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異世界に来てから七日目。
「雨かぁ。今日は外に行くの、止めておいた方がいいですね」
「…そうさのぅ…森の天気も、移ろいやすい…慣れぬ主には、危なかろう…」
「じゃあ…竜賢さんに寄りかかって【空間収納】の整理でもしておこうかな」
「…構わぬよ……急いても、良いことはないしの…」
「――…竜賢さん」
「……なんぞ?」
「眠いなら、寝ていて良いですよ?」
「――…そうするかのぅ…」
――…毛布があったら、かけてあげられるんだけどなぁ。
「…前から思うておったのだが…主のソレは、どのように動くのだ?」
「ソレ、とは?」
「ほれ、主が寝床に使こうておる…」
「あぁ、車のことですか。エンジンを掛ければ動きますよ」
「この洞内でも、か?」
「広さは十分あるから動かせるけど…」
「なんぞ、問題でもあるのかの?」
「……排ガスが、竜賢さんの体に悪いです」
「"はいがす"、とは何ぞ?」
「身体に悪い――…毒です。だから、ダメです」
「……ダメかのぅ…」
「…ダメです」
「――…ダメ、かのぅ…」
「~~~っ!もぅ!しょうがないなぁ!」
竜賢さんから離れた所を車でくるくると走り回ったら、
「鼠のように動くのぅ…」
って、言われた。
せめて、小回りが利くって言って!!




