一章四話 竜の学び舎
季節は冬を乗り越え、コーラルから色々学ぶ生活も数ヶ月が経った。彼女から教えてもらったのは主に二つの分野だ。一つは社会情勢で、もう一つは魔法についてだ。
コーラルは地図を広げて、この星は六個の大陸から構成されており、それぞれの大陸に複数の国家があって、睨みを利かせあっているとのことだ。また、亜人や魔人が構成する国もあって
それぞれの国で種族間の関わり方もちがったものになっているらしい。
魔人とか滅茶苦茶強そうだけど人間は生き残れるのか。
と聞いてみると、人間は人間で勇者や英雄と呼ばれる人智を超える力を得た者達を頼り、力を借りて戦うことで世界の均衡は保たれているんだとか。
ちなみにコーラルについてだが、彼女は世界の創生期から生きている長命な魔法使いでエルフの祖とも云える存在らしい。ただ、生活能力がない。俺はコーラル以外の人とも会ってみたいから、ゆくゆくは旅立って大陸諸国を漫遊し、自分のやりたいことや生きがいを見つけるつもりだ。しかしその話をしたら、従者を呼ぶからそれまでは行かないでくれと泣きつかれた。そうなれば数ヶ月教育してもらった恩義があるから
断る訳にはいかない。それにそんな急ぎの予定でもないしな。別に美少女に懇願されて絆されたわけではない。
本当だよ?
それはまあ置いといて、魔法についてだ。
魔法とは自分のエネルギー、所謂魔力ってやつを放出、操作して都合の良いように一時的に物理法則をねじ曲げたり、自分に都合のよい規則を作ってその通りに狙った事象を
引き起こさせることを言うらしい。
要するに自分の魔力で自分のしたいことを実現するのだ。
その魔法には万人が一般的に使う、元素魔法や精霊魔法、そして個人が創作して使う魔法がある。元素魔法や精霊魔法は一般魔術、それに対して個人の創作魔法を自己流魔術と呼ばれ、その活用方法は千差万別なんだとか。
俺は上位種族である竜で魔力の扱いに長けている
から、全属性あらゆる種類の魔法が扱えるらしい。コーラルはそれを見込んで俺に魔法技術の極意を叩き込んでくれた。
俺が教わったものも初歩的なものらしいがかなり難しい。
だが魔法陣を組み合わせる作業は地味だか中々面白い。
前世で習っていたプログラミングのようでとても楽しいのだ。
色々と指南されているうちに全属性うまく扱えるようになった。いつか自己流魔術も創ってみたいものだ。
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