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 吉田たちと別れ、次に加藤は校長室へ向かう。加藤はGGに入団した時から、校長のところへ行こうと考えていた。もう校長の手先として働くことはできない。だから校長のもとへ任務から離れることを伝えなければならない。

 校長室に直接行ってみる。幸い、まだ校長はいた。

「加藤君。やあどうだね。君はずいぶんよく働いてくれるね。おかげでGGも悪さができなくなってるみたいだ。君には本当に感謝しているよ」

「そのことなのですが校長、今日でGGの活動を妨害するのを辞めます」

 校長は目を丸くし、黙っている。内心の驚きを押し殺すのに必死なのだ。

「まあ、話そうじゃないか。とりあえず。何があったのかね?」

「実はこのたび文芸部に入りまして。放課後は文芸部で過ごすのでもうGGの相手はできないんです」

「ああ、なるほど。しかし何も、そんな常に働く必要はないんだ。手の空いたときなどに時折巡回する程度でいいんだ。何も文芸部だってそう毎日活動しているわけでもあるまい」

「いいえ、ぼくはもうすっかり文学の虜となってしまったのです。ぼくは文芸部の活動にすべてを捧げたいのです」

「うーん、そうか。うん。そういうことなら、いいだろう」

「すいません」

「いやいや、わたしとしても君の勉学の邪魔をしているのではないかと不安に思っていたのだ。別に謝る必要はない。で、辞めるかわりといってはなんだが、一つ証言をしてほしくてね」

「証言?」

「君も、GGの活動を妨害しているうちになんどか、問題行動を目にしたはずだ。それを教えてほしい。問題行動っていうのは例えば、暴力をふるったりとか、壁に落書きをしたりとか。犯罪行為に近ければなおいい。とにかく君の証言があれば、GGに参加していた生徒全員、停学ないし退学にできるだろう」

 それはまずい。吉田を退学させるわけにはいかない。

「問題行動は、見てませんね」

「見てない? じゃ探してきてくれ」

「いや、たぶんこれからもしないんじゃないんですかね」

「しないんじゃ困るんだよ。何かしたという事実を探してきてもらわないと、彼らを止められないじゃないか。なんのために君に金を払ったと思っている? ちゃんと払った分の働きはしてくれ」

「ですからもう働きたくないんです」

「証言もせず、GGはほったらかしでそのまま辞めたいと?」

「まあ」

「じゃ、君がたぬき仮面だったってこと、ばらしちゃおうかな」

 加藤は驚愕する。

「全校集会で君の名前を取り上げて、停学処分にしてやる」

「そんな、無茶苦茶な」

 停学などになれば吉田に会えなくなる。しかしそれよりももっとまずいのは、自分がたぬき仮面であると吉田にばれることである。吉田がたぬき仮面をめちゃくちゃ嫌っていることを加藤は知っている。

「それがいやならGGをつぶすのに協力しなさい。いいかね、君がたぬきの仮面をとれるのはGGをつぶしたときだけだからね」

 これはとんでもないことになったぞ、と加藤は思う。

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