銃士
ここは、何も無い、真っ白な世界。あるのは、黒い棒一本だけ。
そこに、白い棒人間(以下白棒)がいた。片手には、ハンドガンを握っている。
白棒は、退屈そうにハンドガンをもてあそんでいる。
そこに、黒い棒人間(以下黒棒)が突っ込んでいく。
刹那、銃声が鳴り響く。
黒棒は、地に倒れた。白棒が撃ったのだ。
白棒は、ゆっくりと動き出した。その先には、大きな施設があった。といっても、パット見ではただの黒い塊にしか見えないだろうが。
どうやら、さっきの黒棒は施設の見張りをしていたらしい。施設の中から黒棒がたくさん出てきた。武装しているのもいる。
白棒は、嬉しそうに銃を構えた。
パンパンと、ためらいなく発砲し続ける。その度に、黒棒が倒れていく。
だが、あまりに多勢に無勢だった。いくら撃っても次から次へと黒棒が押し寄せてくる。
白棒は、全く焦らずに少しずつ後ろに下がっていく。この平面の世界は闘いに必要なものしかない。多少差はあるものの、少なくともこの世界には自分と相手とステージしかない。つまり、いくら下がってもいい。このまま黒棒を撃ち続けていれば、そのうちいなくなるだろう━━━
その時、白棒は自分の背中に何かがぶつかったように感じた。振り替えると、そこには黒い大きな何かが見えた。
それが壁だと気がつくのに少し時間がかかった。それほどまでに、巨大だったのだ。
後ろには壁、目の前にはたくさんの黒棒、有利に立ち回っていたつもりが、追い込まれてしまった・・・。
白棒は銃を撃ち続けるが、さっきからミスが目立つ。半ば自棄になって乱射しているように見える。
そのとき、銃が一瞬だけわずかに輝いた。
待ってましたとばかりに白棒は銃を軽く叩いた。
『 MACHINE GUN PLEASE 』
鈍い電子音を発しながら、銃はマシンガンに変形した。サイズは、サブマシンガンほどだが。
反動に備え、体制をととのえたあと、向かってくる黒棒にむけて、引き金を引いた。
止まない銃声と、吹き飛ばされていく黒棒たち。
土煙がやんだ頃、立っている黒棒は一人もいなかった。
銃は、役目を終えたかのように元の姿に戻っていた。
そのあと、白棒は施設に歩いていった。普通に。
潜入はものすごく楽だった。見張りの黒棒は一人もいないし、施設の中もたいしていりくんでないため迷う心配がない。
だが、お話はまだ終わっていない。この先、きっと何かがある、と、白棒は考えていた。
白棒は更に先に進んだ・・・。
「銃士」は、もうしばらく続きます。能力もガンガン使っていきたいですね。お楽しみに!