表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
座敷牢の花嫁  作者: 豆狸
狐ルート

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/31

24・○○○神

「もうっ」


 あなたと太郎が結婚して五年の月日が流れた。

 実家の家族も実体化した守り神を受け入れたので、犬はあなたと太郎の新居で飼われている。

 動物アレルギーは治っているので、なんの問題もない。


 あなたと太郎は子どもにも恵まれていた。

 それが目の前にいる小太郎である。

 マンションの居間で、幼い彼は子ども用のハサミを手に俯いている。


「お母さんが見てないときにハサミ使っちゃ駄目って言ったよね? 危ないでしょ? それに守り神様のドッグフードの袋開けちゃ駄目でしょ。守り神様はあればあるだけ食べちゃうんだから。ほら!」


 あなたは小太郎を庇うように立っている守り神を指差した。


「ご飯以外に小太郎君がドッグフード開けてあげたから、こんなに丸くなっちゃって」

「あんまり小太郎を叱らないで欲しいのよ。思わず貢ぎたくなるほど可愛い(ワラワ)が悪いのよ」

「ん」


 小太郎は守り神の言葉に頷く。


「可愛いから、丸くしゅる」

「「え?」」


 あなたと守り神の声が揃った。小太郎は繰り返す。


「丸くしゅる」


 息子はボールが好きだった。

 大好きなボールがおしゃべりしてくれたら、どんなに楽しいことだろう。

 そう思ったのかもしれない。


「そっかー。丸くするんだ」

「ん」

「それはそれとして、危ないからハサミはしまおうね。お母さんにちょうだい」

「ん」

「良い子だねー」

「ちょ、ちょっと待つのよ。愛し子ってば(ワラワ)を丸くするのは止めないのかしら?」

「ハサミは戻してくれたから、良いかな、って。普通の犬だと太り過ぎは良くないけど、実体のない守り神様なら丸くなっても大丈夫でしょ? それによく考えたら、『MA』『MO』『RI』神様が『MA』『RU』『I』神様になってもあんまり変わらないかと思って……」

「KA・NA・RI変わるのよー!」


 後ろのソファに座る太郎は、雄叫びを上げる『MA』『RU』『I』神様を見つめながらひとりごちた。


「……丸い丸くない以前に神様が飼われてはるのはええねんやろか?」


 その呟きに答えるものは、だれもいない。


【MA・RU・I神エンド】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