正真正銘のまごう事なき
そんなどうでもいい人達の、どうでもいい言葉よりも、ようやっとマオを召喚出来るという興奮の前では霞んでしまうのも仕方の無い事であろう。
そしてわたくしは召喚術式を聖女メアリーの様に大空へと展開する。
「おいおい、聖女メアリーの真似事したら余計に恥をかくだけだぞ?シャルロット。そんなに大きな召喚術式を展開したところで良くてカラスか何かであろう?」
「みっともないですよ、シャルロットさん。負けた時は素直に認めないと」
カイザル殿下と聖女メアリーに続く様に他の生徒達もわたくしの事を嘲笑してくるのだが構うものか。
他人を馬鹿にして見下してくる様な奴らの言葉なんかよりもマオの「俺がどうにかしてやる」という言葉の方が比べられないくらいに信用出来る。
そしてわたくしは一気に魔力を加え、ついに巨大な魔法陣から何者かが出始めてくる。
その者が召喚術式により展開された魔法陣から少しづつその巨軀が出て来る度に初めこそ嘲笑していた周囲はいつのまにかわたくしを嘲笑うのを辞めて全員魔法陣から出てくるその何者かに釘付けとなっていた。
「お呼びでしょうか?ご主人様?御命令が有れば仰って下さい」
「いえ、ただの授業で貴方を召喚する必要があっただけでこれといって何かして欲しい事がある訳でもございませんわ」
◆
今日この日、国王陛下である我は魔術学園へと足を運んでいた。
というのも今日行われる召喚術の授業であの聖女メアリーが召喚術を披露するというでは無いか。
その話を聞いて我は溜まった仕事を丸投げにして城を出るとすぐさま魔術学園へと馬車を走らせた。
はっきり言って興奮を抑える事ができない。
亜種と言えども竜種であるワイバーン、しかも純白の巨軀を持つと言うでは無いか。
それは何がなんでも見なければならない。
王城に呼び寄せる手配をしていたのだがいかせんお役所仕事は事が起きるまでに時間がかかり過ぎる。
聖女メアリーが純白のワイバーンを召喚して約一年。
契約しているとは言え腐っても竜種である。
万が一暴れた時を考えて、ワイバーンが暴れても安全な空間を作らない限りは聖女メアリーを呼び寄せて目の前でワイバーンを召喚する事は出来ないと言われてあの日から一年間、我はずっとヤキモキしていたのである。
コレでやっと念願かなって見れる。
安全対策など学生がしていないのに我がする筈がなかろうて。
そして我ははやる気持ち抑えながら召喚術式の授業をしている場所へと向かう。
「お、おおおっ!う、美しい………」
そして我はついに純白のワイバーンを目視する事ができた。
なんと美しいのであろうか。
思わずその美しさからため息が溢れてしまうのだが、我は違和感を覚える。
生徒の皆純白のワイバーンではなく一様に上を見上げているからである。
そして、生徒に習い上を見上げると、我は言葉を失った。
そこには鱗の代わりの白金に光り輝く羽毛を生やした真っ白な、ワイバーンなどでは無い、正真正銘のまごう事なきドラゴンがそこにいたからであった。
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