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女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。  作者: 大鳳
第二章 勇者パーティー編

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闇の種族

「え……?」

 思わず足を止めたエリスフィーナが声の主の方を見る。そこに居たのは長く美しい銀髪に褐色肌の長身の女性だった。

 横に伸びた長い耳がエリスフィーナと同じ明確なエルフ族としての特徴であり、その褐色の肌は悪魔を崇拝しているとされているダークエルフそのものだった。


ーコッコッコッ……ー


 ヒールの高い靴音を無らしながらダークエルフの女性がエリスフィーナの目の前まで近付いてきた。

「エルフと人間は生きる世界が違うというのに……貴女歳いくつよ?」

 不躾なダークエルフはいきなりエリスフィーナに年齢を尋ねてきた。

「え、あ……じゅ、十六……です」

 あまり歳を聞かれた事も無いエリスフィーナが遠慮がちに答えると

「じゅ、十六ぅ? まだガキじゃないのよ! アンタそれホント? サバ読んでるとかじゃなくて?」

 ダークエルフの女性は取り乱し始めエリスフィーナに年齢を改めて聞き直してきた。また

「え! エリスフィーナさんって十六なの? 私達とほとんど同じじゃない! 私、エルフの人だからてっきりすっごい歳上だと思ってたのに」

 魔術師のメディナからも驚きの声が上がった。エイミー達にはいつだったか軽く話した覚えはあるのだが……

「前にそういう話してなかった? エリスフィーナさん、大体私達と同じ位だって」

「人間換算の話だと思ってて……それにエルフには若く見えても年上の人が多いから気を付けなさいってお母さんが……」

 エイミーのツッコミにメディナは先入観の思い込みであった事を語っている。

「さ、サバ読んでないです……」

 ダークエルフの圧に押されたエリスフィーナは小さな声で答える。長い耳は垂れ下がり自信なさそうに小さくなり始めている。

「そう。じゃあ本当に何も知らないのね。でも時間が経てば分かるわよ。人間達と過ごす虚しさが」

 そう話すとダークエルフの女性はその場から去っていった。そこへ遅れてやってきたのが

「お待たせ〜! ちょっと遅くなっちゃった♪ あれ、何かあった?」

 ガルドリックを連れたメルティーローズが合流してきた。少し元気の無い様子のエリスフィーナに気付いたメルティーローズが声を掛けると

「な、なんでもないです。行きましょう」

 エリスフィーナは努めて明るく振る舞ってみせる。



 雑貨屋を後にしたエリスフィーナ達は改めてドワーフの鍛冶屋へと向かう事にした。

 結局、雑貨屋で購入したのはエイミーの矢筒と矢の束、ヴァイスとクレスのコンビが見つけていたバックラーと呼ばれる小型の取り回しの良い盾。

 最初はヴァイスが使うつもりで見つけてきたらしいがガルドリックの

「小さい盾を買うにしろここじゃ無く鍛冶屋にしよう」

 との意見で棚へ戻してくるてなりかけたところ、神官ソフィーに持ってもらえば防御のアップに繋がるという事になりそのままお買い上げとなったのだった。

 ドワーフの鍛冶屋へ向かう王都の大通り、少し気落ちしながら皆の後に続くエリスフィーナに

「さっきからどーしたの? なんかあった?」


ーポン!ー


「あ……」

 メルティーローズがエリスフィーナの背中を叩きながら話し掛けてきた。

「あの、雑貨屋さんでなんですが……」

 エリスフィーナは見知らぬダークエルフに話し掛けられた一件をメルティーローズに説明した。

「……なんだか今みたいな日常が終わってしまうのが怖くなっちゃいまして……」

 エリスフィーナは物憂げな表情になりまた、落ち込んでしまう。そんな彼女にメルティローズは


ーガシッ!ー


 ヘッドロック気味にエリスフィーナと肩を組むと

「エリィ? 私はエルフの死生観はよく知らないんだけどね……」

と、前置きした上でここで一旦間を挟んだ。そして

「別れが辛いのなんて人間だって一緒なんだよ? 冒険者なんて明日はどうなってるのか分からない仕事なんだし……」

 体制こそヘッドロックなままだがメルティローズの声は何処が優しげだ。

「そのダークエルフの女性も多分……辛い別れを経験して居るんだと思う……でもね、辛い別れだったとしても消化出来ない理由はあるはずなの。何だと思う?」

 メルティローズに尋ねられてもエリスフィーナには辛い別れが忘れられるものなのかどうかすら分からない。だが、メルティローズの話は続く

「それは後悔。過去はどう頑張っても変えられないんだから、私達は日々を後悔しない様に大事に生きていく事しか出来ないの」

「後悔しない様に……」

 メルティローズの言葉を噛み締める様にしてエリスフィーナも呟く。間近に感じる彼女から伝わってくる温かさがエリスフィーナが感じていた漠然とした不安を拭い去っていく感じがした。

「私ね、いずれは大賢者ってのになって賢者の石ってのを作り上げるのが目標なの。賢者の石があれば不老不死になれるって話だし、そうすればずっとエリィと居られるんだから♪」

 どこまで本気かは分からないがメルティローズが自分を元気付けようとしてくれているのは分かったエリスフィーナは

「賢者なら……クレスさんに尋ねられてはどうですか?」

 メルティローズと仲の良いクレスを話題に出してみた。すると

「いやいやいや! あれ自称賢者なんだから! 実際バカだしね? 何の参考にもならないわよ、あんなの!」

 流れる様な罵倒へと移行してしまっていた。そして話が一段落したところでバーティーはドワーフの鍛冶屋の前に到着していたのだった。

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