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戦争編5

 子供の頃特撮怪獣の図鑑を読んだことはないでしょうか?

 某怪獣王だったり光の巨人だったりとかの図鑑です。

 そこには怪獣の図解等があったりして、こんな風に書いてありました。


 火炎袋から炎を吹き出すぞ!とか、胃から強酸性の液体を吐き出すぞ!とか、そんな感じです。


 これは実に正しい。

 火炎袋があるから炎を出せるのです。胃があるから酸を作れるのです。

 実に正論です。正しい。


 では、魔力とは何処から?


 この世界の生命は皆、大なり小なり魔力を持っています。

 しかし、何処を探しても魔力を生み出していそうな器官は見つかりません。

 そもそも人間と魚で、人間と鳥で、凡ゆる生命とで共通の器官が見つかるなんて事は有り得ません。


 では、魔力とは何処から?


 答えは魂から。


 魂から漏れ出すエネルギー、これが魔力の正体です。


 そして人間や一部の魔物が使う魔術とはこのエネルギーを精神に刻み込まれた術式と言う名前の回路に流す事で発現する事象なのです。


 例えるなら魂は発電機で、魔力は電気、術式とは家電製品でしょうか?


 しかし、これは非常に無駄が多いのです。


 先程の例えで言えば、お湯を沸かすとしましょう。

 発電機でタービンを回して電気を作り、ケーブルで電気を送り、電気ケトルで水を温めるのです。


 お湯を沸かすだけでどれだけ多くの手間がかかっているのか。

 勿論、安全性や利便性、多人数への普及等多くのメリットはありますが、それでもお湯を沸かすだけでどれだけ遠回りしているのかと言う話です。


 結局のところ、何が言いたいかと言いますと、これは魔術も同じで、手から炎を出して物を燃やす、風を起こして対象を吹き飛ばす、これらの事を行う過程でどれだけ無駄なプロセスがある事か?その過程でどれだけ無駄なエネルギーが消費されていることか?


 言い換えるのなら、最も効率的な魔術とは、最も強力な術式とは何か?


 答えは簡単で、初めから燃え盛っていれば良い、荒れ狂っていれば良い。

 それだけです。







 私達4人が廃棄された砦に着いてから2日後、ようやく敵軍がやって来ました。

 今現在私達は砦の1番上の階層の部屋に隠れています。


「な、なぁ。本当に大丈夫なのかよ?」


 クロム君が震えながら尋ねてきます。

 戦場を経験して多少はたくましくなった彼ですが迫る大軍の恐怖に震えています。

 彼だけでなく他の2人も恐怖に引き攣った顔をしています。

 確かに、4万人の足音は怖いですよね。地面も心なしか揺れています。

 一応万が一の場合に備えて砦の裏手に逃げ出す準備はしてありますがそれだけです。


「大丈夫大丈夫、全然余裕ですよ」


 しかし私は恐怖等おくびにも出さず手をヒラヒラと振ります。


「それよりも私はこんな所まで来てくれたヴァネッサさんの方が気になりますね?そんなに私のことを信頼してくれているなんて、とても嬉しいですよ」


 そう言ってハグをしようとしたら避けられてしまいました。解せぬ。


「違う。私はただ貴女の手の内を見る為に来ただけ」


 そう言って距離をとりますが


「つまり、それって私が死なないと信頼しているって事ですよね?いや〜、とっても嬉しいですよ」


 そう言ってハグしようと追いかけ回します。


「あー、姐さん。そろそろ敵さんが見えてきたんですが、準備はいいんですかい?」


 ヴァネッサさんと追いかけっこをしている私にアーサーさんが話しかけてきます。


「おや、もうそんな近くまで?それでは行きますか」


 そう言って私は屋上に向かって歩き出します。

 その過程で少しだけ説明を


「前もって言っておいた様に、大半は私が片付けますので残敵の排除をお願いしますね?」


 そう言えば


「今更なんですが本当に大丈夫なんですかい?」


 アーサーさんが心配そうにきいてきます。


「大丈夫大丈夫、貴方の勘を信じてください。さて着きましたよ」


 話してる内に屋上に着きました。

 屋上には本来なら投石用の台だったり弓を撃つ為の場所だったりと色々ありますが、それらは無視して一番端っこまで行きます。


「それではさっさと始めますか」


 そう言って私はポケットから指輪を取り出し指にはめます。

 指輪は大きな黒い宝石が付いている以外は普通の指輪です。

 しかし、私が指輪を取り出した瞬間他の3人は私から、と言うか指輪から距離をとりました。本能がそうさせたのでしょうね。


「そのまま離れていてくださいね。間違っても私の前に出ないでくださいね」


 次に両の手の平を合わせて印相を作ります。合掌の状態から人差し指と薬指を折り仏教で言うところの馬口印と言う印相を作ります。

 本来術式名を唱えて指輪に魔力を流せば術は発動するのでこの印相を作る必要はないのですが、私はこの指輪を常に肌身離さず持っていまして、寝ている時も身につけているものですから、寝言でうっかり術式名を呟いてしまったりしたら目も当てられない事になるのでセイフティの為に設定しました。


「さて、それでは」


 眼下に迫った敵を見据え狙いを定めます。ターゲットはどうしようかな?まぁ誰でもいいか。


「恨みはらさでおくべきか」


 指輪に魔力を流し、いや、魔石に閉じ込めた魂を解き放ちます。


「術式解放 サラ アップル」


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