第2章 一難去ってまた一難
さて、改めて第2章のスタートです。
今回は二日に1回程度の更新予定です。
どうぞ最後までおつきあいください。
さて、あの婚約破棄騒動から数時間後。
気持ち的には数週間経ったような気がしているが。
私、アイリス・バーロウは困っていた。
いや、絶賛大ピンチ中である!
あの婚約破棄騒動により王城のダンスホールは混乱していたが、わずかな時間で少し落ち着きを取り戻しはじめた。
私は騒動を無事に収めた、とゆーより利用してご満悦な性格ドブ川王太子殿下に乙女7つの秘密必殺技の1つ「小さな呪い」をかけていた。
そんな時に、本人から声がかかった。
「アイリス、今度は何をやってるんだい?」
ニヤニヤとこちらだけにしか見えないように気を使いながら近寄る悪魔。
「いいえ?少々疲れてしまって、そろそろ陛下のご前を辞するところですわ」
あぶねー、必殺「小さな呪い」がバレたら何を言われることか。
「そうか、疲れたなら今夜は王宮に泊まったらどうだい?」
「いっ、いいえ、結構ですわ。今ごろ家の者も心配していると思いますので」
なんてことを言い出すのだ、この暗黒王子は。まさに乙女のピンチ!
何としてでも帰らなくては。
「そうか、確かに侯爵家の者たちも心配しているか」
む?珍しく物分かりがいい。
「とはいえ、すまないがお父君はお借りするよ?この状態で新宰相にまで帰られたのでは今後の方針が決められない。王城の馬車を用意させるから、そちらで先に帰宅してくれ」
「かしこまりました」
私は王太子殿下に貴族令嬢らしく一礼しその場を逃げ出そうとした。
その時。
「ところでアイリス、必殺「小さな呪い」って何だい?」
背中を冷汗が伝っていく。
「何のことでしょう、ほほほ」
「必死にごまかそうとしているところ申し訳ないけど、王族に呪いはダメだろう?小さいとか付けても」
王太子殿下の金色の瞳に見つめられる。
「目を泳がせて口笛を吹いてないできちんと説明しなさい!」
この後しっかり説明させられた、くそぅ。
そう、乙女7つの秘密必殺技の1つ「小さな呪い」とは心身ともに特に影響はないがちょっと困る程度のことを起こす呪いである。
今回は毎朝靴下をはいた後に足がかゆくなり靴下を脱がなくてはならない呪いをチョイスした。
婚約破棄騒動などに巻き込まれた報復としては寛大な方だろう。
むしろ感謝して欲しい。
変な顔をしている王太子殿下に改めて一礼してその場を立ち去る私。
後ろの方で殿下の「えげつないな」という声が聞こえた気がするが気にしない。
気にしないったら気にしない。
「えげつねぇなぁ、アンタお貴族様だろうが!」
おや?何でしょう、この南デセックヒヒマンドリルのような男は。
「誰が南デセックヒヒマンドリルだ!だいたいアンタ誘拐されてんだぞ?わかってんのか?」
ちょっと臭そうな南デセックヒヒマンドリルに似た男が怒鳴ってくる。
そう、私は王家の馬車で王城を出て、あのドブ川王太子殿下の魔の手から逃げたはずなのに、そのまま別の何者かに誘拐されたのである。
そう、絶賛大ピンチ中である!
久々の第2章はいかがでしたでしょうか?
誤字脱字ありましたらお教えください。
まずは再度ご覧いただき、心から御礼申し上げます!




