初めての鈴里村
6月の終わり刀激戦も終わり、部活も休み、千李と岸雄、真望は、初めての鈴里村に向かう事にした先によく鈴里村に行っている美羽、癒澄、影姫にオススメの店を教えてもらうためバスに乗るいつもの6人が楽しそうにするが?
窓辺で少し離れた席で不機嫌そうにする千珠先生と上機嫌な筋骨隆々なイケメン賦髄が共にバスに乗っている、千李のボディーガードをする為だ。
「なぜ私が休日に生徒のお守りなどしなきゃいけないんだ」
千珠は憎々しげに千李を見る、千李も少し失敗したかなと思った。
千珠は、朝からずっと不機嫌で、シェリーニの話なんてできそうにも無い程だからだ
「いいじゃないか!学生時代のように楽しもう!千珠!」
そう言って楽しそうな賦髄を睨めつけて千珠は、言う
「遊びじゃないんだぞ一応は仕事なんだ、分かっているのかお前は」
「はっはっは!相変わらず真面目だなぁ!そんなに固く考えずに気楽に行こうじゃないか、どうせ純血派も桜州じゃ、清校長と白澤様と瑠美様が怖くて事件も起こせないさ!」
はっはっはと賦髄が豪快に笑う
「瑠美さま?」
千李は聞いたことあるが誰か思い出せない名前を聞いてつい口に出してしまった。
「まさか神童様は桜家の当主の名前を知らないわけではないでしょうな?」
「千李!!もう!」
自分の軽率な発言で二人ほど怒らせてしまい、千李は萎縮する
「いや、名前は聞いたことあるよ!」
「聞いたことある程度ですか、さすがは神童様は大樹の富豪の当主など気にかけるほどもないということですかな?」
千珠の嫌味たっぷりのお小言に何も言えず、千李は更に小さくなる
「はっはっは!何だか叙樹との会話もこんなの無かったか?、なぁ千珠!」
「あぁ、あの馬鹿も低学年の頃は馬鹿の青帯だったからな、神華は、素晴らしいが、勉強がだめだったからな」
そう言いながら千珠は、窓の外を見る
「そうだそうだ、確か識字障害で教科書が読めなかったが圓唎の道具で勉強出来るようになってからは成績伸びたよなぁ!千李も識字障害か?」
「千李は漫画読めるから、勉強嫌いなだけだと思います」
賦髄の問に美羽が答える、その答えに苦笑いしながら千李は気になることを聞いた。
「お父さんは、切り花だったんですか?」
「おう、そうだぞ?だから清家の本当の親から離縁されたんだよ、なぁ千珠!」
「確かそうだったな、だが勉強ができるようになってらから手のひら返しされて猫炎先輩のほうが肩身の狭い思いをしていたな」
千珠は、横目で賦髄を見ながら話す
「猫炎ってことは豹炎のお父さんですか?」
千李が千珠に聞くと嫌そうな顔をされる、そんなに嫌われるようなことをもしや父はしたのだろうかと不安になる
「猫炎様は、叙樹を嫌っていた、見下していた弟が頭角を現し始めて、当主の座を取られかけていたしな、そして今度はお前が自分の息子の座を盗ろうとしてる、これで叙樹のように勉強まで出来るようになったらと猫炎様は、気が気じゃないだろうな」
「僕は盗ろうとなんてしてません!親戚が勝手に言ってるだけです!」
千李はムッとして言い返す
「お前がどう思おうと関係ない、周りがそうして動く、本家のものよりも力がある、それだけで純血派には迷惑な存在であることを自覚するんだな」
「そんなの理不尽だ」
千李がそう漏らすと千珠は窓を眺めて言う
「人生は理不尽なんだよ楽しい日々だけ続くなんて夢物語だと知るんだな」
シーンとする車内、重々しい空気が流れたところにパンっと大きな手を叩く音がした。
「まぁな!人生は理不尽かもしれないでも楽しいこともある!
