第七話
私たちは、港町を目指して彷徨う。山を登りそして下る。たまに戦闘。それを何度も繰り返して辿り着きました。雪原エリアの《カラドリウス》にですが……。
おにおんぐらたんさんと無言で向き合い途方に暮れる。靄で迷って隣のエリアに来てしまったようだ。
「すみません! 迷子になって隣のエリアに来ちゃったみたいです!」
申し訳ないと頭を下げて謝罪する。
「いえいえ、僕でもきっと港町に辿り着けていないですよ。靄が酷かったですからね」
おにおんぐらたんさんが優しい人で良かった。初心者故の優しさかもしれなけれど。ガチ勢だったらぶちぎれられていたかもしれない。
「どうしましょうか?」
「戻るとまた迷いそうなので、このまま雪原エリアを通って、ここの港町に向かうのはどうです?」
おにおんぐらたんさんが、提案してくれた。確かに言われたとおりである。戻ってもまた迷って逆方向にある隣の火山エリアの《サンアトゼール》に辿り着いてしまうかもしれない。私たちはこのまま雪原を進むことにした。
雪原エリアでは、氷のように透き通った狼が出て来た。狼なので群れを成している。おにおんぐらたんさんが次々に倒していく。おにおんぐらたんさんが、たまに攻撃を受けるので私は慌てて回復魔法を何度もかけた。ひとまず敵を蹴散らかした。さらに地図を見ながら先に進む。
戦闘中は身体を動かしていたせいか、ぽかぽかしていたけど、段々と冷えてきた。そして震えるくらいに寒くなって来た。チラリと隣を歩くおにおんぐらたんさんに視線を移す。牛男は上半身が裸なので、見ていてとても寒そうに思えてしまう。ゲームだから凍死することはないだろうけど、身体には悪い影響が出ないのだろうか? と疑問に思ってしまう。
思わず牛男の腕にしがみつく。暖めてあげたいと思った。それは思考して出た答えではなく、本能的な物であった。腕からおにおんぐらたんさんのぬくもりを感じて暖かい。
「え? アニエスさん?」
おにおんぐらたんさんが動揺している。それはそうでしょうね。私が逆のことをされたら動揺します。
「私も寒いし、おにおんぐらたんさんも寒そうに見えたので……」
そう言った途端に、私は顔だけは熱くなった。おにおんぐらたんさんは、どう思っているのか顔色を窺ってみる。しかし、牛男の顔は茶色の毛で覆われているので、顔が赤いとか分からなかった。……なんかずるい。
途中で洞窟を見つけたので、そこで休憩をとることにした。




