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グレイス様と子猫?

 海岸沿いの町・ゾーマの近くに降りて、私たちはアウトゥール殿下を捜すことになった。

 殿下は25歳の青年で、王族特有の金髪と紅の瞳を持っているが、術で姿を変えているはずだから、魔術の痕跡を辿って見つけなければならないらしい。

 そのために毎回グレイス様が捜しに出ているようだ。


 王族は魔力が高いほど、その金髪と紅の瞳が色鮮やかになるのだという。 

 殿下は高い魔力を持っているので、いくら術で隠してもその鮮やかな色彩を完璧に隠すことはできないそうだ。

 だから私とタイゼンさんは、黒っぽい髪を持つ民の中から違和感のある色彩の者を見つければいい。

 その間にグレイス様は術の痕跡を辿って捜すそうだ。

 キュアーにも手伝ってほしいそうなので、私はキュアーをバスケットから出してグレイス様に渡した。


「キューちゃん、頑張ってね」

「キュ」


 キュアーは人に見られても不審に思われないように、グレイス様によって変化の術を掛けられた。

 真っ白な子猫になったキュアーも可愛かった。

 子猫を肩に乗せたグレイス様の姿は逆に目立つのではないかと思ったが、竜のほうが珍しいので構わないそうだ。


(でもキューちゃんが竜のままでも、知らない人にはトカゲに見えるんじゃないのかな?)

 そう思ったが、羽の生えたトカゲも珍しいので、やっぱり子猫のほうが目立たないのかと思い直した。


 変化の術は渡された本には載ってなかったが、私もあとでこの術を覚えて、好きな時にキュアーに掛けられるようになりたいと思った。


(大人の竜にもこの術を掛けたら、小さくて可愛いだろうな)

 竜たちが全員子猫になった姿を想像して興奮した。

 絶対この術を覚えるぞと決意した。



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