あとがき
50話の長いお話に最後までおつきあいくださって、ありがとうございました。
今回は全て書き終えてから公開という初の試みで。読んでくださる皆様をお待たせする事なく公開できるのは嬉しいけれど、同時に感想を聞いてから後半を書き直すという事ができず、楽しんでいただけるのか不安もありました。
楽しんで読んでいただけたなら幸いです。
この話は何年も前から書きたいな……と思いつつ、溜め込んでいた話です。私の過去の社会人経験と、大きなフィクションを交えて、数年かけてアイディアだけは貯めていました。
現代日本を舞台にした話は私にはとても書きやすかった様で、よし、書くぞ。最後まで書ききるまで公開しないぞ。と気合いを入れて書いたら、50話15万字の小説が約二週間程で書き終わりました。
異世界物だとあんなに書くの苦労するのに、皮肉ですね。
最後まで書ききってからの投稿だったので、何度も前の方を見返して、伏線を貼り直したり、エピソードの順序を入れ替えたり、不要な所は1P丸ごと削除したり。そうやって整理して連載を書けたのも勉強になりました。今までの私がいかに無計画に書いていたか、よくわかりました。
全てを書き終えて、何度か見返して「よし、これで完成だ」って満足して、すぐ投稿しようかと思ったのですが、直後に一週間程のスリランカ旅行が控えていたんです。
一気に書き上げた作品だし、時間をおいて見直した方が粗がわかるかも……と、旅行から帰国後10日程で公開の設定をしました。
帰国後、時間の余裕があったので、何度も見返したのですが、何度見返しても「ここは説明不足かも」とか「ここはもうちょっと描写の厚みが欲しいな」とか「ここはもう少し言回しを変えてみよう」とか。次々と修正したい点がでてきました。
旅行前に最後までストーリーは書き終わってたのに、加筆修正が凄い事になって。何度読み返し、手を入れても、手を入れても、終わる事の無い果てしない推敲の連続でした。
いつもならもっと早く満足して公開してしまうのに、今回は全て書き終わってるのに、公開まで間があったので、何度も見直す時間があって、際限なく手を入れてしまって。気づけば推敲だけで2万字くらい字数が増えていました。
初日公開日の数日前に、序盤にとても重要な描写を入れた方がいいと気づいて、慌てて入れてみたり。旅行前に投稿してしまっていたら気づかなかったな……と考えると、書いてすぐ投稿する今までのスタイルが、とても恐ろしく感じました。
とても勉強になった一作です。
書いてる間、物語にどっぷり浸って楽しくて、自分の書きたい物をひたすら書き綴った……という感じです。最後のラストは消化不良かもしれません。はっきりしてほしいという方もいらっしゃるかも。
それでも読者の方に、物語の後を自由に想像して、好きな展開を選ぶ。そんな楽しみ方をしていただけたら嬉しいです。
もし気に入っていただけたら、感想を頂けると嬉しいです。今後の執筆の励みに致します。
書き足りない部分も多くあり、既にいくつかのエピソードは書いていますが、まだ投稿を迷ってます。
本編で最後の最後にやっと本音を見せた狩野さんは、後日談でだいぶ雰囲気が変わると思うので、本編終了後の話をいずれお見せしたいですね。
いくつかこぼれ話。
最初に宣言します。私は墓マニアなわけではありません(断言)
でも……一番力を混めて書いた話のタイトルが「墓地で会いましょう」自分で書いておきながら、皆さんの反応が恐ろしくもあります。
当初の予定では、こんなに墓地が重要な話になる予定じゃなくて、たまたま舞台に選んだ土地に墓地があったから、何か入れてみるか……くらいの気持ちだったのですが、気がついてみれば墓地がなくてはならない作品になってた。謎だ。
前に短編ホラーで多磨霊園をモデルにした事もありましたね……二度目だ。もう……墓地ネタは封印したい。
ヒロインは20歳ですが、年の割にしっかりした子でしたし、他のキャラは20代半ば以上という、大人だけのお話で、そういう話も初めてでした。私の好物、腹黒もいなかった。米原さんは腹黒ではなく変人です。狩野さんは強かだけど腹黒ではなくむしろ繊細な人だと思ってます。
この物語の登場人物は、完全なフィクションでモデルも存在しません。でも職場やロケーションや仕事内容に関しては、モデルが存在します。
私の古い記憶なので、現在はどうなのかわかりませんが、かつては桜の季節だけ青山霊園内に出店がでて、墓の前で和やかに食事をしてる人はいましたし、墓の隣の洋食店で石焼ビビンバを食べました。懐かしい想い出です。
物語を華やかに飾るため、飲食店はおしゃれな所を選びましたが、実際はラーメン屋や牛丼屋の方が多かったかな。
デザインの原稿の受け渡しや、入稿方法、使用ソフトなど、かなりのブランクがあるので、たぶん現状とは一致しない所も多いかと思います。制作方法も会社によって違うでしょうし、あまり鵜呑みにしないでくださいね。
給与明細に、固定給ー税金=総支給額。これしか書いてないのは、実際に体験した話。
今まで女性が主人公の恋愛ものは、いくつも書いてきましたが、ヒロインの相手役である男性陣の作り込みが甘くて、どこか物語の都合が良い物語の登場人物、という感じで書いていた気がします。
でも、今回は一人の人間として、初めから狩野さんや伊勢崎君の事を、どんな人物か深く考えて、試行錯誤して男性陣も魅力的に書けたらいいな……と、努力したつもりです。
だから今回の狩野さんや、伊勢崎君や、米原さんには、今までの作品にない親近感を感じて書けました。少しでも読んでくださった皆さんに、彼らの魅力が伝わったらいいな……と願っております。
最後にもう一度、読んでくださってありがとうございました。
まだ外伝は続きますし、できれば続編も書きたいと思っていますが、ひとまず本編は一度ここで締めるという事で。
斉凛より、読んでくださった皆様に感謝をこめて
外伝は25日0時から公開開始。
週1更新でしばらく続きます。




