遅刻はしない
今回から1週間はこっちを書きます
教会から出た俺の頭の中にまた、あの無機質な女の声が響く。
《『能力値数値化』を学習しました能力数値化は任意で発動します。》
これ学習できるようなもんだつたのかよ。
ほんの小さな賭けのつもりだったけど上手くいって良かったぜ!
これで、能力値の数値化にはもう困らないな!
てかなんだよ。教会の奴らに集会なんてあんのか⁈。
しかも【翻訳】でも翻訳できないあの爺さんの喋ってた言葉。謎多すぎんだろ。
俺の顔に登ってきた太陽の光が当たる。
「なんかこれいいな。坂本龍馬もこんな感じの景色を見て『目覚めよ日本』とか言ったんかな」
そんなしょうもないことを思ってると、さっきまで俺のいた教会に目を向ける。
背後にそびえる教会には、王都が作られた当時からあると言われている時計がある。
この時計は今まで壊れたことがないことでも有名だ。
そんな時計を見て集合時間のことを思い出す。
「馬車の集合時間まではあと何分ぐら………い。
ヤバイ! もう4時45分じゃなねーか! 10分前集合が当たり前の俺からしたら、あと5分で集合場所につかないといけねーじゃねーか!」
ほんとやべー、異世界で遅刻なんかもうしたくねー。
「えっとー。集合場所までにかかる時間は……行きで8分間に合わねー。こりゃ遅刻だ。遅刻かー、はぁぁぁぁぁー。」
俺は、確定した遅刻なる運命に対し、ため息とともに下を向く。
その時、朝早いから静かだった教会前が急に騒がしくなった。
「ダイキさん!もう! 遅れるのかと思って心配しましたよ。」
「はぇ?」
思わず変な声を出してしまった。
そして顔を上げるとそこには頬を膨らましたシーナさんがいた。
あれ?ここって集合場所?
通りで騒がしいわけだ。いや、転移とかありえないなあ。
なんでだ?俺は目の前にいるシーナさんが幻覚だと思い目を擦るが変わらずシーナさんはそこにいる。
「はぇ?何で?」
後ろを向くがさっきまであった教会はなく、代わりにあるのは、馬に2匹に繋がれた荷台だけ。
まぁ遅れずに着いたらしいのでよしとしよう。
「ダイキさん。こちら今回の依頼主、アルタナ様です」
「よ・ろ・し・く。ダイキ様〜〜」
マジですかこれ。
何でアルタナがここにいるんだよ。
【松瀬共矢から読者の皆様へのお願い】
『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。
感想もお待ちしております。
レビュー、をしていただけるとなお嬉しいです。