表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
緑谷中学吹奏楽部  作者: taki
1
37/272

呼び出し

夏休みが近づく頃、琳太郎と雛形は副校長に呼び出された。

「失礼します」

校長室に入ると、校長と副校長が待ち構えていた。二人とも鬼気迫る顔をしている。

「あれほど言ったのに。吹奏楽部の保護者達が、保護者会を開けと言ってきましたよ」

副校長が切り出した。

「え?」

琳太郎は狐につままれたような気持ちで、副校長の顔を見た。

「部活動の時間が長過ぎるんです。忘れましたか? 中学生が一番やらなくてはならないこと。それは勉強です」

「はい」

琳太郎は借りてきた猫のようにおとなしく返事した。

「各クラスの担任に確認しましたが、吹奏楽部の生徒のほとんどが成績悪くなっています。授業中、寝ている子も増えているとか。部活でしごかれ過ぎて、そうなってしまうんでしょう」

「しごいてなんか…」

琳太郎が反論しようとしたが、雛形が腕を掴んで制した。

「学校側は関与したくありませんが、鳥飼先生だけでは埒が明かないと、クレームも来ています。だから副校長先生にも致し方なく。いいですか、致し方なく、同席していただくことにしました」

校長が厳格な顔つきで言った。

「はい、すいません」

「すいませんじゃありませんよ、まったく! いいですか! 必ず出席するように」

風船のような体型の副校長がキレて、弾け飛んだ。

「はい」

琳太郎と雛形は逃げるように退室した。そのまま職員室に行き、二人で話し合うことにした。

「そんなに遅い時間まで部活やってるつもりはないんですけどね」

琳太郎がこぼした。

「そうですね。夜八時とか九時までやってるならともかく」

雛形は頷きながらお茶を淹れてあげた。

「ありがとうございます、いただきます。これから追い込みかけたいけど、もっと短縮するしかないんすかね」

「ですね。さすがに保護者会となると、私達に言い分なんてないんですよ」

雛形も意気消沈していた。

「あいつらの気持ちを考えると、辛いっすね」

琳太郎は悲しげに言いながら、湯呑みからお茶を一口すすった。

「謝罪会見みたいなもんですよね…」

雛形もお茶をすすりながら、どうやって乗り切るか、必死で頭を回転させていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