この先何があるかなんてわからない!なら楽しんだもの勝ちだ!今日は鈴里村を楽しもう!」
それに真望が答える
「そうですね!華人や妖怪の村は楽しみです!」
そんな真望に癒澄が言う
「私、真望君と一緒に真麻紗のカフェに行きたいなぁ、とってもかわいいのよ!」
それに賦髄が面白そうに笑う
「あそこはカップルの場所だからなぁ、確か真木と敍樹がシェリー二と別の女の子を一生懸命誘ってフラれていたなぁ、でな、予約席取っていたから結局二人で4人席で4人分食ってたんだよ、馬鹿だよなぁ!はっはっは!」
そこから7人は楽しく話しながらバスの到着を待った。
バスに揺られること20分やっと鈴里村に到着した
8人は、いろんな店を回ったもちろん真麻紗の店にも行ったが、千珠は断固として店の中に入ろうとしなかった。千李も後悔した、ピンクでハートでもこもこした桜色の椅子は雲でできていて座り心地はいいが、
どうも居心地が悪い、こんなところで父と真木は二人で食事をしていたのは凄いと思う、尊敬も真似もしたくないが
7人が食事を終えて店を出ると千珠は永禮と白雅と話していた。その近くでは産咲がぼーっと空を見ている
すると、白雅がこちらに気付く
「あ、意地悪なこと神童君だ!」
それを聞いて岸雄は高速で謝りだした。
「あは、本当に試合の時と雰囲気違うね、俺が男らしくないとか言った子だとは思えないや」
それを聞いてか、真望、癒澄、美羽、影姫が白雅に駆け寄る
「こんなかっこいい人に男らしくないと言うなんて!岸雄君は何を考えているんだ!」
と真望が怒る
「お気になさらないで、岸雄君は嫉妬しただけだと思います、だって白雅様はこんなに素敵なんですもの」
影姫がトロンとした目でいう
「白雅様はとっても男らしいですよ!」
癒澄もほほを赤くしながら白雅に引っ付く
「岸雄君がそんなに意地悪なんて知らなかった、わたしの友達がごめんなさい、白雅様」
美羽もうっとりするように白雅を見る
そして岸雄も白雅のそばに行き手を握る
「し、試合の、と、時の僕はどうかしていました。は、白雅様はこ、こんなに男らしいのにごめんなさい」
みんな恋に落ちたようにトロンとした目になって白雅様白雅様と言っている
この異常な状況に千李は困惑する
「え、何、みんなどうしたの??」
それを見かねて永禮が声をかける
「白雅、フェロモンが強すぎる、弱めろ」
「えーでも神童君には効いてないみたいだよ?」
そういわれて永禮は千李を見る、惚ける様子もなくむしろ引いているようだ
「確かに、効いていないな」
心底不思議そうに周りの大人は見るので千李は居心地が悪い
「えーとフェロモンって何のフェロモンなんですか?」
千李がそう聞くと白雅が答える
「俺のフェロモンは子供フェロモンって言って13歳以下の子に惚れられちゃうフェロモンの神華なんだけど
君、全然効いてないね?本当に11歳?」
「11ですよ!」
「千李は私と同い年ですよ、白雅様」
目をトロンとさせながら美羽が言う
「だよねぇ」
そしてまた白雅は頭を悩ませる
そこで賦髄が何かに気付いた。
「千李君まさか君、シェリー二の神華も受け継いでるんじゃないか?」
それを聞いてみんな納得した
「なるほどねぇそれでフェロモン効かないのかぁ」
「また面倒なことを」
白雅が納得し、千珠が頭を抱えた
そして千珠が懐から懐紙を出して印を刻むと懐紙は鳥の形になってどこかに飛んで行った。
「とりあえず校長には報告したがお前ら、この事は内密にしろ、いいか、誰にも言うなよ
特に永禮、母親には絶対言うな」
そう千珠が言うと少しの間をおいて永禮は頷いた。
「・・・・わかりました」
千珠は呆れた顔をして永禮を見たあと千李を見た
「千李、その力は隠せ、いいか、誰にも知られるな、分かったか、とりあえずこれを持っとけ」
そういって千珠は錠剤を渡してきた。
「あーフェロモンブロッカーじゃないですかぁなんでそんなの持ってるんですか?」
それを白雅が嫌そうに言った。
「校長が一応持っておけと渡してきたんだ、このことを予見していたのだろうな
それをもっておけば一応フェロモンが効かない理由にもなるだろう、
ついでにそいつらに飲ませて使用感を出しとけ」
そういうと白雅は残念そうな顔をする
「えー飲んじゃうのー?」
「白雅様が嫌なら飲みません!」
「おれも飲みませんよ!」
「私も」「僕も」「私だって!」
みんな白雅を囲って収拾がつかないが、白雅は楽しそうだ
「白雅」
永禮が声をかけると不満そうにはーいという白雅
「みんなお薬飲んでいいよ」
