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夜、ある部屋にて。机を乱暴に叩く音が部屋の中に木霊した。
(まさか、シルハザが……)
ネクロマンサーはシルハザを失った事について悔やんでいた。サラ達一行の力を読みきれなかった自分への怒りと共に。
そのネクロマンサーにとって、シルハザは便利な駒であった。その力もさることながら、"アンデッドでありながら知性を持つ"事がとても有効に働いていたのだ。ただのゾンビやスケルトンなどとは違う、それこそネクロマンサーにとって片腕とも言える程の働きをしてくれていたのがシルハザだった。
そのシルハザが失われた事は、ネクロマンサーにとっては悔やんでも悔やみきれない事ではあった。
加えて、このままではサラ一行がモンテウッドを早々に出て行ってしまうのも問題だった。
ネクロマンサーの当初の目的ではモンテウッドと共に滅びゆく存在だったというのに。
次の方策を考えている時だった。
ネクロマンサーは自室の扉の外に人の気配を感じた。
誰かを誰何したものの応えは無い。ネクロマンサーは慎重に扉を開く。が、すでにそこに人影はなく。
扉から顔を出して左右を確認しても、何も確認できなかった。
気のせいだったのだろうか、と自室に帰ろうとしたネクロマンサーは足元に置いてある"それ"に気づいた。
拾い上げ、それが何かを確認したネクロマンサーは――これを置いた者の狙いを正確に読み取った。
これでまだ計画を進められる、とネクロマンサーは一人暗闇の中でニヤリと笑みを浮かべた。




