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プロローグ
はぁ、はぁ、はぁ…。
「おい、やったのか!?」
「知らねえよ、そんなもん。」
息も絶え絶えに、何とか答える。
青年は剣を構えたまま、倒れた竜の方向を見つめている。
その横の中年は、天を仰ぎながら笑い始めた。
「ハッハッハ!これでダメなら俺ら終わりだなあ!」
「笑い事じゃねぇよ。こんな所で死んでたまるか。」
青年の真剣さとは裏腹に、中年は半ばあきらめたような雰囲気だ。
そうこうしているうちに、ズズズっと竜は起き始めた。
「ほら言わんこっちゃねぇ!テメェが諦めても、俺が一人で倒してやるよ!」
青年は剣先を竜に向け、静かに歩み始めた。
その時だった。
ドォン!!!と地面が割れるかと思う程の地響きが聞こえ、中年は即座に飛び起きた。
音の方向を見てみると、巨大なハンマーが竜の頭を潰していた。
「良かった…。助けに来てくれたんだ…。」
背年は震える手から剣を離し、その場にへたり込んだ。
「ったく…。相変わらず諦めの早いヤツなんだよなァ…。」
中年は驚いた顔で、その声の主を見ていた。
「上田…部長…?」
「よォ、早川ァ…。てめェその癖早く直しやがれってんだよ。」
気怠い話し方。聞き覚えのある声。
そこに居たのは、半年前に謎の失踪を遂げていた、上田部長その人であった。




