかり合うたびに小さな爆発が起きる


激しい打ち合い、互いに体に触れさせることはないが、徐々に力の差が出る、激しく飛び回る竜が突然の炎の鳥に体を飲まれ、形勢が崩れる

突然のことに水を操作することに集中した一瞬、天から雷が落ちるように、炎の鳥がすべてを飲み込み、2人は着地した。

炎の鳥が消えた後に残った2人、心代玉が割れていたのは真望だった。


「やはり千李君は強いな、もっと鍛錬せねぇばだ!」


木刀を腰に戻しながら真望は言った。


「真望も強くなってたよ!また試合しよう!」


千李は真望に手を伸ばす、そして二人は硬く握手をして真望はその場を去る


「千李君、優勝しろよ!来年は俺が優勝するからな!っはっはっは!!」


笑いながら立ち去る真望を見ていたら後ろから声がする


「ふぅ!さすがは神童だな、真望じゃかなわなかったか」


楽しそうに言いながら瑙虹が近づいてくる、千李は油断なく木刀を構える

対して瑙虹は、肩に木刀をかけて余裕そうに立っている、そして挑戦的に刀の先を千李に向ける


「来いよ神童、先輩の力、見せてやるよ」


その言葉と共に二人が地面を蹴った。


交わる木刀、11歳とは思えない力強さがある千李だが瑙虹はそれに対抗するよな力で押し返す


押して押されて、拮抗する力、瑙虹は千李の木刀を受け流し、また切りつけるが、千李の木刀に跳ね返され

千李の刀が瑙虹の心代玉をねらうも瑙虹は後ろにはねて避ける



『おおっと!瑙虹選手!千李選手を避けて、後ろに行った!そして術式展開!木刀を脇差から打ち刀の二刀流に変えた!なら最初からそれで行けよ!とか思ってませんよ!絶対にね!』


『ふむ、脇差の攻撃では千李との戦いに不利と判断したんだな、打ち刀で薙ぐ方がいいと思ったんだろう打ち刀の方が長さもあるしな』


『なるほど!やはり瑙虹選手でも間合いに入るのは危険と言うことでしょうか』



『体力、経験面では瑙虹に分があるが力は拮抗して居るし、技術、速さは千李の方が上だからな、一瞬も隙を見せれんだろう、ふざける余裕もないようだしな』


『は!そうですね!今回!瑙虹選手は全然ふざけていないですね!おっと、瑙虹選手高くとび上がって千李選手の刀を避けた!そして背後から切りつけようとしたが受け取られて引っ張られそうになるが避けるううう!!!いま、千李選手は手で受け取りませんでしたか!?』


『指で刃を触らないように受け取っていたな、真剣でも対応できる技、さすがだな、須舘家の教育技術が素晴らしいのもあるのだろうが、天賦の才能も合わさっているのだろうな、』


『そうですね!さすがシルバーキングの息子さんです!これはうわさに聞く個人戦トーナメント黄金時代の再来か!?神童の参戦でトーナメントがあれそうだぁ!!』


『わからんぞ?瑙虹も弱くはないからな』


『それもそうですね!おっと?瑙虹選手召喚呪文でペットの白狼を呼び出した!!そして、融合呪文だぁ!!

融合呪文は10分だけしかできませんが、これは面白い展開になりましたよ!!オオカミと融合することで、動体視力、脚力、腕力も上がっているはずです!白狼との融合で瑙虹選手のイケメン度合いも上がって黄色い声が聞こえますねぇ!!』


白い髪ふさふさとした尻尾と耳が出ている、心なしか少し背も高くなっている琥珀の目は白狼の赤い目になっているがやはり顔は瑙虹だ


「うわぁそれかっこいいね!!」


「だろ?最近やっとできるようになったのよ、俺達のペットを狼にして正解だわ!」


そう言いながら瑙虹は少し背の伸びた大きな体で千李に向かってくる


千李は咄嗟に後ろに飛びのく、瑙虹の木刀は地面にめり込む


「うっわぁ、くらったら骨折するじゃないか!!」


「はぁ?神童様はそんなやわな体かぁ?」


「言ってくれるねぇ」


千李が印を切り瑙虹に飛び掛かる、瑙虹はそれを軽々受け止めたつもりだった。

その刀は先ほどまでと段違いに重く早い、ぎりぎりで受け流し、後方に下がっる


「おいおい、何したわけ?俺の融合の努力がむなしくなるくらい筋力上がってんじゃん!!」


その言葉に千李はニヤッと笑う


「筋力増強印は先輩達しかできないわけじゃないんですよ!」


そう言って千李は胸の心代玉をねらって切りつけるが、瑙虹はさっと避けて額の心代玉をねらう


「おっと危ない」


千李は地面をえぐったその刀を軽く受け止める


「はぁ?増強印はそんな便利じゃねぇんだぞ!?そんな強力に増強できるとか、お前、真面目に勉強したら呪術最強なんじゃねぇの????えぇ????までぃー?」


惱虹は戸惑いながらも的確に心代玉を狙うが、千李もまた、それを軽く避け

素早く心代玉を狙う、激しい戦闘、木刀とは思えない轟音を立てながら抉られる地面、吹き飛ばされても瞬時に壁を蹴って距離を詰める両者、

だが、才能の差か、押しているのは千李だ、狼のような素早さにも力強さにも負けない事を知らしめるように惱虹を吹き飛ばし受け身を取れないほどの衝撃で胸と背中両方の心代玉を割ったのだった。


『心代玉を割ったのは千李選手だぁ!!!!第一試合の勝者!期待の新星!

清千李選手!黄金時代の2位だっ清叙樹さんを超える成績が出せるのか!?

今の淡金銀も手強いぞ!!!これは今年のトーナメントは期待が高まります!!!黄金時代の再来かもしれません!!今年の個人戦は熱い試合で終わりました!皆さん!選手を拍手で称えてください!!』


そうして千李の第一試合が終わったのだった。



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