纏め役
現在帝国の帝城、その中にある庭で今回王国に現れた魔王討伐の為に召集された帝国が誇る高ランクの冒険者、そして帝国軍の強者が集まっていた。
その中で見るからに賊の様な格好に身の丈二メートルはありそうな大柄な身体、そしてその身体程の大きさの大剣を背負っている無精髭を生やした大男が集まっているメンバーを見回すとつまらないとばかりに呟く。
因みに以前召集された時は皇帝陛下曰く五年ぶりでありワイバーン亜種討伐時の時だそうだ。
そう考えると五年経ってもあまりメンバーが変わらないと言うのは層が薄いのか、それとも今いるメンバーが強すぎるのかその両方か。
「しかしよくよく見れば新しい顔が二人程いるのだが何だこれは?二人ともモヤシみたいな身体をしている上にもう一人は女ではないか」
「あら、女性だと何か不便な事があるのかしら?それに身体の線が細いから弱いという考え、未だにその様な考えをしているあなたにこそ私はがっかりさせられましたわ。魔術師という可能性は筋肉で出来ている貴方の脳みそでは考える事ができないようですね」
そんな大男が俺とシャルロットを見つめて更に不機嫌そうな表情をすると、次いで妖艶な格好でパイプをふかしている大人な女性が大男へと喧嘩腰に噛みつくではないか。
口ぶりからしてこの二人は以前から馬が合っていなかったみたいなのだが、それを皇帝やその他貴族達が知らない訳も無いだろう事を考えるに場の空気が悪くなり士気が下が可能性を考慮しても尚この二人は必要であると思わざるを得ない位の実力者であるという事であろう。
頼もしい限りではあるのだがその火の粉がこちらに飛んで来ない事を祈る。
「止めんか二人とも。みっともない」
そしてそんな二人を白いひげを蓄え、代わりに髪の毛は無くなってしまっている老人が止めに入ると今にも取っ組み合いを始めそうな雰囲気を醸し出していた二人はピタッと止まるではないか。
この事からこの老人が恐らく纏め役でもありこの中で一番強い存在であろうと推測する。
しかしこの老人、どこかで見たような気がするのですけれども、どこで見たのかいまいち思い出せないのだが、思い出せないという事はその程度の記憶なのかもしれない。
「今はそんなどうでも良い事よりもどう魔王を討伐するかを考える時であろう。お主ら二人のいざこざに時間を使っている余裕はないわい。のう、魔族の兄ちゃんよ」
そう老人が言った瞬間俺の周りから人が消え、代わりに強い殺気が複数当てられるのが分かる。
「魔族であるお主が何故ここにおるのか話してはくれんかの?、皇帝陛下殿。まさか魔族と分からず召集した訳でもあるまい」




