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筋力と重さこそ力

ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。


「更に重いメイスだぁ?」


「はい」


私は今、度々お世話になっているテッシン工房に来ています。

以前、ヨロイイノシシと戦った際、身のこなし以外にも感じた事がありまして......それは私の筋力不足です。

今のまま新たにヨロイイノシシと対峙したとしても、痛みを与えるだけで倒す事が私には出来ません。

如何に攻撃を避ける事が出来ても、そこから先が無ければ結果は変わらず、逃げるのみ。

1人で依頼を受ける事が多い都合上、倒せる生物の範囲が広いに越した事はありません。

ならば必要なのは攻撃力......つまり、筋力と武器の重量です。


「以前のコレだって充分に重いぞ?仮に作っても振れんのか?」


「振れるように鍛錬します」


テッシンさんは私の顔を暫く見て、頭を掻きながら溜息を吐きました。


「分かった。どいつを殴るためのメイスだ?」


「ヨロイイノシシです」


「あの毛皮と肉を鈍器でどうにかするってのか!?ちょっと待て、計算する」


「はい」


テッシンさんが奥から加工済みのヨロイイノシシの革と皮紙を持って来て、唸りながらペンを走らせます。


「これなら、何とかなるか」


「どうなりますか?」


「重さは以前の倍だが、素材を変えてるだけで大きさは変わらん。値段はこれぐらいだ」


「......お願いします」


蓄えをいくらか吐き出しますが、その後の利点が勝りますので買います。


「3日後に取りに来てくれ」


「はい」


そうして、街中の依頼をこなしながら3日が経ち、再びテッシン工房に訪れます。


「待ってたぞ、嬢ちゃん。それだ、持ってみろ」


「はい......むっ......」


かなり重いですね。今のままではどうしても大振りになってしまいます。


「一応は片手で持てるか。大したもんだ」


暫くは外の依頼はせず、毎日の素振りを増やしましょう。

自慢ですが、私の肉体は適応力があるので何とかなるはずです。


「ありがとうございます、テッシンさん。こちら料金です」


「おう。あまり無茶するなよ」


「はい」


「ところで、以前のメイスを良かったら売ってくれないか?鋳潰して素材にしたいんだ」


「わかりました。明日、持って来ますね」


「よし!今後ともご贔屓に頼むぜ」


「はい」


バッシュさんぐらいに大きくなれれば良いのですが......神?何ですか?絶対に駄目......はい。

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