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episode10.金と樹ノ暗躍者



ミルディアが、トラッドネスの情報を得られず困って居る頃、

金ノ国の聖域で一人祈りをささげる者が居た。


「あぁ主よ。形無き者よ。私達の創造の意味よ。この世は再び汚れに晒されて居ます。

それを再び、一掃しあの神々達が居た古の時代を迎えるにはどうすれば。この金ノ国の女神クルギナ様を復活させるにはどうすれば・・・。その為ならば、私はどんな贄でも捧げましょう。私が贄でも構いません。」


金で作られた煌びやかな女性の銅像を前に何度も傾きながら、

その像を崇め奉る男のその様は異常だった。

辺りは、薄暗く、けれど、彼を囲む様に地面は円状に網になっており、

その下は灼熱の溶岩が沸々とわいて居た。

だが、男が座って居る所は熱くなく、また、男が焼け死ぬことは無い。

男が座って居るのは、金ノ国のアイットガントレットと言う金ノ国でしか取れない、温度を自動で調節する鉱石で作られた、床なのだった。だが、その溶岩の不気味な色により、

更に男の不気味さが強調される。


それだけでなく、男以外にはその場には誰もいないのにも関わらず、男には何かの声が聞こえているかのように、男はその何者かと会話を続ける。


「あぁぁぁ。そうです。そうですよねぇ。あの者の涙の宝玉を全て奪いもう一度贖罪として、貴方に捧げましょう。

そうすればこの世は清められ貴方様が幽閉された神々達を再び呼び戻す事が出来る。

この世を再び崩壊させ、そして再び再生させる。それが最善の手。

あぁぁ主よ。容無き創造主よ。私はあなたの意思を継ぐ者。この世に再び、混沌と再生を‼」


男はそう言うと、不気味に微笑みながら、再びその像にひれ伏すのだった。


--------


この木の家に来て2日経った。

静咲さんはあれから会いに来ない。

まぁ、それもそうだ、だって頻繁に会う間柄でもないわけだし。

でも、もしかして、私を匿ったせいで、罰を受けてたりしてないよね。


そう思いながら、星のない深い瑠璃色の空を見上げるミルディア。

しかし、突然、後ろに嫌な気配を感じ急いでそれを回避するために、

窓から外へと飛び降り、辺りを確認する。


それにしても、この服、とても綺麗だけど、動き辛い。


ミルディアはそう思いながらも、辺りの警戒は緩める事無く続ける。

だが、気配はあっても、見えない。


逃げるべきなのだろうか。

いや、でも、今逃げてしまえば、仕留められる気がする。


〝動くと死ぬ〟


頭にその一言が過った。


すると、真下の自分の影から、少しだけ気配を感じ、よけようとするが、時すでに遅く、足を掴まれてしまうミルディア。


「しまっ。」

ミルディアが言葉を言い終える前に、ミルディアの顔に金の面が被せられる。


何⁉これ・・・。前も見えない。

息も・・・。

何か・・・。何か武器になる物。

そう思いながら暴れるが、どうやら一人では無いらしく、あれよあれよと、動きを封じられる。


まずい。

意識が・・・。


ミルディアは、結局成す術も無く、そのまま連れ去られてしまい、残すは、開け放たれた窓と、荒れ果てた庭だけだった。



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