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幼馴染

「モルガナー」

「フィト」

 中庭のベンチで昼休みにパンを食べているとフィトに声をかけられた。

「よっ、怪我は大丈夫か?」

「問題ありません、魔力の補充も万全です」

「そっか、ならいーんだけど」

 隣にフィトが座る。


「ジュースだけですか? いけませんよ、体は大事にしませんと」

「食欲ねーの、眠れなかったから」

「フィトが不眠なんてめずらしいですね」

「俺だってたまにはそういうときもあるっての」

 ふと、フィトは私の髪を見る。


「なんだ、まだしてるのかその髪飾り」

「やっぱり似合いませんか?」

「いやそーじゃないけど、おまえ普段はいっつも副団長と一緒じゃん」

「やっぱり女性らしいのはだめでしょうか? せっかくアイリにいただいて、気にいっていますし、つけているのですが」

「……あぁうん、やめたほうがいいかもな」

「そうですか」

 うなだれる私に、フィトはなぜか傷ついたような顔をした。


「あぁいや、これは……」

「べつに構わないよ」

 割り込んだアルヴァーの声に、私は驚いて顔をあげた。

 昨日のこともあるので恥ずかしい。

「いらしたんですか」

「たった今ね、偶然見かけて……仲がいいんだね」

 その言葉にフィトはなぜか機嫌悪そうにアルヴァーを見た。


「幼馴染ですからね」

 フィトが言う。

「そうか、意外だよ」

「俺もそう思いますよ、一級魔術師と一般兵士じゃあ……でも、副団長がモルガナを傍においておくなんてのも意外ですよ、すぐ左遷させるものとばかり思っていました、今までみたいに」

(噂は本当でしたか)

 私は内心頷いた。


「彼女とは相性がいいようでね」

「へえ」

 心なしぎすぎすした空気に、私は困った。

(いったいどうしたんでしょう)


 そのあとアルヴァーは所用で去り、フィトと私はいつもどおりの昼食をとってわかれた。


(問題はここからだったのですが)

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