表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
1/4

雑メモ、その1

ドラァグクイーン勇者、魔王にアポとる



気付いたら岩に刺さった剣の前にいた。

「選ばれし勇者よ、待っていたぞ。我はエクスカリバー・ジュニア。さあ、我を抜きボフーンと共に魔王を倒せ」

剣の柄にグッと手をかけた。スルリと抜けたそれは青く輝く。でも、ジュニア?


と、地面が揺れて盛り上がった。


「いやー、助かったよ。そのトゲ抜けなくて痒くて痒くて腫れちゃってさ」


勇者はいつの間にか巨大な謎生物の背にいた。勝手に喋り続ける。


「お礼に魔王のところに連れてくよ」

「うむ、早速世界は救われたな」


トゲ扱いはいいのかよ。

なんだか分からないが、山を超え川を超え、海の上を走り……もう景色が分からないスピードに。


「着いたよ。まったねー!」

いかにもな城で降ろされ、不安過ぎる。

「我がいれば問題ない。一振りで真っ二つだ」

EJエクスカリバー・ジュニアが自信満々に急かす。

やたらでかい門の前には誰もいない。開けようとしたが、開かない。壊すのか?

『アポはお取りですか?』

門がしゃべりだした。魔物?なのか?

「いえ」

「どちらにご要件ですか」

「えっと……魔王を」

「討伐でございますね。予約しておきますか?」

やけに慣れている。勇者ってそんなにいるのか?それとも何度も討伐に?

「あ、えーと」

「ご予約されないのですか」

「ちょっと色々待ってくれない?」

「では、改めてお越しください」


勇者、ぴゅーんと飛ばされ、ハジメテノ村にたどり着く


「村長!紅き衣をまといし者が空から!」

「古き言い伝えは誠であったか……」

小豆色の上下ジャージはポリエステル性&若干の摩耗により光沢を帯びていた。その手に携えられるは伝説のエクスカリバーっぽい。間違いない。

「勇者さま!我らをお助け下さい!」

さすがに困惑する勇者にEJは語りける。

「我の力を解放する時が来た」

さっき真っ二つとか言ってて役に立たなかったガラクタ剣がドヤ気味だ。

「おまえ、本当にエクスカリバーなの?ジュニアってなんだよ」


しばしの沈黙の後、EJはぽつりとつぶやいた。


「エクスカリバーは我の推し。憧れからその名にジュニアを付けている」

「ハンネかよ!」

「いかにも。我の本来の名はホワイトファンキーソウルブレードだ」

「神聖なのがアップ系なのかどっちかにしろよ」

「強そうであろう?ああ、エクスカリバーに会ってみたい!」


自称EJに頭を抱える勇者。と言うか俺ってホントに勇者なの?

