第69話【side メイナード】 焦り
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拙作ですが、よろしくお願いします(#^.^#)
数時間前まで、なかなかログイン出来ず、少し焦りました。
本日の更新を諦めよとしていたら、何とかログインできました。
運営さま、エンジニアさま、本当にお疲れ様です。
俺はメイナード・ドルーニア。
ルッツとハンシェミント国に来て三週間あまり経つ。だが、リアの情報が全く無い。
三日前に俺はこの国に正式な訪問として扱われた。もうそろそろ、この国の王族に挨拶をしに行かなければならないのだが、その前にリアを見つけられたらと思っていた。
俺はリアに……エミーリア・レグルス伯爵令嬢には幼い頃から恋心を持っていた。婚約者がいたリアだったが、卒業前に婚約者から婚約破棄をされ、俺は卒業パーティーの直後に父、ドルーニア国王にエミーリア・レグルス伯爵令嬢との婚約の申し込みをすることの許可を願い出て、許可をもらった。
その翌日にリアに婚約の申し込みに行ったが、彼女とは会えず。ルッツの調べで、彼女がこの国に来ているようだと突き止めてくれたが、それらしい令嬢が、どこを捜しても見つからなかった。
街の人に、黒髪に紫の瞳の女性を見かけなかったかと聞けば、殆どの人が、同じことを言った。
「黒髪に紫の瞳? そんな方がうろつくわけがないだろう」
俺はそう聞くたびに眉間に皺が寄る。皆が口を揃えて、そう言い、そして不審者でも見るような目でこちらを見た。
「本当にリアは、ここに居るのだろうか?」
ルッツを疑うつもりはないが、これだけ捜してもいない。
「それなら、国に帰って頂いても良いですよ。私だけで捜しても問題ないと思います」
ルッツはことある事に俺を国に返したがる。まあ、外国でフラフラしている一国の王子を護衛するのも大変なんだろう。だが、リアを見つけるなら俺が見つけたい。それに、人任せでリアを捜し見つけたところで、あのくそ生意気なリアの兄、ラルスは納得しないだろう。
だが、彼女は見つからない。一体どこにいるのだろうか……。リア不足で気が可笑しくなりそうだ。
ある日、街の人に話を聞くと、同じことを尋ねていた人がいたといっていた。どんな奴か聞けば、紺色の髪と瞳の男性だったと教えてくれた。
クリフ・ルピナス侯爵令息か?
彼の髪色、瞳も紺色だった。奴がリアを捜しているんだろうと思った。クリフが何故、リアを捜しているのか理由も気になるが、奴より先にリアを捜さなければ。俺は焦る一方だった。
「メイナード殿下。明日、ハンシェミント国王の謁見がありますので、忘れないで下さいね。その二日後は、ダリル王太子殿下とお会いする予定です」
ルッツは感情を出さないで平然と言う。
「あ? なんで日にちが開くんだよ。国王と一緒に会えないのか?」
「メイナード殿下と違って、あちらはまだ王立学院で勉強をなさっています。王宮ではなく寮にも入って生活をなさっておられます」
「出来が悪くてか?」
「そんなわけがあるはずがないでしょう。この国では高度な事を3年ほど、我が国より多く時間をかけて学ぶのです。なので、ダリル王太子殿下と会われるためには、王立学院に行かなければなりません」
俺は、何故そんな事までしないといけないんだと吐き捨てるように溜息を吐いた。
「国王と一緒に会えないのなら王太子まで会わなくても良いだろう。国王にだけ会えればそれでいいのではないか?」
「そういう訳には行きません。ダリル王太子殿下は次期国王です。それに、長期滞在させてもらうのはこちらです。どうしても挨拶をするのがお嫌なら、大人しく国に帰ってください」
本当に口を開けば俺を国に返したがる。この国に来る時も俺を置いてルッツ一人だけで行くと言っていた。あの時はリアが本当にこの国にいるのか分からなかったからだと思っていたが、違うのかもしらないと考えてしまう。
俺と一緒にいる事に嫌気を差したのか?
