第31話 新作ゲームをプレイ
いよいよ、新作のスマホゲームをプレイするコーナーとなった。
俺たちは、ステージへと登壇する。
観客は200人ほどだが、このイベントは公式のチャンネルで生配信されている。
視聴者数は2万人を超えていた。
ゲームイベントでこの数字なら、かなり多い方だと言えるだろう。
「それでは、実際にゲームをプレイする所をお見せしようと思います」
司会進行を務めるアナウンサーが流暢に口にする。
「今回は、プロホプルの世界大会優勝者Takamoriさんと日本大会優勝者、夏目莉央さんをお招きしました。プロゲーマーのお2人にスタートファンタジーをプレイして頂きます」
アナウンサーがそう言うと、会場の大画面にゲーム画面が映し出される。
「じゃあ、始めます」
俺と莉央はスマホ画面を操作する。
今回はこのプレイ用に組まれたパーティらしい。
「なるほど、ここで攻撃を選択していくのか」
「これ、面白いかもね」
いつもは殺伐としたゲームをやっている為、たまにはこういう緩めのゲームも楽しいものである。
「相性もあるのか。俺が、こいつをやるから、莉央はそっちを頼む」
「了解」
莉央と俺は協力してステージをクリアしていく。
【飲み込み早すぎだろ】
【世界一と日本一は何やらせても上手いのかよ】
【2人の連携が凄い】
【このゲーム早くプレイしてみたい!!】
配信上ではそんなコメントがずっと流れている。
「次がボス戦かぁ」
「だね」
ここまでは順調に進んでいた。
「よっしゃ、やりますか」
流石にボスは強く設定されている。
通常のステージとは訳が違うようだ。
「これ、どの技がいいのかな?」
莉央がスマホの画面を俺に見せて聞いてくる。
「俺だったら、これだな」
俺は相手と相性が一番いい技を指刺した。
「なるほど。確かにそうかも……」
莉央は納得したような表情を浮かべていた。
「さて、もう少しだな」
ボスの体力は残り三分の一くらいまで減っていた。
こっちの体力はまだ半分は残っている。
「これ、次のターンで行けるね」
「ああ、そうだな」
俺たちは次のターンで勝利できることを確信していた。
「よし! やったな」
「うん! 勝てたね!!」
莉央がまるで天使のような微笑みを浮かべていた。
「高校生プロゲーマーチームが見事ステージをクリアしました!! さすがと言うべきでしょう!!」
アナウンサーの声で、会場は更なる盛り上がりを見せた。
【本当に初見なのかよ!】
【このゲームすげーやりたい】
【スマホゲームなら手軽でいいよね】
それは俺と莉央を称賛する声だった。
会場はその盛り上がりを保ったまま、俺たちの出番は終了するのであった。
お読みいただきありがとうございます。
『面白い』『続きが気になる』という方は☆☆☆☆☆での評価やブクマへの登録をお願いします。
皆さんの応援がこの作品の力になります!!
執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。




