表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
階段の司書室  作者: いす
84/84

行方不明

84話目です

誤字・脱字があったら申し訳ありません

「雹!」

いつもとは違いバタンッと、授業中の学校全体に響くぐらいの音が司書室の扉から発する。

慌てた様子の遠はソファでしょんぼりと座る雹に急いで駆け寄る。

「……………」

「だ…大丈夫…?」

「うん…」

「よ、良かったぁ…。体育の途中で消えたって言うから慌てて…」

「ごめん…なさい…」

昼が過ぎて少し、先生から長距離走の途中で雹の行方が途絶えた、と言われ急いで駆けつけたのだ。

しかし、ここにこうして彼女はいる。

良かったとしか言えない。

「何処…行ってたの?」

「分からない…ずっと走って…ハッとしたら…何処か」

「…雹が体育に出るなんて珍しいね」

彼女の体力の少なさは周りも、そして雹本人も知っている。

なのに、どうしてだろう。

と、雹が一冊の本を手に持った。

「読んでた本が…そういうので走りたくなった…」

「ほんとに走った?」

「二十歩ぐらい走ったら…バテた…」

「だよね」

「辛かった…」

そのバテたせいで周りが見えなくなってしまったのだろう。

そう言うことがあって、あらぬ方向に進んでいったのかもしれない。

「でも、ならどうやってここまで帰ってきたの?先生が見つけてくれた?」

雹は首を横に振る。

「ううん…この子…」

「…あ」

最近、同じように行方を眩ましていたにゃんこを彼女は抱き寄せる。

「この子…私に飛び付いてきて…で、そのお陰でハッとしたの…」

「にゃー」

「そ、それで帰ってきたの?」

「うん…付いていったら学校…」

にゃんこの頭を雹はポフポフと小さく撫でる。

嬉しそうな鳴き声が聞こえた。

「はぁ…まぁとりあえず、事件とか事故とか起きなくて良かったよ…」

「ごめんなさい…」

小さく頭を下げた。

心の荷が降りた気がして、息が漏れる。

「これから周りを見て、ちゃんと気を付ける?」

「うん…」

雹が近くの本を手にとって、自分の背中にそれを隠した。

「……………」

「大丈夫…!」

「じゃあ…その今後ろに隠した本は?」

「……………」

「なんなの」

隠した本をこちらに控えめに見せる。

その本のタイトルは…

「や…山登り…です…」

「ダメです!」

「あ~あ…返してぇ~…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