近所の姪
「何を言ってんだか。そんな事を気にしたって仕方ないだろうに」
「でも気になる事は気にまりますわ。そしてわたくしは一度気になるとそれが解明するまで三日三晩は悩んでしまいますの」
「何だそりゃ。長いようで短い期間だよなそれ。実は遠回しにどうでも良いと言われている気がするんだが、気のせいか?」
本当、これだから唐変木はと言いたい。
一度乙女心についてみっちり教えてやる必要があるかも知れないと本気で思ってしまう。
「き、気のせいですわっ!私がどれ程気にしているのか分かってらっしゃらないからそんな適当な事が言えますのよっ!」
「ほう。因みにどれ程気になっているんだ?」
「そ、それはそのー、あれですわ。魔王と対峙した時も魔王よりもマオの魅力的な異性の性格はどんな娘であろうかと気になってしまう程には気になっておりましてよっ!」
これは最早告白では無いのか、と思うのだが、最早これくらいの事ではわたくしの想いが伝わらない事など立証済みである。
「そりゃ大変だ」
「そう、そうなんですのっ!大変でしてよっ!」
そしてわたくしとマオはそんな甘酸っぱい様なそうでも無い様な会話をしながら進んでいくのだが、後ろを振り向けば私達の命を狙いに来た魔獣達の死体が数多く転がっていた。
討伐した魔獣一体でも丸々ギルドに出せば五年は遊んで暮らせる程の価値がある魔獣達ばかりで、魔獣の価値観が狂ってしまいそうである。
「そっか、そうだな。ご主人様がしっかりと魔王と対峙してもら話ないといけないしな」
「そ、それでマオの好みの異性の性格はどんな性格なんですの?」
「そうだな、飾らない性格が良いな、とは思うぞ」
「飾らない性格?」
「ああ。自分を隠さずありのままを出していたりする娘が好きだな。勿論TPOや常識の範囲内での話だがな。静かにしなければならないにも関わらず大声を出すとかは嫌だな。そういうのでは無くて男だからとか女だからとかで萎縮せず、ありのままに自分を出してくれる人だとこっちも遠慮せずに接する事ができて一緒にいて楽だなとは思うしな。だからそんな男だからとか女だからとか考えずにやりたい様に魔獣を討伐してこい」
「あうあう」
そう言うとマオはわたくしの頭を乱暴に撫でて来る。
どうやら全てお見通しだったらしく、物凄く恥ずかしい。
そして何よりも気にくわないのが、マオの態度がまるで『色づき始めた十歳前後になる近所の姪』を相手にしているかの様な態度で接して来るマオの態度である。




