嫌ですわっ!許しませんわっ!!
そしてマオは自分が消えるのがこの場合は一番相応しいと言うではないか。
「適任ってなんですの?何でマオじゃなければならないんですの?」
何でわたくしからマオを奪うんですの?
もし神様という存在がいたのならばわたくしはきっと殴り込みに行くであろう。
「き、きっと探せば他に何かマオが助かる方法があるかもしれませんわっ!!マオも────」
「シャルロット、残り時間を無駄にはしたくないんだ」
「────うぅっ………わ、分かりましたわ」
そして何か方法が他にもあるかもしれないと動き出そうとしたその時、マオが真剣な表情と声で時間が無い事を告げて来る。
その姿を見て、本当はパニックになって叫び散らしながらマオが助かる方法を今すぐ探しに行きたい衝動をぐっと堪え、目に浮かぶ涙をはしたなくも子供の様に腕で拭うと覚悟を決める。
本当は嫌だと叫びたかったし、覚悟なんかしたくなかったのだが、それよりもわたくしがここでわがままを言ってマオを困らせ、マオの最期を迎えてしまう事の方がわたくしは嫌だと思った。
それにわたくしはまだマオに自分の気持ちを伝えていないのである。
自分の気持ちを伝える事が出来なかったのならばきっとわたくしは間違いなく死ぬまで今日の事を後悔するであろうし、自分で自分が許せなくなるだろう。
「その前に、わたくしの今の想いをマオに聞いて頂きたいですわ」
そしてわたくしはマオの答えを聞く前に、人生で初めての接吻を、マオの唇を奪う。
女性からなんてはしたないとか、最早どうでもいい。
わたくしはマオとの思い出が欲しかったし、これでわたくしの気持ちもより一層真実味を持って伝える事ができる。
「わたくしは、マオの事をお慕い申しておりますわ」
「ああ、知ってる。流石にあれ程毎回アピールされては分からない方がどうかしている」
「な、ななななっ!?いったいわたくしがどれほど悩み苦労して来たかっ!分からないとは言わせませんわよっ!!」
最後の最後に明かされた真実になんだかマオらしいなぁ、と思ってしまう。
「まぁ、ここに召喚されてから現状を把握していくにつれて最後はこうなるであろうとある程度は予測出来ていたしな。変に期待させてしまったり、傷つけてしまうよりかは気付かない振りをして誤魔化す方が良いと思ったからな」
そう言っていつもの様にわたくしの頭を撫でてくれるのだが、ここでわたくしの涙腺は崩壊してダムが決壊したかのように涙があふれて来る。
最後は泣き顔を見せず、普段通りでいようと努めていたのだが、やはり無理なものは無理だ。
それでもわたくしは、態度だけはくしゃくしゃになりそうな感情を必死に耐え凌ぎ、普段通りを心がける。
「きぃいいいっ!!許しませんわよっ!!」
「おお、怖い怖い。申し訳ないと思っている。だから泣かないでくれ」
「嫌ですわっ!許しませんわっ!!そしてマオが居た事は忘れませんわっ!!」




