第十八話
翌朝、寝ぼけ眼な顔を洗う。すっきりとすると昨日の出来事を思い出す。
(昨日は楽しかったな。おにおんぐらたんさんって現実でもあんな感じの人なんだろうな)
ふと現実がどんな人かを想像してしまう。細身のイケメンかな? それともいかにもオタクですって感じかな? あ、でも今までゲームをほとんどしてなかったんだっけ? それならアバター通りに筋肉ムキムキの人かもしれない。でも、性格的に優男かもしれない。
恋心かどうかは別として、人として好意を感じているので、思わず色々と想像してしまう。
そんなことを考えていたらLINEの着信が来た。
――おはよう。昨日は楽しかったね。
他愛無い文章。社交辞令にも感じるけど、その文章の内容には私も同意である。
――おはようございます。私も楽しかったです。辿り着いた火山エリアを冒険するのが楽しみですね。
私が返信して、既読がついたものの反応がない。まあ、あまり送ると人に迷惑がかかると思ってラリーが続かないのかな? そんなことを思いつつ朝食を食べる。
すると、しばらくしたらまたLINEの着信音がしたのでスマホを開いて確認した。
――今度の土曜日なのですが、よかったら二人でオフ会しませんか?
「ゲホゲホ」
食べている物がのどに詰まりそうになってむせた。
「ふ、二人きり?」
驚きのあまり思わず声に出した。だが、冷静になる。よくよく考えたらお互いにどこに住んでいるのかを知らない。少なくとも私はおにおんぐらたんさんがどこに住んでいるかは知らない。そして、私はおにおんぐらたんさんに、自分の住んでいる所を教えた記憶もない。遠くに離れた場所に住んでいたらオフ会無理じゃない? と苦笑しながら返事を送る。
――お互いに住んでいる場所が近所じゃないとオフ会出来ないと思うのですが(笑)
――あ! そっか!
おにおんぐらたんさんは、どことなく紳士的であるが、たまに抜けている感じがする。そんなところが可愛かったりする。
――僕は東京都の豊島区に住んでいます
なんと同じ東京都である。市区町村は違うけど。世の中狭い。いや、日本の人口から考えると、都市部に人が集中しているから、確率的には同じ東京に住んでいる可能性が高いのか?
――私も東京です。K市に住んでいます。
臆して濁した。小平市、国分寺市、国立市、狛江市、小金井市、清瀬市。返信をしてから気づいたが、意外とKのつく市が多かった。まあいきなり自分の住んでいる所を教えるのは怖いから丁度いいか。
――同じ東京ならオフ会出来そうですね? どこで会いましょうか?
もうオフ会が決定になってしまっているようだ。なんか乗り気なので断るのも申し訳ない。そして私もおにおんぐらたんさんに会ってみたいという気持ちはある。だが、会っても平気かどうかはちょっと心配になる。そして私が軽く思われないように釘を刺しておく。
――ちょっと考えさせて下さい
少しして返事が返って来た。
――わかりました
向こうも言葉の意味を理解したから返事に間があったのだろう。
オフ会をやるかどうかは置いておいて、私は仕事に行く前に慌ててオフ会に着て行ける服があるかどうかを確認した。