「でも白雅様嫌なのでしょう?」
影姫が聞く
「そんなことないよ、薬を飲んでも君たちの可愛さは変わらないしね、
さぁ飲んで、俺からのお願い」
そういわれいてみんなしぶしぶ薬を飲む、いつの間にか賦髄が店に頼んで水を用意してくれていた。
そして5分ほどたつと真望、美羽が疑問の顔をして
岸雄と影姫が恥ずかしくて顔を赤くしながら白雅から離れる
そして最後まで白雅に抱き着いていた癒澄はキャッと言って真望に抱き着きに行った。
「ははは、かわいい反応だなぁ、それで?みんな普通になったところでどこに行くの?」
その白雅の問いに賦髄が答える
「とくには決めていないが女の子は、どこに行きたかったんだ?」
それを聞いて美羽が慌てて答える
「あ、最後は鉄商店に行こうかって思ってて、千李達も好きだろうし」
「あ、そうなんだ!じゃぁ一緒に行こうよ俺達も行くところだったからさ、な、永禮」
美羽の言葉に白雅が楽しそうに言う
「俺は別に構わない」
永禮がそういうので、3人も一緒に行くことになった。
これでうれしいのは千李だ、永禮と話すチャンスができた。
千李はさっそく永禮に話しかける
「あの!永禮先輩はどんなトレーニングをしているんですか!!??」
永禮はびっくりしながらも答えてくれた。
「特に特別なことはしていない、素振りや筋トレとピストルの弾除けとか」
「ピストルの弾除け?」
それに白雅が反応する
「ピッチングマシンの弾除けは猿武ではやってなの?ほかの部室にもあるって聞いてたけど、とは言っても永禮のは特別だよ今はBB弾切る練習してるからね、これは誰も真似できないよ」
「うちの部室にはありますよ、ライラックさんが猿武が一番最初に始めた訓練だって言ってけど」
真望が考えるように言う
「う、うちは代わりにき、金斗先輩が投げるから」
あーとみんな納得する彼が投げる球ならマシーンはいらないだろう
そして千李が続ける
「確か部室の隅に壊れたのあったなぁ、修理するお金がないって言ってた。
でも修理するより金斗先輩が投げたほうが破壊力あるからって、先送りにしてるらしいです」
それに難しい顔をする永禮
「それだと金斗君が訓練できないだろう」
「金斗先輩は増筋の術で筋力アップさせた凱臥先輩が投げてます、おかげで増筋の術の使い方がうまくなったって言ってました。」
「あぁそれでライラーズ追いかける時に増筋の術を使うのか、無理やり筋肉強化するから使いずらいのによく使うと思っていたよ」
永禮は感心するように言っていた。
それに白雅が入ってくる
「でもライラーズも増筋使って逃げてるよね」
「そうだな、あいつらも増筋を使ったトレーニングをしているのか?」
永禮が真望にそう聞く
「そうですね、結構危険だからライラーズだけですけど、たまにしてますよ」
「き、危険なの???」
岸雄が驚いて聞く
「あんまり無理やり増加すると筋肉が壊れる危険性もあるから適度な増加と
回数、それと術と相性がいいかも考えながら使わないといけないらしいぞ、
俺ももう少し鍛錬したら増加の訓練させてもらえるらしいから楽しみなんだよ!」
それを聞いてまた永禮は感心する
「ほーやはりライラックは面白いことをしているんだな、うちもいろいろ調べてみて訓練を入れるか」
「いいね、永禮や俺がいなくても勝ち続けるチームにしたいもんな!」
みんなワクワクしながら鉄商店に向かう
男性陣は刀や訓練の話で盛り上がっている
「男の子って好きよね」
話についていけない女性陣は置いてけぼりだ
「産咲さん、前見てないとこけますよ」
美羽は産咲の手を引いている、なぜか産咲はつかんでいた永禮の裾から手を離して
美羽の手を掴んできたので美羽が産咲の面倒を見ている
「産咲さん美羽ちゃん気に入ったのかな?」
「そうみたいねずっと美羽ちゃんのこと見てるし、多分?」
影姫が多分というのも美羽の方を見てボーとしているが虚空を見ているようだからだ
そうして話していると、鉄商店と書かれた黒い瓦屋根の店が見えてきた。
そのショーウインドーには様々な武器や、木刀が見えるのだが、その脇に、
店には似つかわしくない赤いオープンカーが止まっている
「あれ、爽走がいるってことはライラーズがいるのかな?」
白雅がそう言うと赤いオープンカーのフロントガラスが目のようになった。
「おうおう、優等生御一行となんだ?新人が多いな?お、その陰気な顔は千珠じゃねぇか!
あいっかわらず真面目君してんのかぁ?教師になったって聞いたぜ?生徒と禁断の恋なんてのしてんのか?
