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階段の司書室  作者: いす
47/84

仲直り

47話目です

誤字・脱字があったら申し訳ありません

相も変わらず話しかけても何をしても返してくれないお怒り状態の彼女。

ただただ隣を歩いているだけなのに、こんなに気まずくなる日が来るなんて考えてもいなかった。

いつもはもっと心地よく、楽しい帰り道だったはずなのに、どうしてこんな辛くなってしまったのだろうか。

いっそのこと、俺のことなんか無視をしてそのまま帰ってくれるのならまだ良かったのに、優しい彼女はちゃんと毎日待ってくれている。

だが、それがより俺を追い詰めてくる。

「…………」

「……………」

「あー…なぁ」

「………」

無言でそっぽを向かれる。

より心が傷ついていく。

何か無いのか…何かこう…彼女を満足させられる…。

そんなことを考えていると、水族館のことが頭に湧いてくる。

…水族館…確かそろそろ春なんちゃらが終わる頃のはず。

そして丁度、明日からは休日。

誘うのならタイミングとしては今日。

…意を決して話しかける。

「な、なぁ、そういや前に言ってた水族館…。そろそろイベントが終わるんだよな?」

「えぇ」

「…行ってみないか?仲直りも兼ねて……あの、行ってみませんか?」

「……………」

一言返してくれただけで、その後は変わらなくて、彼女のあの笑顔は見られない。

それどころか、何か耐えているような姿が見られる。

彼女の体重事情はここまで触れてはいけないものだったのか…。

後悔が襲ってくる。

「…そうだよな。すまん。やっぱやめよう」

そう、諦めようとすると…

「どうして諦めるんですか!!」

彼女が大声で言って、迫ってきた。

「…?」

「何故後一回!もう一回誘ってくれないんですか!ワタシ行く気マンマンでしたよ!その日の服どうしよっかな~♪なんて陽気に考えてたんですよ!?」

「え…いやでも、お前なんか嫌そうにしてたし、何か怒り的なの耐えてたじゃん…」

「違います!ユキからのお誘いでにやけそうになってたんです!…あっ、ちょっと待ってください。その事言ったら何かすっごくにやけそうに…えへへ~♪」

彼女の口角が上がり、あの笑顔とは少し違うが嬉しそうな顔が見られる。

「え、じゃあなに怒ってなかったの?」

「えぇ、あの日の翌日ぐらいからワタシ怒ってませんでしたよ?」

「マジで…」

「マジです」

「じゃあなんであんな風に…えぇ…」

今までの気まずさが彼女の嘘だったと言われると、辛いものがある。

色々と謝り方を考えてたのに…。

「いやぁ、ユキがどんな感じになるのかなぁ。って、最初は気になってやってたんですけど、途中で止め時が分からなくなったんですよね。何か、言ったら怒られそうで」

「怒る気力なんてない…はぁ。あー疲れたぁ」

「…あのもしかして、ワタシと話せないのが寂しかったりしました?」

「……別に」

「寂しかったんですね?んふふ~♪ユキったら~♪」

彼女が嬉しそうに身を寄せてくる。

「水族館無しな」

「あっごめんなさい!冗談です!水族館無しは止めてください!」

暗い雰囲気も消え、さっきまでが嘘のようにいつも通りへと戻っていく。

…彼女の体重にはもう触れないようにと、心に決めた。

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