夢
「んあ」
目が覚めるとそこは…
「知らない天井だ…」
身体にいくつもチューブがつけられ、ピッ、ピッとおれの心拍数を計っているのだろう機械が横にあった。
…とりあえずナースコール押すか。今おれがどういう状況か教えてほしい。
押すと慌てた様子で看護師さんとお医者さんが来た。
なぜ、なんでというのを何度も聞かれた。
知りたいのはおれなンだわ。
おれはコンビニで刺されたあと、ギリギリ一命は取り留めたらしい。
しかし意識が戻らず一生このままなのかと思った矢先、急に目を覚ましたらしい。
「何日くらい意識なかったんスかおれ」
「1ヶ月と3週間だね」
あっちの世界じゃ16年も経っていたけど短いもんだなぁ。
…?
あっちの世界ってなんだ?
「大吾あんた久しぶりねぇ」
「なんかいつもと変わらんね」
おれの母さんはだいぶズレている。
「つか、久しぶりって。見舞いで顔は何度も見てるべ」
「話したのが久しぶりってことよ察しなさいまた意識なくさすぞコラ」
「父さんは?」
「今は御百度参りの途中よ。100行ってないのに願いが叶っちゃったらバチが当たりそうよね」
優しいなぁ父さん…!
おれが感激していると、
「竹中くん!」
「花田…さん!?」
っぱメガネない方がかわいいよ。
「よがっだぁ…ほんっとうに…」
「泣かないでよ。せっかくのメガネなしの顔が台無しだよ」
「なんて?」
「なんでも…」
いかん、心の声が…
「ところでなんでこんなところに?」
「竹中くんのお母さんが教えてくれたの」
件の母を見るとめちゃくちゃニヤニヤしてる。腹立つ。
「そういえばさ、おれ学校大丈夫なん?2ヶ月くらい行ってないとか留年確定じゃない?」
「多分インフルエンザとかコロナみたいな感じで欠席には含まれないと思う…多分…」
確信がないのかな。オドオドしててかわいいなぁ。
おれが鼻の下をラニコート・フォート(パキスタンの砦の史跡)くらい伸ばしていると、
「じゃあそろそろ帰ろうかね。ハナちゃんも帰るよ」
マ〇オの敵みてーなあだ名だな。
そんなわけで時間もそこそこ、解散である。
「ま、また来るから!」
「うん、ぜひ!」
そんなわけでさようなら。
少し寝た。
あんな寝てたのによく眠れるものだ。時間は大分遅めだ。
…やっぱり変だ。
何か忘れてる?何を?
おれが眠っていた1ヶ月と3週間。確かに意識はなかったはずだ。何も記憶がないはずだ。
だが、それには収まりきらない、確かな記憶がある。
「…」
わからない、理解はできないけど、ここと同じくらい大切な場所だったはずだ。
「ん?」
その時、右の人差し指に熱を感じた。
見ると黄色の火がついている。
「やっば!?」
火事になってしまう!
消化しなくては!
しかし、何故だろう。
とても…とても暖かな光だ。
何かとおれを繋ぐ唯一の紐のような…か細く見えるがたしかに繋がっているような…
おれはそれを左手で恐る恐る触ってみる。
瞬間、
天に空いた穴。
全てをかき消す轟音。
周りには…死体?
おびただしい量の死体の中で少女が慟哭していた。
「きしりか…?」
誰だそれは?何故彼女の名前がわかるんだおれは。
ただそれは。地獄と言うにはあまりにも生ぬるい場所だった。
「起きたか」
真っっっっっ白な空間にいた。
「久しぶりだね神さん」
久しぶりの神との対面だ。
あんなものを見たのに妙に落ち着いている。
「何あれ」
「あれ、とは?」
「全部だよボケ」
急に前世に戻ったことや、あの強烈なイメージなど、聞きたいことがいくつもある。
「なんでだ」
「ちょっとした息抜きと、これからお前にやってもらうことの再確認だ」
「あの最後のやつ、あれ大穴だろ」
あの化け物。もはや生物ではない。
全てを超越したような何か。
見たことはないが、確信を持って言える。
「大穴ねぇ…私はあれをアブルホールと呼んでいる」
それ即ち世界を喰らう者。絶対である。
更新クソ遅くてすみません!PS5楽しい!(本音)




