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過去編8


「いがあぁぁぁ!」


 全身にはしる激痛で目を覚ます。


「イダッ、イイィィィ‼︎」


 なんだ!ナンだ?何が起きてる‼︎

 手の平を見ると粘土細工の様にこねくり回っている。手だけじゃない。顔に手を当てると顔をグニグニと動いているのが分かる。もしかしなくても全身がこうなっている?


 あまりの痛みに地面を転げ回り痛みに耐える。訳が分からない。何が起きている?私に何が起こっているんだ!


「けふっ、けふっ、かふっ」


 それからしばらくすると痛みが引いてきた。全身が粘土になってしまった様なあの感触もなくなった。

 地面にうつ伏せになり呼吸を整える。

 何が起きているんだ?


 仰向けになり、何が起きているのか?1つづつ自分の記憶を振り返る。

 ダンジョンに来て、モンスターと戦って、オーガが出て、オオカミ型のモンスターに噛まれて、そして……


「そうだ‼︎」


 そうだ!私は‼︎

 慌てて自分の体を見る。


「何だ?これ?」


 自分の体を見ると真っ白なローブを着ている。肩まわりには返り血がベッタリ付いているが元は綺麗な白だったのだろうと思える。

 何だ?コレ?こんな服着た覚えもなければ、買った覚えもない。


 訳が分からないが他には何かないかと周囲を見回す。

 オーガは相変わらず拘束されたままだ。拘束を解かれていないことから大した時間が経っていないことが分かる。おそらく、気を失ってから直ぐに起きたのだろう。

 他にはモンスターの死体や3人組と私の死体が転がっている。私の死体は綺麗に首から上がなくこれは即死だな、……って


「はぁ‼︎」


 何で!何だ?いやいや。先ずはこの死体が何の死体かの確認だ。私の死体なわけがない!

 慌てて私の服を着た死体に駆け寄る。荷物を漁ると全部私が持ってきたものだ。私の胸元にはホクロがある。服を剥ぎ、胸元を露出させる。そこには記憶と同じ位置にホクロがあった。

 更に、胸には先ほどのモンスターに噛まれた傷がある。

 

 私はもう一度自分の服装を見る。さっきは分からなかったが間違いない。コレはアリシアさんの服装だ。

 周囲を見回してみるがアリシアさんの死体は無い。


 落ちている剣を拾い刀身に写る自分を見る。


「私だ」


 私が2人いる。何故?私が複数いる?


 余りにも非現実的すぎてパニックになっていた思考が冷静さを取り戻してくる。


 誰かのイタズラ?無い、有り得ない。態々ダンジョンの中まで来て偽の死体を用意して服まで着せ替えた?やる意味も理由も無い。


 それでは一体……?


 ゆっくりと最後の記憶を思い返してみる。私は死にかけ、アリシアさんに魔術を使い、そして


「まさか……」


 有り得るのか、そんな事?だが、そうだとしたら……

 徐々に心拍数が上がっている。自分が興奮しているのが分かる。

 私が思い付いた仮説はこうだ


 最後に聞いた音、アレは圧力に耐え切れなくなった私の魂が砕けた音では無いのか?

 砕け散った魂は魔力と共に魔術に乗ってアリシアさんの中に流し込まれた。

 そして、私の魔術によって全ての情報を消されて真っさらな状態になっていたアリシアさんの魂に私の魂の情報が流し込まれ、アリシアさんの魂を使い私の魂を再構築したのではないか?

 私が起き上がった激痛と全身がこねくり回される不快感、あれは肉体が魂に引っ張られて魂の形に肉体が再構築されたのではないか?


 と言うものだ。


 まだ仮説の段階だ。実際の所は分からない。だが、もし本当にそうだとしたら!


「生きられる!100年でも200年でも‼︎」


 そうだ、定期的に若い娘を見繕い、古くなった肉体を捨て若い肉体に魂を移し替えれば何年だって生きられる!

 戦争や貧困で身売りする若い娘など幾らでもいる。新しい身体の確保には困らない。


「やった、やった!」


 手探り状態だった延命方法に答えが見えた‼︎今回は偶々、偶然出来ただけのものだ。だが、コレを魔術として完成させれば100年後まで生きられる。


 そうと決まれば先ずやる事は。私はさっきまで自分だった死体から衣服を剥ぎ取っていく。そうして逆に今自分が着ている服を死体に着せていく。そうして服装の交換をし、着替え終わると、私はさっきまで自分だったモノに向き合う。


「ありがとう私。貴女のお陰で未来が見えた。これからはアンリ ジャオは私が続けていく!だから、貴女はそこで、アリシア シェーンとして死んでください‼︎」


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