お腹すいてる?
銀色の竜はセラージュ湖に置いて行こうと思ったのに、私たちが飛び立つと後を付いて来てしまった。
それで仕方なく、その竜もお城に連れて行くことになった。
城に帰ると、タイゼンさんが報告に行っている間、私たちは竜舎で待っていることになった。
タイゼンさんは、竜の世話係の人にクルトと銀竜のことを頼むと、急ぎ足で去って行った。
(殿下の捜索どころじゃなくなっちゃったなぁ……)
そう思いながら銀色の竜を見上げた。
銀竜はじっとこちらを見ている。
「ねえ、名前は何ていうの?」
訊いてみたけど、名前は無いようだった。
「私はリゼ。こっちはキュアー」
私は子猫のままのキュアーを抱きながら紹介した。
「クルル」
銀竜が甘えるように鳴いて、私に頭を擦りつけてきた。
結界はセラージュ湖で解いてしまっている。
私は銀竜の大きな頭を撫でた。
すると対抗するように、キュアーが「キュゥ」と鳴いて私にぐりぐりと頭を擦りつけてきた。
(ヤキモチかな? キューちゃん可愛い!)
私はキュアーの身体を撫でながら、銀竜の頭も撫でた。
そうしていると、世話係の人が銀竜に餌を持って近付いて来た。
「餌は嬢ちゃんがやるかい?」
そう言われて、私は「はい!」と返事をした。
銀竜はお腹がすいていたようで、催促するように「クルルゥ」と鳴いた。
するとキュアーも「キュゥー」と鳴いて餌を欲しがる。
(そんなに対抗しなくていいのに)
私は銀竜とキュアーの両方に餌を与えていった。
銀竜はよほどお腹がすいていたのか、すごい勢いで食べ始めた。
用意してあるだけで足りるかな、と心配になるくらいだった。




