大立ち回り
そして、その強さは規格外らしく、どれ程の強さであるかというと自称魔王軍四天王だの、自称魔王軍軍師だの、自称魔王軍魔術師長だの、自称〇〇という肩書の魔族たちですらちぎっては投げ、ちぎっては投げちぎっては投げの大立ち回りの大活躍(とわたくしは思っている)である。
最早わたくし一人でも魔王討伐ができたのでは?と思える程の力量の差に思わず調子に乗りかけてマオの目の前で足を躓きこけそうになったところを腕をマオに掴まれてマオの胸板に吸い込まれる様にして助けられ、わたくしは一瞬躊躇したものの理性など一瞬にして欲望に吹き飛ばされてしまいその勢いのままマオの胸板に飛び込み、マオの香りを堪能する。
そして私は自らの過ちに気付かされる。
何で女性であるわたくしが好きな異性の目の前で魔獣や魔族達をちぎっては投げちぎっては投げの大立ち回りをしているのか。
ここは本来であればか弱く、風が吹けば折れてしまいそうな程細い身体のわたくしである。
マオに守ってもらいながら王城の中を進んでいくのが正解であったのではないか。
少なくとも好意を寄せる男性に守られるという光景は小さい頃の、まだカイザル殿下と婚約する前のわたくしの憧れの光景の一つではなかったのか。
それをまるでわたくしはオークの雌型もかくやという活躍では下手すれば、いや、下手しなくても男性に引かれてしまうのではないか。
それはわたくしが憧れた光景と真逆の光景であり見ようによってはわたくしが男性であるマオを守っている様にも見えてしまうだろう。
確かに、わたくしは前々からばぁばから『女子力が足りない』と言われながら育って来た。
このわたくしを捕まえて何をと当時は思っていたのだが、恐らくこういう部分を言っていたのだと今になって思い知らされるとは誰が想像できようか。
思わず強くなった実感が得られるのが嬉しくてついやりすぎちゃいましたでは済まされない大失態である。
「どうしたんだ?いきなりしおらしくなって?」
「マオはその………やはり女性らしい女性の方が異性として好きですの?」
そんな落ち込んでしまったわたくしを気にかけてマオが話しかけてくれる。
そういう気遣いができるところもわたくしがマオの好きな所の人るである。
だ、なんて事いえる訳もなく、しかしながらこの唐変木のマオに少しでもわたくしの気持ちを分かって欲しくて、尚且つわたくしの実益にもなるような質問をしてみる。
ここまで言えばもう告白に近い行為であると思うのだが、いかせんマオである為やはり気付いていない事が彼の表情から窺え、少しだけ残念な気持ちになってしまう。




