JKと死神
7月1日。
夕方5時。
学校帰り。
汗で前髪は額にべったり。
柵の向こうへ。
目をつぶり体を乗り出した——はずだった。
瞼の向こうから射す夕日が消えた。
目を開けても真っ暗。
音も聞こえない。
えっ
これで
どうなんの?
このまま
なの?
それは
嫌だな
「よう。」
キーーーーーーーーーン。
私の耳元に男の低い声と耳鳴りが響く。
こっちの声は出ない。
「お前、死ぬの一ヶ月早いって。」
姿は見えない。真っ暗のまま。
振り返ようにも首を動かしている感覚がない。
「予定より先に死なれると困るんだよ。こっちにも都合があってさあ。
自分から死ななくたってあと一ヶ月経てば逝けるんだよ。」
なにこれ。死神?
言ってる意味はなんとなく分かるけど。
せっかくならどんな顔してるか見せてよ。ボロ布被って大鎌持ってたりしないの?
「『その時』が来るまでテキトーに生きてな。
じゃあな。」
「チーン。」
エレベーターが一階に着いた音だ。
目を開けると、マンションの屋上ではなくエレベーターの中にいた。ドアが開き、降りる。
すれ違ったオバサンが住人ではなさそうなのになんで制服を着た高校生が?と言っているような目で見てきた。
さっきのは夢じゃない。わかる。
死神が言う通りなら一ヶ月は何しても死ねないってこと?
死神による宣告のことを考えながら早足でマンションを出る。右から宅配のトラックが突っ込んできた。
あっこれ死ぬ
「チーン。」
エレベーターが一階に着いた音だ。
目を開けると、マンションを出てトラックに轢かれそうになってる訳でもなくエレベーターの中にいた。




