断罪?婚約破棄?
初ファンタジーです。
頑張って最後まで書きますんでよろしくお願いします。
全4話 毎日21時更新です。
最終話まで予約投稿してますので、どうか最後までお付き合いください。
優雅な音楽。きらびやかなシャンデリア。ダンスのターンのたびに花開く淑女のスカート。
そして、華やかな王城のダンスパーティーに響く愚か者の怒声。
「アイリス・バーロウ、貴様は王太子殿下の婚約者という立場を利用し、聖女レティシア様を虐げてきた。証言もある。おとなしく罪を認め王太子殿下の婚約者を辞退せよ!」
王城で開催された王家主催のダンスパーティーが始まって早々、王太子殿下の婚約者である私アイリス・バーロウ侯爵令嬢を呼び捨てにして指をさす騎士団長子息。
大声を出した騎士団長子息の周りには王太子殿下の側近候補数名と現宰相デロウ伯爵の養女になった元男爵家のレティシア。
そしてその一番後ろにだらしなく金ぴか豪華な服をよれよれに着崩し、髪はぼさぼさで目も見えず、ただボーっとしているシベリウス王太子殿下。
周囲の貴族たちもこちらを注目している。
しかし、騒ぎを起こしているのが王太子殿下とその側近候補、聖女とあっては、巻き込まれないよう距離は保つしかない。一方で興味津々という顔でこっちを見ている者もいるのだが。
私が王太子殿下の婚約者になったのは8年前、殿下が10歳、私が8歳の時だ。
当時宰相であった父と国王陛下が相談して決まった、いわば王命。
側妃様の子で政治的基盤が弱いうえ当時からボーっとしている王太子殿下。王妃様の子で私と同じ年の第二王子殿下はとても優秀であったため、国王争いの混乱を防ぐという名目で私が婚約者になったのだ。
だが今や混乱を防ぐための婚約も優秀な第二王子を推す者や王太子殿下を利用するべく画策する者たちの争いにより意味のないものとなっていた。
それでも国を守るために父は懸命であったが、そういったものの画策により冤罪をかけられる企みがあると情報が入り宰相を辞していた。
なぜか後釜には王太子利用派のデロウ伯爵が就いたのは意味が分からないと貴族の間でも話題になった。
陛下は何をお考えなのかと。
「おい、聞いているのか。答えよ!」
王家主催のパーティーを台無しにした騎士団長子息がダンスホールの中央で大声を張り上げている。
「家格の下の者が公の場で侯爵家の私に大声を張り上げるなど無礼にも程があるわね」
あくまで優雅に自慢の銀髪を必要以上に揺らすことなく振り返り、口元を扇で隠しながら騎士団長子息を見る。私の紅い瞳に見据えられて一瞬たじろいた様だがすぐにまた声を張り上げる。
「だまれ!こちらの王太子殿下、聖女様が聞いているのだ!貴様が聖女様に暴言を吐き、手下の女どもをけしかけたのは分かっているのだ!」
「アイリス様、今からでも遅くありません。本当のことを話して謝ってください!」
鈴のような声で可愛らしくレティシア、今はデロウ伯爵令嬢が声を上げる。
「わたし、謝ってくれたら許しますから」
頭が痛くなってきた。
この距離間0娘は貴族学院において男性であれば婚約者がいてもお構いなしに接していたのだ。そのせいでこじれた縁談は数多く。
多くの令嬢から相談を受け、やむを得ず私が「婚約者のいる男性とみだりに接してはなりません」と苦言を呈することになったのだ。
「そんな、ひどい!人と仲良くすることがいけないだなんて!」などと明後日の方へ逃げていくので全く無駄になったのだが。
王太子殿下の側近候補達はレティシアを囲んで「レティは優しいな」などと愛称呼びでデレデレしている。頭お花畑か。王太子殿下はその後ろでボーっとしてるし。
「アイリス様も反省が必要なのでは?相手は聖女様ですぞ?」
声まで嫌味な現宰相デロウ伯爵がブックリと膨れた腹を揺らしながら近づいてきた。
父はあたり前のように国王陛下のお側にいてこちらを見ているだけ。
どうしましょう?王太子殿下の婚約者の座などいらない。むしろお譲りしたいくらいなのだが。しかし婚約はあくまで王命で決められたもの。私が勝手に判断していいことではない。何より後が面倒になるのは分かっている。
「ふむ、私からも良いかの?」
そんな時、王太子殿下が場違いにのんびりと側近候補たちに声をかけた。
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