第3話、悪友、悪先輩。
ここら辺りから、話が盛り上がります。先ずは健一の友達と先輩が登場、遠藤真美の噂話が飛び交います。
前田敏樹は、健一と同じ高校から進学してきた、同じ柔道部で階級も同じの悪友である。
健一との違いのは、柔道より女の子が優先する性格である。
健一が此の年で、キスもしたこともないのに対し、ある程度の異性関係を経験している!と、さんざん自慢していたのだ。
其の前田敏樹が、堀田健一に組み付いて、
何でお前が、G-7sの遠藤真美と一緒にいるんだ?
悔しいような、腹立たしいような、ほんとは羨ましい感情をぐっと飲み込んで、少しドスの効いた声で健一に詰め寄った。
今度は健一が、絡んでくる敏樹の腕を後ろに捻り上げ、変則チキンウイングロックの体制をとった。
G-7s?何の話だ?
敏樹の話だと、此の大学のミスコントップ5の第三位が、遠藤真美なのだそうだ。
其の遠藤真美が率いているのが、ゴールデンセブンシスターズ。通称G-7s。ちょっと前に流行った、ギャルサーの様なもので、此の大学には幾つか存在してるのだそうだ。
そのG-7sのリーダー遠藤真美が、何で健一と一緒にいるんだ?
その事実に、敏樹は憤っている。
良くわからないが、あの女性が主催している、研究会に誘われた!と、健一は告白した。
しかし、今日入学したばかりなのに、良くそんなこと知ってるな?
実は先輩の受け売りだ。
健一と敏樹がジャレあっていると、
オイ!健一、敏樹。なにやってんだ!とっとと道場に来い!
あっ、小峰先輩。
そう言うと、二人は身体を放し、気を付けてをして、最敬礼をした。
小峰 崇。健一たちのひとつ上の先輩で、此の大学に健一達を誘ったのも、小峰だった。
健一達は大学の道場で、思いで話に華を咲かしていた。
思いで話が一段落して、敏樹が小峰に健一と遠藤真美が付き合っているらしい!そんなことを言った。
違いますよ!研究会に参加しただけですよ。
其を聞いた小峰は、ちょっと顔を曇らせ、神妙な顔付きで、
あの女には、気を付けた方が良いぞ。
そう言った。
過去何人も、あの女に関わって、変になった野郎どもがいる。実際小峰の先輩の柔道部員が、遠藤真美に振られて、大学を辞めて出家したと言う。
だが、あの通りの外見と、何ともしなやかな物腰。そしてなんと言っても、何とも言えない、良い香りが股間を熱くさせる。
そう、何とも芳しい、あの匂いが男達を惑わせているのだ。
話が本筋から少し、解離していきそうになるのを、必死に堪えて、こんな感じになりました。
さあいよいよ、物語の核心に迫ります。