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第三十三話 攻防

 

 *****


 声とともに男達が美羽姉に襲いかかる。しかし、男達の声と同時に別の集団が姿を現した。全身を武装しており、そんじょそこらのヤクザとは違うようだ。

 武装集団と男達が美羽姉に近づく一歩手前で接触した。


「何だ!? テメェら?」


 何人かの男が武装集団に問いかける。しかし、聞く耳を持たないのか手に持っていた武器ーー「89式5.56㎜小銃」ーーを男達に向ける。


「動くなっ! 動いたら君達の頭が吹っ飛ぶぞ!」


 武器を向けたまま男達に武装集団は警告する。普通の一般人ならここで手をあげて降伏するだろうが、ヤクザを何年もやって来たこの男達には関係なかった。


「……それがどうしたっ!!」


 一人の男がライフルを向けられた状態で突進していった。それに続いて他の男達も乱戦状態に持っていこうとする。確かに乱戦ならば、あの小銃の動きを封じることが出来るが、小銃だけが彼らの武器ではないはずだ。

 案の定、最初に突進していった男が小銃格闘術でねじ伏せられている。その後も他の男達もだんだんと押さえ込まれていた。

 僕は滅多にみない異様な光景の中で気になっていた事を聞いてみた。


「美羽姉、あの人達は誰?」


「カズ君を助けるために作った私の部隊だよ? 本当に作るの大変だったんだからっ♪ 褒めてよ~頭撫でてよ~そして結婚してっ!」


「……作った? 美夜さん。美羽姉の言っていることは本当ですか?」


 降りてきてから後ろに控えていた美夜さんに僕は事実かどうかを確認してみた。


「作った、というよりは買い取ったという方が適切でしょう」


「は? 買い取った? どこから」


 美夜さんは黙ったまま武装集団の方を見る。それにつられて僕も視線をそちらに向ける。見覚えのある服装。恐らくは日本の自衛隊か何かだろう。そんな軍を美羽姉は一体どうやって? 疑問を持つがその間に決着がついたようだ。ほとんどのヤクザの男達が制圧されていた。


「くそっ! 一体何だよお前達は!!」


 男達のボスは押さえつけられながらも抵抗を続ける。部隊の人は抑える力を強め、ボスに告げる。


「我々は岩永様の指示で動く特別な部隊です。まあ簡単に言うと岩永様の下に属している部隊とでも言いましょう」


「くそったれ!! そんなんありかよ! 放せ! 放せっ!」


 男が暴れ出し、部隊の人一人だけでは抑えられなくなり何人かの部隊で取り押さえる。美羽姉はその様子を見て部隊の人達に言う。


「その人を放してあげてください。気が済むまで相手をしてあげますから」


「……はっ! 畏まりました!」


 ボスの男を放して、その場に立たせる。美羽姉はボスの前に行き、話しかける。


「一体何をしたいてすか? 貴方が望むことなら叶えてあげますよ? さぁ、言ってみてください」


「……なら、俺と素手の勝負しろ!」


 男は美羽姉の前でファイティングポーズを取り、ステップをし始めた。女性の美羽姉には不利すぎる勝負内容だ。そもそも殴り合いなんて美羽姉には不向きだ。


「良いですよ。ではーー」


 返事をした瞬間、美羽姉は男の顔に回し蹴りを放つ。男の顔が潰れ、回転しながら吹き飛ぶ。


「……ぼふっ! ひ、ひっはいはひほ(一体何を)?」


「ん? 何ってちゃんと勝負してあげたんだけど? それに手で触れたくないし~」


 美羽姉は身をよじりながら男を見下す。一瞬の攻防を見て僕はついつい口に出した。


「どう考えても不意討ちだったような……」


「だって~女の子が男相手に正々堂々と素手の対マンなんて出来るわけないでしょ? ……それで貴方は気が済みましたよね?」


 顔を手で押さえる男は美羽姉の方を見る。その目は怒りの目をしていた。

 それもそうだ、素手の対マンと言って脚を使ったり、さらには不意討ち。普通にルール的に問題だが、そんな事はお構いなしという態度の美羽姉。誰だって怒りを覚えるだろう。


「ったく、まだまだに決まってーー」


「そう? なら……ふんっ! はっ! ていっ! ていっ!」


「ちょっ! 足蹴りは、足蹴りだけはやめて! マジで痛いから!」


「何言ってるの? 相手が痛がっているから蹴っているのだけど? ……ふっ! これで……ていっ! 気が……はっ! 済んだかな?」


 見てるこっちが悪役に見えてしまった。美羽姉は必要以上にボスの男を蹴りまくり、全身打撲を負わせた。ボスの男はその後ピクリとも動かなくなったーー決して死んではいない……と思うーー。


「ふーっ! あ~スッキリした♪ 全くカズ君を拉致るなんて……私だってしたかったのにっ! 先越された~」


「あの、岩永様。この男達はどういたしますか?」


 部隊の人達が縛り上げているヤクザの人を指差して美羽姉からの指示を仰いでいる。


「勝手に処分しちゃって♪ 私はカズ君を連れて帰るから」


「畏まりました。それでは好きなときにまたお呼びください」


 部隊の人は縛った男達を倉庫の外へと連れ出す。ボーッとしていた為に僕は背後の人物に気づかなかった。


「……カズく~ん♪ 大丈夫だった? 怪我はしてない? もしも傷物になってたらお姉ちゃんが責任とるよ?」


 いつの間にか後ろにいた美羽姉に抱きつかれ、身体中を弄られる。服の下にも手を入れてきて、正直鬱陶しい。


「大丈夫だからっ! 離れて!」


 突き放し、美羽姉に向き合う。それに聞いておかないといけないことがある。


「美羽姉、借金してたんだね……」


「ごめんね~、すっかり忘れてたの。まさかカズ君にまで被害が及ぶとは全く思ってなかったから許して♪」


 笑顔で謝る美羽姉に普通なら素直に許すが、今回ばかりは怪しい。それなりに真面目な美羽姉が借金したお金を期限以内に返さないなんて事があるはすがないからだ。


「美羽姉、今回の事はわざとじゃないよね?」


「なななな、何の事かな? お姉ちゃんが謝っているのにカズ君は信じられないの?」


「うん。信じられない」


「ひ、酷いよカズ君~」


 泣きながら僕に引っ付こうとするがあしらう。さて、ひとまず家に帰ってから話を聞くとしよう。


「和馬様、美羽様は放っておいて帰りましょうか」


 美夜さんが帰りたそうにしている僕に声をかけてくれる。護衛としての任務を果たそうとしているんだな。


「……そうだね、それじゃ家までお願いできる?」


「畏まりーー」


「待った!! 美夜だけずるいよ。私も行く~♪」


 ジャンプしながら手を挙げてアピールする年上。ここでの選択肢は……。


「嘘ついている美羽姉なんて無視無視。……行きましょうか美夜さん」


「……はい、畏まりました」


 今度こそ僕と美夜さんは倉庫の外へ歩いていった。






 さあさあ、二回目の更新となりました。まあ、熱で休んでいた分なのですけど…………と話がそれました。もうまさに美羽姉の特殊部隊って感じでしたね。おそらく日常ではあの部隊で学園では親衛隊(忘れ去られたML)で色々これからしてくれるんでしょうね~。

 さーて、来週(嘘)の『姉による』は~、ついに美羽姉がーーという話です。…………お楽しみに。

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