第二十話
ゲームにログインして、早速おにおんぐらたんさんに、フレンドメッセージを送った。
しばらくすると返事が返って来た。どうやら私がなかなか来なかったので、ソロで狩りをしていたらしい。街中のベンチに座り、足をぶらぶらさせて牛男が来るのを待つ。空を見上げると星空が広がっている。このゲームは現実時間とは違う流れで朝や夜がやってくる。今まではゲーム内では日中が多かったけど、めずらしく夜空を見ることが出来たので、思わず見とれてしまう。
そこへおにおんぐらたんさんがやってきた。星空の綺麗さとオフ会の話が相まって、なんとなく赤面してしまう。まあ、赤面するようなことがあってもゲームだからそこまでは再現されていないのだけど。
「お待たせしました」
「いえいえ、私の方が待たせちゃいましたね。狩りどうでした?」
「この辺の敵は熱くて、斧が溶けちゃうんじゃないかと心配しちゃいましたよ。でも、流石に運営もそこまで鬼畜仕様にはしていないようですが」
今現在いるのは火山エリア。敵の身体がマグマで出来ている。でも武器や防具が触れても熱で溶けちゃうということはないんだけどね。
私がベンチから腰を上げようとする前に、おにおんぐらたんさんが私の隣に座ったので立ち上がるタイミングを逃した。そして距離が近い。
「……オフ会出来そうです?」
普段獰猛そうな牛男の目が、純粋さに不安を交えたつぶらな瞳になっている。まるで捨て猫が飼って下さいと見上げて来ている気分だ。
「い、行きます!」
雰囲気に飲まれて了承してしまった。まあいいか。見た目に反して紳士的そうだから、現実で会っても害はないであろう。それに自分の住んでいる所とは少し離れた所で会えばいいだけだし。
「どこで会いますか? 僕はどこでも良いですよ」
「ん~、池袋辺りとかどうです? あ、おにおんぐらたんさんが住んでいる所でしたっけ。他の所がいいですよね」
「僕は構いませんよ。それじゃあ池袋で。待ち合わせ場所はどこがいいです?」
「西武線の改札口を出たところがいいですね。あ、急行で行くので地上出口の方です」
「わかりました。ではオフ会の日を楽しみにしていますね。それと明日は仕事が朝早くからあるので、僕はもう落ちないといけません。せっかくアニエスさんが来てくれたのに、一緒に遊ぶ時間が無くて申し訳ない」
「いえいえ、私が遅れて来ただけですし。それに私も用事があるから丁度良かったです」
この日は会話だけで解散となった。そしていよいよオフ会当日となった。




