第八話
雪原エリアの洞窟の中。二人で寄りそう。どちらから言ったわけでもないが自然とそうなった。狭い洞窟だし、そして何より寒い。何もここまで再現しなくてもいいのでは? と思いつつも、この状況を嬉しく思う。
おにおんぐらたんさんの温かさが伝わってくる。その温かさで私の顔が赤くなり、体温も上昇してしまいそうだ。そして、その体温の上昇を感じてか、おにおんぐらたんさんの体温も上がっている感じがする。体感的にだが、まるで永久機関にでもなったようにぽかぽかしてきた。
「「……」」
なんかいい雰囲気で気まずいというか恥ずかしいと言うべきか。雰囲気に耐え切れずに口を開く。
「す、少し休憩したら雪原エリアの街に向かいましょう」
「そ、そうですね。僕もそれがいいと思います」
「「……」」
そして、また沈黙。何を話せばいいのか分からない。現実世界のことを聞くのはタブーだし、かと言って私の話をしてもおにおんぐらたんさんはつまらないかもしれない。お互いに話題に詰んだ。
「ぐおぉー!」
突然魔物が現れた。驚きもあったが、心の中でほっとした。しかし、それとは裏腹にこの時間が終わってしまったことを残念に思う私がいた。おにおんぐらたんさんが直ぐに洞窟の入り口を塞ぐように立ちはだかる。私はというと、驚きはしたものの、おにおんぐらたんさんに寄り添ったまま固まっていたので、支えがなくなった途端にぽてりとそのまま地面に倒れた。恥ずかしさがこみあげてきたが、幸いなことに牛男は魔物と対峙している。
私も恥ずかしさを頭の中から消して、戦闘に加わる。おにおんぐらたんさんが、洞窟の中に敵が入ってこないようにしているので、敵の攻撃を幾分か受けている。私は慌てて回復魔法をかけた。そして、魔物を倒した。
「大丈夫でしたか?」
そう言うと、牛男が手を差し伸べてきた。思わずぷっと吹き出してしまった。
「え? なんですか? どうしました?」
「いえ、おにおんぐらたんさんが見た目に反して紳士的なことをしてくれたので、ギャップでつい笑いが。すみません」
「ああ、言われて見れば確かに。ミノタウロスが手を差し伸べるとかなんかおかしいですからね」
私たちは笑い合い、雪原エリアの街を目指した。




