恋という名前が確かにしっかりと刻み込まれたのであった
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そして気が済むまで泣いたあとわたくしは裏庭でマオと二人っきりになっていた。
というのもマオ本体の持続時間を正確に測る為と何ができて出来ないかを確かめる為である。
時間に限りがある上に一日一回だけと回数制限がある為できるだけ有意義に使いたい。
使いたいのだがわたくしはただ、マオの美しさに惚けていた。
ドラゴンの美しさも目を見張るものがあったのだがやはり人形は別格である。
身体を着飾る装飾品もさることながら溢れ出る気品、美し過ぎる顔の造形美、恐らく肉体美も一級品であろう事が衣服の上からでも分かってしまう。
まるで人が美を追求して作ったと言われても思わず納得出来そうな程である。
「何を惚けている?時間は有限だぞ。どんな魔術やスキルを使っても失った時間は帰ってこない」
「そ、そうですわね」
そしてわたくしはマオの指摘によりかぶりを振り余計な考えを頭から出す。
まずは今現在マオのストレージというとんでもないスキルを使ってその中に保存されている装備品で装備できるものとそうで無いものの検証をする。
まるでわたくしは着せ替え人形にさせられた様であった。
装備品の検証の後はわたくしに今現在覚える事ができるスキルと魔術を全て付与させられた。
一体全体どんな能力が有ればスキルや魔術を他人へと付与するなどというそんなふざけた事が出来るのか不思議でたまらない。
こんな能力者が一人でも王国に現れたら、間違い無く周辺諸国の勢力図がひっくり返ってしまうであろう事が窺える。
そんなこんなで半刻みっちりと実験を済まし、恐らくマオが本来の姿でいられるのもあと数十秒であろう。
そしてわたくしは丸太を短く切って立てただけの椅子で休憩しているマオの姿を目に焼き付ける様に見ていた。
マオを見ると何故かわたくしの胸の鼓動は不規則に鼓動し始め顔が熱くなる。
マオがわたくしを、コレから始まるであろう長い地獄から助け出してくれたのだ。
他でもない、マオがその力で、その知恵で、わたくしを助けてくれたのだ。
マオ程の者であればわたくしと契約する必要などなかったであろう。
単なる小娘の戯言だと鼻で笑い飛ばす事もできたであろう。
でも、マオはそれをしなかった。
マオが美しいとかもうそんな事などどうでも良い。
わたくしは、マオがマオであれば間違い無く同じ様に鼓動は不規則になりこの胸の痛みを感じてしまうであろうと言い切れる自信がある。
わたくしにとっては他の誰でもない、姿形など関係ない、魔族だろうとドラゴンであろうと関係ない。
わたくしは、わたくしの物語に出てくる王子様はマオが良い。
マオでなければ嫌だ。
そう思った時、わたくしは気付くと同時に胸の痛みに恋という名前が確かにしっかりと刻み込まれたのであった。
出会ったばかり?それがどうしたと言うのだ。
わたくしは誰が何と言おうとマオが好きなのだ。
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