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神華牡丹学園物語  作者: 瑞目叶夢
1章華人の不安と仇の顔
26/62

永禮低




シーンとなる空気、美羽は青ざめ震えている

そう、人魚をさらうのは人魚を喰らって八尾比丘尼になるためだ

不老不死の呪いを受けた者はどんな状況になっても死ねない、魂を開放する条件を満たさなければ


「でも、人魚と想い想われた者が食べないと一口、口にしたら呪われて半魚人になるんですよね、

そして人魚は死体も残さず溶けるって・・・・」


それを聞いて美羽がさらに青くなった。

岸雄と影姫の顔色も悪い


「これは、帰ったほうがいいな、もしかしたら藤の会の仕業かもしれない」


そう言うと永禮は踵を返してバス停に向かう


「そうだね、せっかくだからみんな家に招待しちゃう?」


白雅が面白そうに言う


「そうだな、先生達も誘拐事件で駆り出されているだろうし、九頭竜先生が戻るまでは家にくるといい」


「みんなって、私たちも行っていいんですか!?」


癒澄がびっくりして聞く


「別に寮ではないから構わない」


永禮がそう言うと白雅が補足する


「俺たちの家は昔、(えんじゅ)の森の管理者が住んでた家だから寮とは関係ないんだよ、だから女子だろうが男子だろうが出入りしていいんだよ」


「ほお!そういえば先輩方は産咲先輩も一緒の部屋でしたね」


真望が納得したように言う


「そうそう、産咲も美羽様気に入って手を離さはいみたいだしな、一緒に行っちゃおうぜ」


そう言われてみんな美羽と産咲を見ると、産咲がしっかり美羽の手を掴んでいる

そしてボーと美羽を見ていて手を離そうとはしていない。

美羽は困ったように千李達を見た


「産咲。」


永禮が産咲を呼んで手を出すが産咲は美羽の手を離さず永禮とも手をつないで少し微笑んだ


「ふむ、離さないな」


「うーん、いつもならすぐ離すよね、美羽様が強い神華を持っているからかな、産咲は神華の力が強いところとか好んで行くから、美羽様から漏れてる神華の力が居心地いいのかもな」


白雅が何か眼鏡を取り出して掛ける、そしてよく美羽を見る


「その眼鏡で見えるんですか?」


美羽が聞く


「そうだよ、真贋レンズって言ってその物の神華や正体が映るんだ、純血主義はみんな持ってるよ」


「そんなものがあるんですね、家に行ったら試しにかけてみてもよいでしょうか」


真望が興味津々で聞く


「ああいいよ、じゃぁ行こうかみんな、」


白雅はそう言いながら眼鏡を胸ポケットに直す


「あ、あの、ぼぼぼ、僕は、み、深瑠さんの様子を、見、見に行きます

僕は狙われてないとおも、思うので」


それを、聞いて影姫は岸雄の手を握る


「私も見に行くわ、きっと不安だと思うの」


「そうだね、パートナーは心配だよな、じゃぁバスまでは一緒に行こう」


そう言って白雅は歩き出す、それにみんなついて行った。


学園に着き、岸雄と影姫と別れて一行は玄武の寮の前を通り過ぎ学園脇の道を行くと白澤寮が見える

その脇に一軒の家が建っている瓦の屋根で白い漆喰の壁の家だ


「ようこそわが家へ」


白雅が扉を開けて中に促す


「失礼します」


千李は促されるまま家に入るが、賦髄は入ろうとしない


「賦髄さんはいかないのですか?」


それに気づいた美羽が賦髄に聞く


「俺は外を守っとくよ変なのが来ないように警戒しないとな」


「そうですか、無理しないでくださいね」


それを聞いて美羽は納得した。須舘家にも護衛は居たので、慣れていた美羽は

産咲に連れられるまま家に入る


その中は広く、リビングになっていてなぜか人がいる

そして、それぞれの部屋と何か生き物の声と人の声が聞こえる扉がある


「お?なんだなんだ神童じゃないか、なんでここに来てるんだ?千珠先生と賦髄さんはどうした?」


その人は見たことある顔だ確か虎裁の(からみ)という先輩だ


「なんで鍔先輩がここに?永禮先輩たちの家なんじゃ」


困惑する千李、それはそうだろうまるで自分の家のように居座っていたからだ。

そう言われてきょとんとした顔をした後、鍔が豪快に笑う


「はっはっはっは!そうか、そう思うよな!白虎と朱雀の一部の生徒はここに自由に出入りしてんだよ!

