死の天使、覚醒
あれから一週間が経った。
私は支配人について調べたが、特に有力な情報は無かった。
私は一つの決断をした。
「三咲さん…私、二人を探しにいきます」
「だぁめ」
この会話はもう何度目になることか。
「でも」
「でもじゃないよ、莉亜瑠」
この人が私を莉亜瑠と呼ぶのは、真面目な話のときだけ。
「もう、一週間も経ったんですよ。もし、二人に何かあったら……!」
頼むから、行かせて。
「大丈夫。ああ見えても強いんだよ」
言い様のない不安が、胸を覆う。
「…はい」
私はパソコンに向き直る。
ふと、今更新された情報を見る。
私は目を見開いた。
「う…そ……」
無かったことにしたかった。
違うって、否定したかった。
嘘だって、拒否したかった。
でも、目の前に現実は突きつけられて。
そこに表示されたのは…紅葉と穂露の、死亡ニュースだった。
支配人に、殺された。
あの時、二人を行かせていなければ。
あの時、脅してでも止めておけば。
こんなことには、ならなかったのに。
「どしたの?りあちゃん」
三咲は私に声をかけた。
「こ…れ…」
信じられない。信じたくない。
今すぐにでも帰ってきて、ただいまって言って欲しい。
生きていれば、それでいいから。
「穂露と…紅葉が…?」
三咲も、私と同じく呆然とした。
現実味なんてこれっぽっちも湧かない。
私は拳銃と短剣をとって、立ち上がる。
「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる」
支配人への憎悪が、私の胸を黒く塗り潰す。
私の中にいる死の天使が、そうだ殺せと狂笑する。
「三咲さんはここにいてください。貴方まで失いたくない」
初めからこうすればよかったんだ。
「あははははっ、ははっ、あははははははははっ!!」
私は狂ったように笑う。
「死の天使に喧嘩売ったらどうなるか…見せてやる」
私が私じゃないみたいだ。
身体が殺せと命じる。
奴を殺せ。殺してしまえ。
────言われなくてもそうしてやる。
「駄目だ…莉亜瑠」
消え入りそうな三咲の声。
私はそれを無視して、扉を開く。
「待ってろよ────支配人」
低い声でそう告げた。
とはいえ、当てなどない。
だが、解る。奴が何処にいるのか。
そこに自然と足が向く。
日本刀と、短剣。拳銃に、長剣。
それだけで足りる。
これは復讐?
違う。自己満足に浸りたいだけ。
そしてまだ────信じられないだけ。
でもね、何が何でもアイツは殺す。
アイツに地獄を見せてやる。
胸中の黒い感情に突き動かされる。
それでいい。私は、私の大事な人を奪った奴を許さない。
例えそれが、誰であろうと。
「首を洗って待ってろよ───!」




