前世と今世
「『今世』の僕には弟がいる。父にも僕にも似てないけど母似の美形君だ。」
前世の事は、小学校のイントラネットの大障害の時から思い出していった。
知らないはずの知識が、ぶわっと湧き出してきた。同時に、とてつもない頭痛に襲われてその時は顔を真っ青にしていた僕に先生が驚いていた。結局、僕自身もよく分からないまま、復旧作業に参加していた
「イクト君・・・それはいったい何してるの・・・?」
「コマンドプロンプトからDHCPで配布されたIPとかサブネットマスクとか見てますIPが配られてないな・・・LINKは上がってる。通信も出来ていそう。点滅もしてる先生!集約側のスイッチってどこです?」
「ゲーム機なんてないぞ?」
「oh...スイッチングハブの事です。このケーブルがいっぱい刺さってる機器です。」
「アッそれなら○○先生の机の下にあるかも!」
その先生の机の下にあったスイッチを見てすぐ原因が分かったその瞬間自然と大きな舌打ちが出てしまった。
周りの先生たちがぎょっとしていた。いままでの僕だったら絶対にしないことだったから。
「原因これですね。」
「壊れてるの?」
「○先生、このケーブル、片側がぶらぶらしていて邪魔だと思って空いてるところに刺しませんでしたか?
「LANケーブルで一番やっちゃいけない配線ですこれをしてしまうと同じ回線共有しているすべての機器が通信できなくなります。ネットワークに疎い方がよくやる典型的な奴です。」
「イクト君まだパソコンの授業とかまだだよね?何でこんなに詳しいのかな?」
「え・・・・・????????」
「え???わからないです・・・・・」
そこから僕は完全に混乱してしまって気が付いた時には保健室で寝込んでいた。前世』という言葉が、すっと自分の中に収まった
目が覚めた僕に気が付いた先生が衣を揺らしながら近づいてきたる。おでこに手を置いて
「うん!熱も下がったね!」
「凄いねぇ!原因突き止めちゃったんだって?先生も困ってたのよ~『でも、人生に疲れた社会人みたいな顔してたのが気になりますって担任の』先生言ってたのよ?今のところいつもの元気な生久人君みたいだけど。」
「一応お家の方には連絡したから」
「兄ちゃん、だいじょうぶー?」
まだ低学年の弟、斗真が様子を見に来たようだ。
「あら、斗真君。もう少しでお母さんが来るからね~」
「「え゛……! お母さん呼んだの……?」」
きれいにハモった。
するすと高回転まで吹け上が聞きなれたる野太いエンジン音とともにタイヤのスキール音が聞こえてきた。
「「うわ来た。」」
またハモった
次は全力で走って来て他の先生に注意されて正気に戻って肩で息をしながら何食わぬ回顔で入ってくるまでセット・・・。
タッタッタッタ(あっイ生久人君のおかあさーんろうかはあるあるいてくださーーーい!)
声は遠いけどやっぱり言われてる・・・・
ガラガラッ
扉があくと生きの上がった母さん澄ました顔で立ってた。
「イクトハァ・・・ハァ・・・・大丈夫なの?」
ほらね?
「母さんせめて道交法は守って安全運転で来てください。」
「よく知ってるね~生久人君。お母さま、本日はイクト君も一度熱が出たということで連れて帰っていただいて。様子を見て下さい。」
室内を三見渡すとテーブルの上には自分のランドセルが乗っていた。
ふと斗真の方を見る。
帰っちゃうの?と言いたげな不安そうな顔が見えるこういう時は黙ってハグだ。全く・・・我が弟ながら世話焼ける。いっつも僕の後ろをついてきて姿が見えなくなると不安そうにする。幼いときはギャン泣きだったなぁ。何時か兄離れするのかなぁ。
それはそれで寂しいかもしれない。
僕たち兄弟は学校の休み時間になると大人しく過ごしている。けがなんてした時にはああやって母さんが突撃してくるからだ。それ避けたい。母さんの免許が心配だ。授業等で顔面にぼーるをくっらったときには般若の形相だ・・・それ以来「同級生からはボール遊びを誘われなくなった。」別に好きじゃないからいいんだけど。剣道で使う面のようなものの着用が義務化されてしまった。案外斗真は受け入れてるみたいだけど少々複雑そうな顔をしている。斗真は母を男の子にしたらこんな顔だろうというような顔をしている。父さん遺伝子はどこに行ったんだろう。
もっと両親の遺伝子が迷子なのは僕だ。どちらも似てない。髪色もを構成する顔要素も瞳の色さえもふと父さんが隠れて読んでた郵便物をそのときはなんて書いてあるか分らなかったけどDNA鑑定書って書いてあったかな・・・さすが他の部分は全く思い出せなかったけど父さんが安心したような顔をしてたから多分父子か関係100%とでも書いてあったんだろう。うん?なんでこんなこと分かるんだろう?
いいや今日は昼寝でもしよう。
夢を見た。
黒いスポーツカー。
クラッチを踏み、スタートボタンを押す。
エンジンがかかり、メーターの液晶に「BRZ」の文字が浮かぶ。
シフトノブを動かすと、車は走り出した。
理由は分からない。けれど、これは前の僕で、この車は僕の宝物だった。それだけは分かった。
「前世」という言葉が、すっと自分の中に収まった。
それからも、同じ夢を見続けた。
夢を見るたび、僕は少しずつ、前世の自分を思い出していくことになる。
その結果一週間後、僕は父におねだりしていた。
「お父さん!!! サーバー買って! 中古でいいから!」
前世 restore/merge done.