幼い頃からルッツは俺の側にいる。何でも話せるし、頼み事も聞いてくれる。今までのリアの情報もルッツが調べて来てくれた。どんなものが好みで、どんなものに興味があるとか。公務の仕事もルッツ無しでこなしていく自信もない。今となっては居なくてはならない存在だ。機嫌を損ね、俺から離れられても困る。
「わかったよ。挨拶に行けばいいんだろう」
友好関係を保つためには、ややこしい挨拶も必要かも知れない。だが、今はそんな時間も惜しい。リアを捜す時間に当てたいのに。早くリアに会いたい。
翌日、ハンシェミント国王の謁見の許可が出た。俺達は今まで極秘で入国していたため謁見の許可をお願いした日にこの国に来たように見せかけていたから、すぐにルッツと王宮へ挨拶に行った。
「メイナード殿下。よく来てくれたな」
「お久しうございます」
広い謁見室では俺の一歩後ろにルッツが控える。国王の挨拶に『お久しうございます』と返しても、この国王に会ったのは十年以上前の話で、俺の記憶には残っていない。父からは『会った事がある』という事だけ聞いていた。だから会うまでは、どんな容姿なのかも分からなかった。だが、国王の顔を見た時に、ふと違和感を感じた。あれだけ街の中を歩き回ったというのに、この国には黒髪の人を見かけなかった。そして初めて黒髪の人物に会ったのだ。それが国王だった。
リアと同じ髪色……。
同色と言うだけで、何故かイライラしムカつく。俺が捜している色なのに、どうしてこの国王は同じ色をしているのだと。俺は溜息を吐きたかったが、吐き出すわけにもいかず、飲み込んだ。
「久しぶりと言っても、覚えていないだろう。小さかったからな」
国王の一言に癇に障る。俺にしたら嫌味にしか聞こえない。
「朧気ながら、覚えております」
心の中では、覚えている分けねえだろう、と呟いた。
「朧気ながらか……こちらは、しっかりと覚えているぞ。抱っこしてやると大泣きしておったわ。ははははは」
国王は大声で笑う声に俺は苛立つ。眉間に縦皺が刻みそうになるのを堪え、笑顔を見せる。早くリアを捜しに行きたいのに、顔を見て挨拶をしたのだからもういいだろう。
静かな室内で、国王は真っすぐ、じっと俺を見る。
「さて、殿下はいつ我が国に?」
「五日ほど前になります」
嫌な予感がする。謁見の許可が出たのが昨日。その三日前に正式な訪問として扱われた。手続きはその前日、と考えれば妥当な日数だった。それなのに……。
「ほう、五日ほど前にな……。メイナード殿下よ。こちらが気付かないと思っているのか? もうすでに三週間前に入国していただろう」
先程までは楽しげに見えた国王は、無表情になる。
「……っ!」
バレていたのか?
慎重に動いていたからバレていないだろうと思っていたが、筒抜けだったことに驚いた。返す言葉も出ず、俺は体を強張らせるしか出来なかった。焦っていると思ったのか、国王は不敵な笑みを浮かべる。俺は無言で不格好な笑みで返す。
「誰かを捜していたようだが、黒髪に紫の瞳か? どこの令嬢だ?」
「……」
そこまで筒抜けだったとは思いもしなかった。だが、どこの令嬢だと聞かれて素直に答えるほど俺は馬鹿じゃない。
「お教えするほどの令嬢ではございません」
「そうか、我が国のゆかりの者もそちらの国にいてな。我々、王族は髪が黒またはそれに近い色だから、少々気になっただけだ」
それでか、と納得した。黒髪の子を捜していると、街ので聞くと人は怪しい目で見ていた。それは、この国の王族の髪の色が黒だからだったのか。王族が街の中を歩き回ることも少ない無い。まさかリアがこの国の傍系親族ではと思ったが、そんな事があるはずがないだろう。
「そうですか……」と俺は、国王に簡単に返した。ドルーニア国でも黒系の髪の人間は少なからずいたが、確かにリアやラルスの髪色は漆黒ではなかった。
国王の言っている事を気にも留めなかった。俺にっとてはそんな事はどうでも良く、早くここを出てリアを捜しに行きたかったからだ。
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