陰険色男!」
からかうように爽走が言うが、千珠はそれを無視して鉄商店に入っていった。
「ちぇー相変わらず付き合い悪いぜ真面目君は、ん?」
爽走は鉄商店に入ろうとする千李を見て声をかけてくる
「お!お前の顔見たことあるぞ!敍樹の息子だな!?」
いきなり車が近くに来たので千李は冷や汗を掻いた。敷かれるかと思ったというのは全員の総意だろう
「おおお、そうだよ過去の友よぉ色違いだが確かにあの自信過剰の敍樹の顔だ!
おおう、虹の女王に殺されたと聞いた時はどんなにウォッシャー液を流したことか!」
そういいながら爽走はウォッシャー液をだしている、どうやら泣いているようだ
「卒業前に破天荒カルテットと島中を走り回ったのは本当にいい思い出さ、敍樹と真木は一番の親友だよ、ほら、車の中見てみろ、写映もあるぜ!」
そう言われて千李、岸雄、美羽は、走って車の中を見に行った。
確かに車の中には4人の青年と爽走が水晶玉から出る映像に映っていた。
それを横からほかの面々も覗く
「あ、本当に玄武のシルバーキングってせんりんにそっくりね」
「真木さんも岸雄君にそっくりよねぇ」
「この可憐な少女のような人は圓唎さんだからこの好青年が飛鳥さんか」
癒澄、影姫、真望の言葉も聞こえないくらい千李は写真に見入っていた。
学生時代の4人はほんとに仲がよさそうで、写映の水晶をこすると違う映像が出る、
何枚か見ていると金髪で青い目の女性が映った動画がっ出てきた。
『へい!おねぇさん達そんな陰険色男より俺らとドライブでもどうよ!』
その映像には一瞬だけ一本の三つ編みの黒髪の女性が映り、その後をシェリー二と千珠が追っていた。
『あんたたちと遊ぶくらいなら魚人と遊ぶわよ』
『シェリー取りあうな』
画面の外から女の声がする
『シェリー!もう行こう!』
そう言って3人はどこかに行く後ろ姿だけが写される
『付き合い悪いなぁ、もういいや、行こうぜ!』
そうして動画は最初からになる
「この金髪美人がシェリー二さんか」
また流れる動画を千李は見入る、怒った顔のシェリー二、初めて見る母の顔
金髪の腰まである髪を一本の三つ編みにしていて、千珠と女性とお揃いのようだ
ふいに背中に重みを感じた。
「この人たちが初代ライラーズなんだってさ、」
ライラックだった。背中に扇刀の模造刀と他の木刀を背負っている
そしてさっと水晶玉を取り上げた。
「さ、爽走もう行こうぜ!ドライブしてから帰るぞ!」
「いいねぇ!ライラ!爆速でドライブしようぜ!!」
「爽走涙を拭くんだ!伽蛇につかまる前に行くぞ!」
それを聞いて爽走はぶんとワイパーを回してウォッシャー液を飛ばす
「おう!今の相棒はお前たちだもんな!爆速で飛ばすぜ!敍樹の息子!俺に乗りたい時はいつでも声かけな!じゃぁな!」
そう言う爽走に乗ってライラーズはどこかに行ってしまった。
「相変わらず騒がしいやつらだな」
永禮が言う
「いいじゃん、あいつらのおかげで毎日飽きないよ」
白雅は笑いながら言う
そして店に入っていた千珠が出てきた。
「永禮、悪いがこのまま千李の護衛についてくれ、私は用事ができた」
「わかりました」
永禮が返事をすると、千珠はキントウンを出してどこかへ向かった、それと同時に貉が新聞をもって
叫びながら走ってくる
「速報速報!!!鈴里村で誘拐!人魚の娘達誘拐!速報速報!人魚達の代わりに件の死骸が!?」
そう言って新聞をばら撒いている新聞を手に取ると、何かの呪文式の上に件の死骸が横たわっている写真と
見たことあるような女性達の人魚が映っているが、どこで見たのか思い出せない
「こ、この人達、み、深瑠さんをば、馬鹿にしてたひ、人達だ」
そうだ、あの貝の船に乗っている時に深瑠先輩と岸雄を馬鹿にしていた人達だ
「あの人達か、なんでさらわれたんだろう」
「人魚をさらう目的なんて一つよ」
千李の言葉に青ざめた美羽が言う
「一つ?」
千李が心底不思議そうに言うと
白雅が言った。
「食うんだよ」