な、白雅!」


「朱雀はともかく白虎は朱雀の研究員に作ってもらったんだろ、別にいいけどさ」


笑いながら白雅が言う、

白雅達が話している間に永禮と産咲は騒がしい部屋に行く

もちろん美羽も一緒に連れていかれている


「産咲様、おかえりなさい、あの、みーぷが初めてげっぷをしましたよ」


「おかえりなさい、産咲様」


「産咲さまーお待ちしておりました!おかえりなさい!!」


そこにはたくさんの生き物に囲まれてよく産咲達の後ろをついて歩いている竜のようなものを抱えていた3人の女子生徒だ


そして生き物達が産咲の周りに集まるその中に3人のペットであろう竜たちもいた。


「た、だ、いま」


産咲の声を千李達は始め聞いた。千李は喋れてのかとびっくりした。


「千李君、今、失礼なこと考えなかった?」


「い、いえ、そんなことないです」


慌てて千李は首を振る


「はっはっは、まぁ産咲は普段しゃべらないからなぁ!驚くだろうな!」


鍔が豪華に笑いながらそう言う、心を悟られて千李は恥ずかしくなった。

どうしてこう自分の心をみんな読み解けるのか


みんなは産咲達のいる部屋の中に行っている、かわいい生き物がいるらしく、女の子達は楽しそうだ

千李は鍔に肩を抱かれて動けない


「あの部屋は産咲の作った神華獣とあの3人が作った神華体とか神華人も居るし普通の生き物とかもいて生き物の研究所みたいになってるんだよ」


そう言いながら鍔に引っ張られてその部屋を覗くと部屋とは思えない自然の花畑と大きな湖のある野原が広がっている世界に、神華獣や神華体の人形、神華人、馬や犬、猫、鳥などがいた。


星空が綺麗な天上のその部屋は生き物の楽園だった。

その中にいる生き物達は産咲を見つけると喜んで寄ってくるので、産咲は永禮に引っ張られて野原の真ん中に行き美羽と一緒に生き物達に囲まれている


「ここにいる神華人は来年から生徒の神華人になる子もいるんだよ」


そう言いながら白雅が入り口の横にある研究所のようになっているスペースに居る3人のところに行く


「今日は新しい子は居ないみたいだね」


「そうですね今日は馬と馬の神華獣と神華人の研究をしていたのでまた馬系の神華生物ができると思います」


青黒い髪の品のある生徒が白雅に言う


「そうなんだね、それは楽しみだね、ところでだいぶ前に作った神華人で戦闘系の子がいたよね」


「はい、一六五三(ひむこみ)ですか?永禮さんとの鍛錬でだいぶ強くなりましたよ!この前永禮さんに刀を当てたほどです!


