レポート選手交代! マクナの必殺技!?
ちょっと短めです!
「おはようですわー」
「おはようっ!」
「……」
ずいぶんと、二人は元気そうだ。
俺はというと、昨日の恥ずかしさで今すぐ帰宅して引きこもりたい。
ユキナ…… 忘れてくれ……。
「おはよ、マクナくん。昨日は嬉しかったよ?」
忘れてなかったよ…… まあ、仕方ないか。
「ふふ、話はユキナさんから聞きましたわ。マクナくん、頑張って勇気出しましたね」
羽咲様にも筒抜けのようだ。
「……」
「ふふっ、黙ってても分かるんだから! 地の文はお見通しよっ!」
くそ、地の文が読めるのか……
ん、待てよ? あ、閃いた。
「 」
「あー、えっと、それはさすがに分からないよ……」
そうか、ふふ。
「ぐぬう、対策されたか……」
「本当ですわ。空欄読みも身につけないとですわ」
ひとまず、俺の空欄セリフは、意外に役立ちそうだ。
なんてったって、なんでも筒抜けじゃ、恥ずかしくて生きてけない。
「あら? いつも何か企んでいらして?」
「いや、そうじゃないから……」
最低限の地の文は、主人公として果たさねばな……。
国際ホテルを出て、上諏訪駅まで来た。
「あずさ号がいますわー」
「いますねえ」
「ああ、ちょっとあずさ号の車内に忘れ物とりに行っていい?」
「冗談でも言ってはいけないことですわー」
「ダメだよっ!」
もはや、このセリフを聞きたいが為に、聞いたようなもんだ。なんか、安心する。
もちろん、お尻が痛いので、乗るって言うのも大歓迎だが。
「マクナくん? でも、鈍行旅には、もっと大事な理由があるよ?」
「理由……?」
「そう、大学レポートのこと、覚えてるよね?」
「あ、ああ…… そういえば、鈍行旅のレポートだったな」
「あら? まさかマクナくん、ユキナさんのことで頭がいっぱいで、忘れていらして?」
羽咲様がニヤリと笑って俺を見る。
「いや、ただ…… そうではなくですね」
「はいはい、いいですわ。マクナくんは、もう少し力を抜いた方がいいですわー」
「……」
「今週のレポートは、わたくしが首席にかけて、全力で書いておりますわ。だから、存分にユキナさんと幸せになってくださいね」
「……ありがとうございます」
そうだな…… ちょっと、ユキナのこと考えすぎだったな……。
よし、このままでは主人公として情けない。
「俺今日から、先輩の荷物持ちます」
「だめですわっ! マクナくんは、情け無いのが普通ですわ!」
「だーめ、主人公なら大人しく、私に甘えなさい!」
むすっとする羽咲先輩。
むすっとするユキナ。
ボロボロに言われた俺……
「 」
「逃げた」
「逃げましたわ」
空欄…… 便利だなあ……。
「レポートに書きますわよ?」
「それは勘弁してください」
ありがとうございました!




