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陛下、寵愛なんて望んでません。  作者: 犬村汐里


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第17話

 肖然と帝と共に住処になる建物に入る。



(本当に帝ついてきた……)



 ついてきた帝が興味津々といった様子で建物の中を見て回る。



「外後宮は後宮のように細かな位はありません。しかし、大まかに上級、中級、下級と分かれることになります。志明さまは上級寵臣です」


「上級ですか。他に何人いるのですか?」


「上級は志明さまの他に1人、中級が7人、下級には12人いらっしゃいます」



 後宮にいる姉、麗霞は中級妃だ。


(俺が上級?)


 俺はふと帝の方を見た。



「なぜ俺が上級なんですか?」


「家柄だ」


「……では、なぜ姉は正二品なのですか?」


「それは後宮を管理するものが判断しております」



 肖然が口を挟む。


 なんとも言えない胸のつかえを感じたが、俺はそれ以上詮索しなかった。



(いや、それよりも……)



 俺は肖然の袖を軽く引っ張り、顔を寄せて耳元で囁く。



「思ってたより側室多いですね」



 そう言うと、肖然が微妙な顔をして微笑む。


 顔を寄せたまま、俺に小声で「はい」と言った。


 帝がこの光景が不満らしく、わざとらしく咳き込むと、肖然は襟を正して少し距離を取ってこちらを見た。



「基本的に下級は平民出身のものです。中級になると身分の高いものになります。それか、身分は低いけれど帝のお気に入りであれば中級になりえます。上級は、身分の高いもので、帝のお気に召した方です」


「なるほど」



 俺は“帝のお気に入り”らしい。



 嬉しさはないが、そういう理由で位が決まるのであれば、外後宮での立場はあまりいいものにはならないだろう。


 後宮と同じようにいろんな感情、そして策略が渦巻く場所であれば、だが。


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