「それはいいね、ちょっと話したいな」


「いいですよ!一六五三!!こっちおいで!!」


青黒髪の子の代わりに赤毛の生徒が返事をする、そうして赤毛の子が呼ぶとサイの見た目の神華人がこっちに来た。


「はい水神様、雅母様お呼びでしょうか」


「白雅様が御用があるみたいなのよ」


水神様と呼ばれて女生徒が一六五三に白雅を示す


「はい、白雅様何なりとお申し付けください」


一六五三はかしこまって膝まづく


「この子は雅ちゃんと水神ちゃんの共同制作だったよね、ちょっと千李君に貸し出してもいいかな?」


「護衛にですか?」


「そうそう、ちょっと事件があったから千珠先生が手を取られるだろうからさ、代わりに永禮が守るのも限界があるし、永禮くらい強い子が護衛なら安心だからさ」


そう言われて水神と雅は顔を見合わせる

そしておとなしそうな茶髪の女子生徒も混ぜて話し合う

そして千李の方に3人が近寄る、そして青黒い髪の女生徒が話し出す


「初めまして(わたくし)(そう) (みやび)でごさいます、神華人の神華です」


続いて赤毛の女生徒が話し出す


「初めまして、私は諭詩(さとし) 水神(みずかみ)です」


最後におとなしそうな茶髪の女生徒がしゃべる


「はじめ、まして私は(とう) 凛々(りりあ)です、質問いいですか」


「は、はい」


千李は3人の圧に押されて少し後ろに下がる


「神華人を持つのは学園が初めて?」


「持つのは、初めてですけど須舘低で神華人のメイドは居ました。」


「神華人をどう思う?」


「え、何でもできて凄いと思います」


「神華人に体罰をする人をどう思いますか?」


「体罰まではしなくていいんじゃないかな、頑張ってくれてるんだし」


3人はまた研究所の隅に行きこそこそと話している一六五三はハラハラしながら千李と3人を見比べる


白雅はニコニコしながら千李の隣に立っている


そして3人はすっと背筋を伸ばして千李を見た。

千李はドキッと心臓が飛び出そうなほどびっくりした。


そして代表して雅が口を開いた。


「わかりました。ですが事件解決までです、部活の時は一六五三は鸞璃(らんり)に行きますので部活が終わったらこの連絡紋を押してくださいすぐ飛んでくるでしょう」


「わかりました。」


「一六五三の鍛錬もありますので、門限前まではこの家に来て一六五三と永禮さんの鍛錬をさせてください

部活は19時には終わりますよね」


「はい、そのくらいに終わり、ます」


「では、終わったらすぐ来てくださいね」


「は、はい」


3人の気迫に押さる千李


「ごめんな、3人は神華体が大事なんだ、」


「当り前じゃないですか!他の子も先生に生徒の手帳見せてもらって厳選してるんですから!特に一六五三は育て中なんです!慎重にもなります!」


水神が熱く言うと他の二人もうんうんとうなずく


「で、でも千李君は大丈夫みたいなので、期間限定ですが、お貸ししても大丈夫です」


大人しそうな凛々亜がそういうので一六五三が千李の前に跪く


「修行中の身のため至らない点があると思いますがよろしくお願いします、ご主人様」


「う、うん、よ、ろしくお願いします、一六五三さん」


千李は言葉選びに慎重になる、3人が目を光らせているからだ


「私に敬語なぞ必要ございません、どうぞ1,653とおよびください」


「いや、一六五三(ひむこみ)と呼ぶよ、それでいいかな」


「何なりとお呼びください」


「う、うんとりあえず頭上げて!立って!普通にせしってくれていいから!」


「はい、かしこまりました」


一六五三はそう言うと立ち上がって千李の後ろに控えた。

3人はその会話で満足したようでうんうんと頷いてる

白雅は通信水晶で誰かと通信してる、よく見ると

千珠が浮かんでいる


「はい、なのでしばらくは大丈夫だと思います」


『白雅すまない、助かる、しばらく学園の警備も強化されることになる、人魚達も隠れ里に帰省させて隠れ里の警備にも借り出されそうなのだ、だからしばらくその神華人に頼みたい』


「わかりました、技術者たちには話を通しておきます」


『あぁ、頼んだ』


そう言うと通信水晶の映像が消えた。


「人魚は人魚の隠れ里に帰るようだ、その守り人の手助けに千珠先生も行くらしいからしばらく貸してほしいらしいよ、結構な期間になってしまうけどいいかな?」


白雅は3人に聞いた。


「先ほどの条件を守っていただければしばらくは大丈夫です、千李君は神華人を虐げっるような眼をしておりませんし大丈夫でしょう」


雅がそう言うと他の二人も大きく頷いた


「永禮にも話しとかないとね」


「何をだ?」


そんな千李達のもとにいつの間にか永禮が来ていた。


「永禮の代わりに一六五三を護衛に就けようと思うんだけどどうかな」


白雅が永禮に聞く


「いいんじゃないか、ヒムコミなら安心して任せられるだろう強くなったからな」


そう言って永禮は一六五三の肩を叩く


「初任務頑張れよ」


「はい。永禮さん!」


一六五三は嬉しそうにそういった。


そして永禮が千李の方を見る


「産咲が寝てしまったから帰省許可が出るまで手合わせでもするか?君と日本人の少年と二人で来るといい」


「本当ですか!!ぜひやらせてください!」


この後、千李は真望と一緒に永禮の家にある鍛錬上で打ち合いをして時間を潰したのだった。


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