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第10話:作戦会議

僕は、ヤマダさんから衝撃的なことを聞かされて頭が真っ白になっていた。


「アルバートさん?」


心配そうにのぞき込んだビアンカの整った顔を見て我に返った。


「ああ、ごめん。まさか『創造者』が素材さえあればどんなものでも作れるすごいジョブだったなんて・・・盲点だったな。だから上級ジョブに分類されていたのか・・・。」


「もしかして、10歳になるまでになにかしたんすか?」


「あ、ああ・・・僕には師匠と呼べるゴーレム博士って言う変人が居てね。彼の家でゴーレム作りに励んでいたんだ。」


「そうなんですね。それにしても、ゴーレムしか作れないのが常識でしたから私も驚きました。」


「そうだ。ヤマダさん!あなた方日本軍が使っている銃や戦車の詳しい構造を見せてもらえませんか?」


「たしかに素材さえあれば量産や修理も可能だな・・・。よし!上に相談してみる。」


「よろしくお願いいたします!」


・・・・・


僕たちが地図を使って作戦会議をしていると会議室のドアをノックする音が聞こえた。


「誰です?」


「山田源一郎一等兵!入ります!!」


「ヤマダさんでしたか。・・・ゴホン・・・入れ。」


「失礼します!」


ヤマダさんの要望で大隊長らしい振る舞いをやっているが正直調子が狂う。


「これって、入るたびにやるんですか?」


「いや、これをしないといざという時に上司の前でやらなかったら折檻を喰らうんでね。それに組織が違うとはいえ君の方が上の階級なんだ。入る時ぐらい敬語は問題ないだろ?」


「ええ、まあ・・・。許可します。」


「ありがとう。ところで、今は何をしているんだ?」


「今は、ビアロス攻略戦を想定した作戦を・・・。」


「ビアロスは1時間前にわが軍が占拠したぞ。」


「うえっ!?」


衝撃的な事実を聞かされて変な声がでた。


「だ、だってロザルトノンを占拠してからまだ1日もたっていませんよ?!ふつうは1週間かかるかどうかで賭けをするぐらいなんです。」


「君たちの世界でいう自動で動く破城槌と羽を動かさない翼竜さえあれば1日での防衛線突破は可能だ。特にこの世界ではな。」


僕たちの国はとんでもない国を敵にまわしてしまったのかもしれない。


「そういえばヤマダさん、量産の件どうなりました?」


「大いにやってよろしい。だそうだ。」


「良かったなリーダー!これで幼馴染を救えるな。」


「そうだなエルーシュ・・・そう言えばクラーラ!あのっ、蒼髪ショートボブで優しそうな眼をした女性軍人を見ませんでしたか?」


「いや、それらしき人物がいたという報告はなかったし、ビアロスにいた兵士もわずかしかいなかったらしいぞ。」


「そう・・・ですか。」


僕は早速銃や戦車の詳しい構造を頭に叩き込んだ。


本当に何でも作れるのか試しに整備場で壊れて捨てられた工具と同一のまだ使える工具を並べて、壊れた方に手を当て直るようにイメージした。


すると、みるみる割れた部分がくっつき、壊れていないものと同一のものが出来上がった。


「す、すごい!本当にくっついた!」


僕は目を丸くした。


「驚いた!これが魔法か!!」


『セイビヘイ』という人たちは歓喜に沸いた。


そこからいろんなものを試していき、やはり素材さえあればどんなものでも作ったり直せたりすることが判り、早速銃火器と戦車、航空機etc...それらを使う上で必要な弾薬を量産修理していった。


素材は耐久面を考慮して基本的にアダマンタイトを使用することにした。


ちなみに日本の軍人たちはアダマンタイトと言う名前は敵であるイギリスやアメリカが使う言葉っぽくて好きではないとして『金剛魔石』と呼ぶことにしたそうだ。


ちなみに『姫騎士』のビアンカと『重戦士』のエルーシュと言った剣や斧の扱いに長けているものはそっちの方が扱いやすいと言うことでそれ以外の娘たちに配った。


勿論、5人の彼女たち以外にも捕虜にされた中で協力を名乗り出た者の数だけ量産したから大分疲労感がすごい。久々に魔力不足ぎりぎりまで魔法を使ったからな。


「つ、疲れたー。」


「お疲れ様です。」


ふと横をみると会議室でグロッキーになっている僕にビアンカ王女が紅茶を入れて来た。


今は捕虜収容所になっているここ、カオ・ルオン伯爵家の屋敷にあった物だろう。


「いいですよ。王女様にこんなことー。」


「やらせてください。罪滅ぼしの一環ですから・・・。」


「・・・ありがたくいただくよ。」


「それにしてもアルバートさんはすごいです!いろんな兵器をあんなにたくさん作れるなんて。」


「そんなことない。ヤマダさんが僕の真の能力に気付いたからだよ。」


「ふふ、謙虚な方なんですね。あなたのお兄様とは大違いです。」


ビアンカはにこりと笑った。その美しい姿はまさに女神そのものだった。

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