ハンネという言葉は村人にも通じた。気まずい空気が流れる。


「エクスカリバーは城にございます」


村長が指さす方角には本当に城があった。

推しが近い!と興奮するEJをとりあえずなだめた勇者?は徒歩30分圏内の王都の道を10分で通り抜け、カツウラ城へゆく。


アポなしでも王にあっさりと地下聖堂へ連れて行かれる。自らじゃなくていいのに、勇者?のジャージにワクワク顔だ。


「あ、抜けた」


EJ並にあっさりと。勇者?は嫌な予感からエクスカリバー的剣に名前を聞く。


「俺はエクスカリバー・ネオ」

「まさか…ハンネ」

「おう!話がわかるな。エクスカリバーは推しでさ。会ってみたいなぁ」

「分かるぞ同志よ!」

「え?おまえも?」


ガラクタが2本になった。

が、王いわくどちらの剣にも神聖な力が宿っていて、威力は通常の3倍らしい。


「使ったことはないがな。抜けただけでそなたは選ばれし勇者だろう」

「そういうもんなのか…」

「試しに使ってみてはどうだ?」


ワクワク顔の王。何だこの人。とりあえず勇者はEJとENエクスカリバー・ネオをその場でブン振った



ずがーーーーん



城と徒歩40分先の村が消え去り、麦畑が綺麗に収穫され、山は真っ二つになった。

なにこれすげぇ!妙に器用なところが。何より、なんだかスカッとした。

ちなみに人や家畜などは無傷だ。2本の配慮らしい。


「この力…3倍所ではない……」


荒野に唖然と佇む王の城内の人々が集まる。


「俺らの力を引き出せるやつなんて勇者しかいねーよ」

「うむ。さあ旅立つぞ」


盛り上がる剣2本。爽快感に浸る勇者。

王は厳かに命じる。


「世界を救いし勇者に命ずる。損壊した城から村の復興がそなたの最初の偉業となろう」


かくして勇者は世界……の前に借金返済に奔走することとなる。



---


微妙な視線に晒され馬車もないまま辿り着いた次の街。所持金は少ないが情報収集は酒場がセオリー。


「よう、にいちゃん。可愛い面してんなぉ。そんなんじゃパフパフもまだだろ?」

「ぱ、パフパフ?!」

「お?知ってんのか?」

「名前だけ!つ、連れてってください!憧れなんです」


推しとかそういうのではない。純粋に世界観への憧れだ。この世界にはパフパフがある。なんて素晴らしいんだ!


連れて行かれた館でガラス張り部屋に通される。ミニスカ美女達が見えるギリギリのラインを保ち丁寧に礼をして迎えてくれた。ガラスに映るギリギリが気になる。


「あらぁ初めてなの?優しくしなきゃね♡」


椅子に腰掛ける


パフパフ


良い香りがする


パフパフ


柔らかい物が頬をポンポンする


パフパフ


粉でクシャミが出た


パフパフ


「可愛い顔だから映えるわぁ」

さっきから気になってたけど……低い声を高くしているような。

チラッと見ると立派な喉仏。


「着替え終わり!なんて素敵なの!!!」


勇者は女装させられた。魅力値300上昇。


「あなた、素質……いいえ才能があるわ!私たちの仲間にならない?」


仲間……わけのわからない世界に来て初めてそんな言葉をかけられた。鏡の前でターンしてみる。ふわっと広がるスカートに気分が上がった。


「今日からあなたは、レディ・ユウシャよ」


こうして、勇者改めユウシャは、ドラァグクイーンに目覚め、各地のギルドでモンスター討伐をして復興金を稼ぎながら、ドラァグクイーン大会に出場する。魅力はどんどん上がり、導かれし者たちにも会えた。



クイーン達は美を大切にしてる

どんな戦闘でも走らずモンローウォーク

華麗なターン

特別な力はないが、男並みの筋力はあるので重いもの持てるし、そこそこ強い

努力で磨くのは、美しさを伴う強さ

ユウシャが持ってるスマホ(WiFi、充電常にMAX。電話料金請求なし)は一部のYouTubeのみ繋がる

みんな、勇者がスマホ操作してても違和感持たない(気にしちゃいけない)

バレエやダンスを覚えた


「フォーメーション、白鳥の湖!」

「行くわよ、黒蝶オデットの32ターン!」

「……だ、ダメ。アタシもう。回れない」

「諦めちゃダメよ、レディ・ミランダ」

「レディ・ユウシャ……」

「ここはアタシが食い止めるわ!」

「レディ・アーーーーーーーン!」

「フランス……バンザイ……」


レディ・アンの勇士はあの歌劇団に輝くオスカルのようだった。


エクスカリバーを探す旅

F的なゲームのように土のエクスカリバーに出会う。その間、エクスカリバーの推し剣達増えてる。

土、水、風、火、木の5本を揃えると、月への道が開ける。ちなみに魔王は魔界だ。


──吹っ飛ばしてしまった城の国王のカツラを求めて


月のカツラの欠片を探し、Fなゲーム的グロいボスを倒し、輝く月のカツラを完成させる。


「あ、わすれてた」


スマホを取り出したユウシャは魔王城門に教えられた番号に電話し、アポを取る。


「ついに来たわね……」

「ダサい城だわ……」

 

※注意※

魔王は何もしてないし、ダサい城に引きこもってるだけ。

誰も困ってない。EJとENが世界平和とか魔王討伐のロマンで勇者煽ってるだけ。


 


泣きどころ①ユウシャ、前世思い出す

「アタシ……全然美しくなかったの……」


醜いではなく、生き様そのものの話。朧気に思い出す卑屈だった自分。


「死んでたのはビックリしたけど、レディ達の過去なんてそんなものよ」

「姐さん……」

「どんなことがあっても顔を上げるの。だけど、顎は下げるのよ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